“稼げる女性”を増やしたい 谷脇しのぶさんインタビュー第2回

出産を経て気づいた「必要とされる人」だからできること

出産を経て気づいた「必要とされる人」だからできること

高校を卒業してから「いっぱい働けばいっぱい稼げる」と多いときには4つのアルバイトを掛け持ちしてがむしゃらに働きてきた谷脇しのぶさん。パソコンも触ったことがないところからwebの魅力に目覚め独立。現在は株式会社へノブファクトリーとウェブノ株式会社の2社を経営しています。彼女の躍進の背景には「稼ぐこと」への圧倒的な意欲と、そのノウハウを伝えて「女性でも、ママでも、地方在住でも、年収600万円以上稼げる人を増やしたい」という思いがあります。

高校卒業から独立までの経緯をまとめた第1回に続き、今回のテーマは「働く女性の妊娠・出産」。創業とほぼ同時に発覚した妊娠そして出産を、谷脇さんはどう乗り切ったのでしょうか。そこから得た気づきについて聞きました。

2-1

29歳で結婚

——ご結婚はいつ頃だったんですか?

谷脇しのぶさん(以下、谷脇):フリーランスで独立したのが28歳、その翌年の29歳で結婚しました。年下の夫で、彼が大学生の頃から付き合っていたんです。結婚の「け」の字も出てこないまま20代後半になり、親に会わせてもらうこともなく、「あれ、もしかして自然消滅をねらってる??」なんて焦った時期もありました(笑)

——それは焦りますね(笑)。

谷脇:そのうち私が仕事を始めてなかなか会えなくなったので半同棲するようになりました。このあたりで同年代が次々に結婚しはじめて、いよいよ焦っているうちに結婚の話が進み始めました。彼のお母さんもずっと働いている人だったので、私が働き続けることに彼は賛成してくれました。

——生活が変わるタイミングですが、その頃はどんな自分になりたかったですか?

谷脇:フリーランスになった頃は、家事もしっかりできて仕事もバリバリこなす人になりたかったですね。夫にもそう宣言していたので、個人事業主から法人化して、家事がおろそかになり始めたときは「詐欺!(笑)」と言われましたね。

——詐欺ですか! そんなの、旦那さんも手伝ってくれればいいじゃないですか。

谷脇:私が両方しっかりやるって宣言していたので(笑)。もちろん夫は協力的な人ですよ。会社化するときも、夫がいろいろアドバイスをくれました。金融系の仕事をしているので、創業のノウハウについて知識があったんです。

2-2

社長業5ヶ月目の妊娠発覚

——結婚後、出産のタイミングについてはどう考えていたのですか?

谷脇:子どもはずっとほしいと思っていたんです。フリーランスになった理由の一つにも、時間が自由になれば子育てがしやすいという思いがあって。でも、実際には2年経っても妊娠できなくて……。悩んでもしょうがないですし、「こうなったらバリバリ働くぞ!」と会社を登記した直後に妊娠が発覚したんです。社長業5ヶ月目でした。

——社長業5ヶ月目で妊娠……。聞いただけでも大変そうですね。

谷脇:待望の妊娠だったのでものすごく嬉しかったのですが、子どもができたことによる大変さをまったく想像出来ていなくて面食らいましたね。仕事をバリバリしたいのに出来ないジレンマです。

私は「食べづわり」という、とにかく食べ続けないと気持ちが悪くなるつわりでした。しかも当時はヘビースモーカー。タバコに逃げることもできなくなり、医者に行けば仕事を制限しろと言われる。妊娠がツラいというより、制限が多いことがツラかったですね。そんなこんなでイライラしているときに、夫が「身体を動かすのがツラかったら、産むまでの間に会社の今後のことを計画すればいいじゃん」と言ってくれたんです。その一言で、ずいぶん救われましたね。

妊娠後期まで人に言えなかった

——つわりが治まってからは順調でしたか?

谷脇:体調的には問題なかったので、バリバリ働けました。ハードに働きすぎて、とんでもないことをしていたなって思うこともあります。妊娠に関する本は、姉にもらった1冊しか読んでいなかったのもあって、不勉強だったんです。元気に生まれてきてくれた子供には感謝しかありません。

——周りは心配していなかったんですか?

谷脇:実は、妊娠したことを仕事関係の人にはあまり言っていなかったんです。まだ創業期でしたし、バレたら仕事に悪影響があるんじゃないかと思って。ところが、あるミーティングの最中に突然お腹が痛くなってしまい……。大事には至らなかったのですが、周囲にすごく怒られました。そこで本気で反省して、仕事をセーブするようになりました。

2-3

裁量があるから、できること

——出産後は、いかがでしたか?

谷脇:当時、会社と家が一緒だったんです。3LDKのマンションに住んでいて、一番大きな部屋がオフィスで、残りの2部屋で生活し、キッチンは共用。なので、出産後もそこで仕事していたのですが、社員たちは大変だったと思いますよ。仕事中にずっと赤ちゃんが横で泣いているわけですから。

——そういう環境なら仕方がないといえば、仕方ないですね。

谷脇:でも、それでよくわかったんです。これは、自分で会社をやっていたからできることなんだって。雇われていたらそこまで自由にはできないですよね。これまでの努力の結果と、それだけの裁量権があったからできたことなんです。それに気づいたので、ますます自分の価値を上げていこう、努力して自分ができることを増やしていこうと思うようになりました。そして、周囲にもそれを勧めています。

——その感覚は分かります。必要とされる状態を作ると強いですよね。

谷脇:そうなんです。たとえば、臨月のときにはお客さまの方からオフィスに来てもらっていました。「弊社はいい仕事をします。ですので、オフィスまで来てくれませんか?」と。仕事を頂くという意味では立場が逆ですが、自分に価値を感じてくれているからお客さんも来てくれるわけです。だったら、お客さまのビジネスのためにも、自分が働きやすくするためにも、自分の価値を上げることが重要なのだと気づきました。

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——確かに、世の中に価値を示せたら、自分が働きやすい環境を作ることができますね。次回はその「価値の高め方」についてお話を聞かせてください!

第3回は10月28日(月)公開予定です。
(取材・文:落合絵美、撮影:青木勇太、編集:安次富陽子)

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