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無力感や罪悪感を感じてしまうのはなぜ? 「断れない病」の人への処方箋【DJあおい】

無力感や罪悪感を感じてしまうのはなぜ? 「断れない病」の人への処方箋【DJあおい】

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職場で人から頼み事をされたときや、お願い事をされたときに自分では引き受けられないことがあるのですが、そんなときに無力感を抱いてしまったり、相手に申し訳ないなと思ったりしすぎてしまうことがあります。最近は、自分のできる範囲で対応すればいいと言い聞かせているのですが、目の前に困った人がいると必要以上に自分事化してしまいます。心の癖だとは思うのですが、パッと切り替えられる方法というか自分と他人の間にちゃんと境界線を引く方法はあるのでしょうか?

「断れない病」になってしまうワケ

誰かに頼み事やお願い事をされたとき、それを引き受けることができないと必要以上の罪悪感を感じてしまう傾向を「断れない病」と言います(正式な医学的疾患名ではないのでご心配なく)。

他人からの要求に対して拒否することができず、断れないと感じてしまい、そのため頼まれ事を引き受けられないと自己評価が下がり、罪悪感や不安感などのネガティブな感情が生じてしまうわけです。

この傾向を持つ人は他人に嫌われたくないという気持ちや、自分が必要とされているという感覚を持ちたいという気持ちが強く働いています。

自己効力感が低いくせに他人を頼れず、自信がないくせに完璧主義で、弱いくせに強がりで、志は高いくせに不真面目だったり、誠実であろうとしているくせに嘘(うそ)をついたり、そういった自己矛盾を抱えている人に多い傾向ですね。

自己が思い描く自分のイメージにまだ現実の自分が追い付いていない状態。

簡単に言えば、まだ自己が確立できていないということです。

自分という存在が確立できていなければ他者との境界線も引くことはできませんからね。
まずは自他境界の前に自己の確立を目指してください。

他者との境界線をつくるために大事なこと

「断れない病」を持つ人は他人からの承認を求める傾向があるのですが、自己の確立に必要なのは他者承認ではなく自己承認です。

他人のニーズを満たすことではなく、自分のニーズを満たすことが必要であり、そのためには「自分は何を求めているのか、自分は何をやりたいのか」を知ることです。

これはそれほど崇高なお話ではなく、もっと庶民的なお話です。

例えば「新しい靴が欲しいんじゃ!」という欲求でもいいし、「来月は旅行に行きたいんじゃ!」という欲求でもいいし、「もっと推しに貢ぎたいんじゃ!」という欲求でも構いません。

それらの自分のニーズを満たすために働き、それらの欲求をひとつひとつクリアしていくことで自己承認が得られ、自己が確立され他者との境界線ができるということです。

そうなれば他者の承認に依存する必要性はなくなり自己矛盾も解消されますからね。

自分のニーズに合わない他者の頼みは心置きなく断れるようになり、罪悪感も適正なものに抑えられると思いますよ。

ものっすごく簡単に言えば「いい子をやめろ」ってことですね。

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