インナーケア、スキンケアを展開し、ライフステージに合わせて女性をサポートするウェルネスブランド「SIMPLISSE/シンプリス」(MNC New York株式会社)から、40〜50代の女性のための新ブランド『SIMPLISSE THE BALANCE/シンプリス ザ バランス』が発表され、4月18日には「SIMPLISSE THE BALANCE/シンプリス ザ バランス」の新ブランド・新製品発表会、およびトークセッションが東京EDITION 虎ノ門(東京都港区)で行われました。

同イベントでは、サプリメントの「シンプリス ザ バランス メノバランス」(左)と、ドリンクの「シンプリス ザ バランス メノナイトドリンク」(右)の発売も発表された。
同イベントのトークセッションパートでは、ゲストに内科・皮膚科医の友利新さんを迎え、同ブランドの代表取締役CEOの山本未奈子さん、同社の商品開発責任者CPOの中村千春さんと、女性の「更年期」をテーマに、それぞれの悩みや更年期世代の女性へのアドバイスを語り合いました。
「私はまだ更年期を感じない…」と言うけれど
中村千春さん(以下、中村):私たちは、3人とも「子育て世代」に加えて「更年期世代」でもあります。友利先生は、更年期による体調の変化を感じますか。
友利新先生(以下、友利):私は医師という職業柄、当直のため医局で寝て、朝起きたらすぐ診察というパワフルな働き方をしていました。以前はそれでも平気だったのですが、
最近は、起きてすぐ「ああ、疲れた」と感じるほど、体力が落ちてきたと感じています。
山本未奈子さん(以下、山本):先日、弊社で開いた交流会に、30名くらいのお客様がいらっしゃいました。みなさん口を揃えて「私は、まだ更年期は感じていないんです」と言うのですが、お話を聞いていると「でも、最近は疲れやすくて」とか「眠れない」「夜中や朝方に目が覚めちゃって」とおっしゃって。それがまさに更年期に起こりやすい症状ですよ! と話してたんですよ。。
友利:実は、私もまだ「これは更年期だ」とはっきりと意識していないんです。私やそのお客様たちのように、意外と自覚しない方が多いのかも。「更年期」って、なにか特別なものや怖いもののように思いがちですが、人生の一つの期間なんですよね。私たちは生まれて「小児期」を過ごし、「思春期」を迎え「性成熟期」に入る。
「更年期」は、「性成熟期」の次の段階です。私たち日本人の閉経時期の平均が50歳頃と言われているので、ざっくりと45~55歳くらいを更年期と呼びます。思春期と同じように、通り過ぎていつか終わる時期ですから、本当は怖くないですよね。
例えば思春期には、体重が増えたり、ニキビができたり、男性なら汗のにおいが変わったり、身体の感覚が変わります。同じように更年期では、精神的にイライラしたり、血管の運動がスムーズにいかずにホットフラッシュが起きたりと、身体の変化が症状として表れます。
中村:思春期の症状と違う点は、更年期症状は「我慢しなければいけない」と思ってしまう人が多いことではないでしょうか。症状がどれくらいキツくなったら病院に行ってもいいか、タイミングがわかりにくいです。
友利:気軽にクリニックに来てほしい、と言っても難しいかもしれませんね。でも、「なんだか眠りがちょっと浅いなあ」とか「頭痛があるなあ」という、少し不快に感じることを気にしてみてください。それが1週間とか1ヶ月続いて、自分の生活に支障をきたすようであれば、本当に気軽に相談をしてほしい。まずは誰かに相談するということが、すごく大切だと思うんです。
いちばんの美容は「睡眠」
中村:更年期に入る40代からも美しく生きるためには、ずばり何が大切だとお考えになりますか?
友利:私自身が40代になってみて、まだまだ新しいチャレンジをしたいと思っています。上にはどんどん新しいことをスタートさせている先輩たちがいますから、40代は「何かを始める時期」ととらえています。先輩方のように美しく生きるためには、何かを頑張るというイメージもありますが、「頑張るためにはしっかりと休みたい」とも思うんですよ。
人生100年時代といいますが、40代はその半分にさしかかる手前の時期です。前半はちょっと無理をしても頑張れましたが、これからはメンテナンスを欠かさないようにしながら、次のステージに上がっていきたい。日常のことでは「よく寝ること」。これが、美しく生きるためには一番大切だと思っています。
山本:「美しく生きる」ということ自体、定義が人によってさまざまです。私が考える美しさは、「自分を肯定できて、心地良く生きること」。周りがどう評価しても自分が心地良ければ、ふくよかでも痩せていても自分の好みでいいじゃない、と。
心地良くいるためにも「自律神経を整えること」はすごく大切です。最近の研究では、食事、運動、睡眠のうち、睡眠が最も大切だと言われています。睡眠時間の長さではなく、質の良い睡眠をとることの大切さがわかってきました。
友利:スキンケアは大切ですが、一番の美容は睡眠ですよね。
山本:私も身をもってそれを感じています。睡眠の環境を整えることはもちろん、成長ホルモンが出るといわれている睡眠の最初の90分を重視しています。その時間の睡眠の質で、肌の水分量やターンオーバーの促進などに変化が出てきますよ。
睡眠時間の確保を最優先にスケジュールを組む
中村:弊社がおこなったアンケート*では、更年期の症状についての悩みで「疲れやすい、疲れが取れない」という回答が約90%、「眠れない、寝つきが悪く、夜中に目が覚めてしまう」という回答が約70%もありました。
*…https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000024024.html
山本:実は、日本は睡眠偏差値が世界一低い国と言われていて、東京に限っていえば平均睡眠時間が5時間ほどしかありません。睡眠時間が短いなかで、どうやって質を追求していくか考えなければいけないですよね。
友利:私の場合は、知り合いの専門医に相談して、睡眠薬を処方していただくこともあります。それでも年齢的にバランスを崩しやすい時期ですが、きっと「睡眠薬はあまり飲みたくない」と考える方もいらっしゃいますよね。
日本では、睡眠薬にはネガティブなイメージがあると思います。以前は、飲んだら強制的にシャットダウンさせられるような薬もありましたから、不安にもなりますよね。でも、今は薬も新しくなっていて、睡眠のサイクルにアプローチして、自然な眠りに導くような薬もたくさん出てきています。もちろん専門医と相談のうえで、最後の砦として覚えていてもらえると安心ではないでしょうか。
山本:私は、うつ病になったときに全然眠れなくなってしまって。起き上がれない状態が続きましたが、今はこのとおり元気です(笑)。どうやって元気になったかというと、やはり睡眠をきちんととることが大切だったと思います。自分の生活習慣を見直して、8時間寝ると決める。スケジュールを組み立てるときは、必ず8時間の睡眠時間を確保していました。夜に眠れない日は、朝に予定を入れないなどの調整もしました。
私の場合は、お酒をやめて深い睡眠がとれるようになりました。あとは、寝室の環境を整えたり、加湿器で湿度を適切に保ったり、暗さを調整したり、パジャマを変えてみたり。睡眠を第一優先事項として、本当に色々なことをしました。その経験から、睡眠に関するドリンクをつくりたいなと考えるようになって、仕事にも活きましたね。
更年期は、次の50年に向けた人生の転換期
中村:睡眠の問題にはじまり、「更年期」は社会の大きな課題でもあると思います。更年期症状による経済損失は、女性の更年期症状だけでも約4200億円です。男性の更年期症状を含めると、約6300億円にもなると試算されています。
例えば、更年期症状や更年期障害によって仕事を辞めなければいけなくなった女性が46万人ほどいます。更年期症状のある女性の10人に1人は離職を余儀なくされた。そして、降格したり時短勤務にしたりと、以前と働き方を変えた方は75万人ほどです。4人に1人がキャリアを諦めなければいけない、望まない変化をしなければいけない事実があります。働く女性にとって、更年期は大きな試練と言えます。
友利:更年期症状が起こる理由は、女性ホルモンが枯渇してゼロになっていくことです。女性ホルモンは自律神経をサポートしてくれますし、眠気を誘発したり、血管の拡張と主祝をサポートしたりしているもの。それらがなくなると、精神的な不安定さに直結します。あとは、そんなに太っているわけじゃなくても中性脂肪が増え、高脂血症になることもあります。これらを見過ごさず、更年期を知って、対策をして受け入れていくことが大切です。
山本:更年期症状のある女性の10人に1人は離職、4人に1人はキャリアを諦めるという話でしたが、実際はもっと多いんじゃないかと思います。今は更年期の話がタブー視されていて、みんなが話しづらい世の中ですから、言い出せない人や自覚のない人もいるでしょう。ここは、私たちが次世代のために変えていかなければいけませんよね。
友利:思春期を迎えたこどもに対して、悪口として「あの人、思春期じゃない?」なんて言わないじゃないですか。「あの人、更年期じゃない?」なんてネガティブな発言も、なくしていきたいですよね。
山本:「人生のステージの転換期」という話もあったように、この先にハッピーな後半が待っているんだって、励まし合っていきたいですね。
友利:次の50年は、ホルモンに影響されないフラットな時期が待っているんだと思うと、なんだかちょっと楽しくなります。
山本:社会が変わらないといけない、と言いつつも、私たち自身が変わっていくことが一番だと思っています。
(構成:むらたえりか、編集:安次富陽子)