過剰に予防線を張る後輩がいます。仕事を頼んでも「やったことがない仕事なので失敗するかもしれないですが、仕事を指示したのは○○さん(私)ですからね」と言ってきたり、私が仕事相手とトラブっているのを見て、彼女には関係のないことなのに「だから私はこう言ったじゃないですか」と言ってきたり、なんというか、彼女と接していると殺伐とした気分になるというか責められている気分になって「じゃあもういいよ」と思ってしまいます。
もちろん仕事の準備や起こり得る事態を想定してプランBを用意しておくことは大事ですが、彼女の場合は過剰と言うか、とにかく自分に火の粉が降りかからないようにしているのが見え見えです。対処法は「関わらない」くらいでしょうか?
「誰が言うか?」でコミュニケーションは変わる
「デート代は男が払うべきか否か」という不滅の問題ってあるじゃないですか。
「男が払うのが当然だろ?」という女と、「おごってもらって当たり前だと思うなよ?」という男と、今日もどこかで不毛なレスバトルが続いているわけですが、この問題って男のセリフと女のセリフをひっくり返すだけで円満解決するんですよね。
「男が払うのが当然」というセリフは男が言い、「おごってもらうのは当たり前ではない」というセリフは女が言うことで、いがみ合いは感謝のし合いに変わるんです。
何が正論で何が誤論なのかはわかりませんが、一見正論と思えることでも、立場を間違えると人間関係は拗(こじ)れてしまうということですね。
コミュニケーションには言説の正誤だけではなく、「誰が言うのか」というところにも正誤が存在するということです。
「関わらない」カードを切る前にできること
以上を踏まえて、「やったことがない仕事なので失敗するかもしれないですが、仕事を指示したのは○○さんですからね?」と予防線を張る後輩さんの件ですが、言っていることは正論だとは思いますが、「誰が言うのか」というところが間違えています。
そんな責任逃れ満々の発言をされたら、どんなに寛容な先輩でも「ふざけんな、お前が責任持ってやれよ」と言いたくなってしまいます。
本来この後輩さんのセリフは先輩が言うべきセリフ「やったことがない仕事で失敗するかもしれないけど、私が責任を持つから思い切ってやってごらん」と言うことができれば、「先輩のせいにはできない」と思い立ち、責任を持って仕事に取り組んでくれるのかもしれませんね。
人心掌握に優れている人は「誰が言うべきセリフなのか」というポイントをよく心得ている人です。
後輩さんと信頼関係を築くためにも、まずは先輩としてちゃんと予防線を張ってあげること。
それに甘えているだけの無責任な後輩ならば、もう関わらないほうがいいのかもしれませんね。
「関わらない」という切り札は最後のカード。
そのカードを切る前に「セリフ交換カード」を試してみてください。