この前、仕事でトラブルになったときに同僚に相談したところ、客観的な助言をたくさんしてくれてすごく助かりました。私はどちらかというと、相手に共感しやすいというか感情移入してしまって一緒に頭を抱えるタイプなので、同僚のいい意味での「他人事感」にすごく救われたというか、気が楽になりました。他人事ってどちらかというと悪い意味で使われるほうが多いですが、他人事の立場で物事を見てくれる人って貴重だなと思いました。あおいさんの考えも知りたいです。
自分事と他人事の違いは?
主観視は「狭く深く」という視点です。
深い洞察ができるというメリットはありますが、視野が狭いというデメリットがあります。ゆえに掘る場所を間違えると、深く掘っても何も出てこないということがありますね。
当事者はもちろんのこと、当事者に近い人ほど当事者意識が強くなり、「狭く深く」という主観視になっていく傾向があります。
一方、客観視は「浅く広く」という視点になります。
あまり深い洞察はできないというデメリットはありますが、より広範な視点で物事を見ることができるというメリットがあります。
当事者から離れた関係になるほど当事者意識が薄くなり、「広く浅く」という客観視が働く傾向がありますね。
共感力の高い人になると、他人のことでも自分のことのように思ってしまうので、客観視が働かず、主観的になってしまうことがあります。一方、共感力の低い人になると、自分のことでも他人事のように客観視してしまうこともあります。
どちらも一長一短のある性質を持っているので、主観視と客観視はバランス良く持っていることが重要になります。
問題が起こったときの手順は?
問題が起こったときは、まずは客観視でさまざまな角度から問題点を見ること。
そして問題の核となる部分を見つけたら、そこにフォーカスして主観視で掘り下げていくこと。これができる人は自分の人生を上手に運営していくことができる人です。
主観視に偏っている人はまず多角的に問題点を見ることができないので、掘る場所を間違えて無限に掘り下げ、自分の掘った穴から抜け出せないことがよくあります。
「墓穴を掘る」とはまさにこのこと。
自己愛が強すぎて自分自身に過保護な人に多い傾向なので、もう少し自分に厳しくしたほうがいいのかもしれません。
客観視に偏っている人は多角的に問題を見ることはできるのですが、問題の核を見つけることができてもそこを深掘りすることができなく、結局は問題を放置してしまうことがよくあります。
自己愛が弱すぎて自分自身に不感症な人に多い傾向なので、もう少し自分自身を愛してあげる努力をしたほうがいいのかもしれませんね。
主観視と客観視のバランスを保つ秘訣は?
主観視と客観視のバランスは一貫しているものではなく、その日のコンディションによって異なるものです。
ちょうど良い自己愛を持つことができても、日によっては大きくバランスを崩してしまうこともあります。
ゆえにコンディションを整えるための生活習慣を身につけることが、主観視と客観視のバランスを保つ秘訣(ひけつ)になりますね。
と言ってもこれがなかなか難しいので、バランスを崩したときの他人のアドバイスは、時に親友や恋人や親よりも核心をついた有り難いものになり得るものだと思いますよ。