1990年代のニューヨークを舞台に、老舗出版エージェンシーで厳しい上司に振り回されながらも奮闘する主人公を描いた映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』が5月6日(金)に公開されるのを記念して、本編映像の一部が公開されました。
同映画の公開を記念して、ファッション、芸術、経済など様々な分野で世界の最先端を行くニューヨークで奮闘する等身大のヒロインたちが登場する、ゴールデンウィークにおすすめの作品も一挙紹介します。
「何者か」になりたいと願う主人公の奮闘『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』
1990年代のニューヨーク。作家を夢⾒るジョアンナ(マーガレット・クアリー)は、⽼舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の⼥上司マーガレット(シガニー・ウィーバー)の編集アシスタントとして働き始める。⽇々の仕事は、世界中から毎⽇⼤量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターを処理すること。しかし、⼼揺さぶられる⼿紙を読むにつれ、飾り気のない定型⽂を送り返すことに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個⼈的に⼿紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナが電話を受けた相手はあのサリンジャーで……。
ジョアンナは偉⼤な作家の声を借りていくうちに、自分自身を見つめ直すことになる。友人や恋人との関係、夢にかける情熱、そして自分の将来について――。「何者か」になりたいと願うジョアンナが、自分のストーリーを生きるための、ニューヨークで開く人生の1ページ。

9232-2437 Québec Inc – Parallel Films (Salinger) Dac © 2020 All rights reserved.
今回、公開された映像は、ニューヨークの街角でジョアンナと友人ジェニーが、仕事の合間にランチをするシーン。ジェニーは作家の夢を諦め、婚約者と一緒に郊外に移り住むのだという。思わず「彼のために夢を捨てるの?」と問いただすジョアナに「私を祝福して」と返すジェニー。社会人になり、友人との関係性が少しずつ変化していくなかで、互いの選択を尊重し合いながらも自分らしい生き方を模索していく彼女たちの姿に自分を重ねる人も少なくないはず……。
5月6日(金)新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー。
モノクロ映像が映し出すヒロインの奮闘『フランシス・ハ』
都会で奮闘する女子映画の金字塔といえば『フランシス・ハ』(ノア・バームバック監督、2012年)。ブルックリンで親友ソフィーとルームシェアをし、楽しい日々を送っていた27歳の見習いモダンダンサーのフランシス(グレタ・ガーウィグ)。しかし恋人に振られ、ソフィーとの同居生活も解消になってしまったことから、居場所を求めて街を転々とするはめに。周りの友人たちは次々と身を固めていき、焦りも感じたフランシスは、自分の人生を見つめ直していく。
モノクロ映像が映し出す人間模様は臨場感に溢れ、不器用ながらチャーミングな彼女から目が離せない。タイトルの『フランシス・ハ』に隠された秘密の明かされるラストに心動かされる。
ここではないどこか(NY)へ…『レディ・バード』(2017)
『フランシス・ハ』で知られる女優のグレタ・ガーウィグが自身の出身地でもある米カリフォルニア州サクラメントを舞台に描いた自伝的映画。閉塞感漂う片田舎の町でカトリック系の女子高に通い、自らを「レディ・バード」と呼ぶ17歳のクリスティン(シアーシャ・ローナン)の夢は、街を出てニューヨークの大学に進学すること。地元の大学への進学を望む母とは口論が絶えない。そんな彼女が高校生活最後の年を迎え、友人やボーイフレンド、家族、そして自分の将来について悩み、揺れ動く様子を、みずみずしくユーモアたっぷりに描く。
憧れの街ニューヨークで彼女が見た都会での生活、そして故郷への思いとは。多感な時期の痛々しさと輝きに、誰もが共感の声を上げる一作。
私が地元を飛び出した理由は…『ブルックリン』(2015)
1950年代、アイルランドからニューヨーク・ブルックリンにやってきた移民の少女の青春や揺れ動く心を描いた『ブルックリン』(ジョン・クローリー監督)。大人しく目立たない性格の少女エイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、妹の将来を案じた姉の勧めでアイルランドの小さな町からニューヨークへとやってくる。それまでとはあまりに異なる大都会での生活に戸惑うエイリシュは、しかし、イタリア系移民の青年トニー恋をきっかけに大きく変わっていく。
洗練されたニューヨーカーとして生き生きと日々を過ごすエイリシュだったが、そんな彼女のもとに故郷からある悲報がもたらされる。アイルランドに帰郷した彼女を待ち受けていたのは、運命的な再会、そしてもう一つの幸せな人生だった……。
故郷アイルランドと、ニューヨーク・ブルックリン――ふたつの祖国を持ち、ふたつの運命と愛の間で揺れながら美しく花開いていく女性の姿を描く。
シガニー・ウィーバー出演『ワーキング・ガール』(1988)
最後にご紹介するのは『ワーキング・ガール』(マイク・ニコルズ監督)。ニューヨークの証券会社で秘書として働くテスは、頭は切れるが学歴不足が原因で出世コースから外されお荷物扱い。やがて、ボストンから転勤してきた女性重役キャサリンの秘書に転属になったテスは、キャサリンの才媛ぶりに憧れてさまざまな新企画を提案するが一蹴されるばかり。そんなある日、休暇中に骨折して入院することになったキャサリンから留守中の仕事の切り盛りを任されたテスは、とあるキャサリンの事実を知って愕然とする。キャサリンを演じるのは『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』のシガニー・ウィーバー。