『うまくやる』最終回

「ただ好きだからやってるだけ」人を惹きつける熱量を持っている人の共通点

「ただ好きだからやってるだけ」人を惹きつける熱量を持っている人の共通点

『うまくやる~コミュニケーションが変わる25のレッスン~』(あさ出版)を書いたクリエイティブディレクターの熊野森人さんが、「コミュニケーションをうまくやる」方法を5回にわたり紹介します。(毎週水曜更新)

コミュニケーションを『うまくやる』。この連載もいよいよ最終回になりました。みなさんに最後にお伝えしたいのは「熱量」のお話です。どんなに役に立つ情報よりも、どんなにいいこと言っている投稿よりも、人を惹きつけるものはその人の「熱量」。人のニーズは関係なく、じぶんが好きだと思っているからこその「熱量」が、人の気持ちに響くというお話です。

「好き!」こそ、積極的に表に出そう

みなさんにとって、人の目や意見や世間体などを切り離してまで好きなものってありますか?

太ることを承知でチョコレートが大好きな人もいるでしょうし、マニアックな役者さんが好きな人もいるでしょうし、とんでもなく寺社仏閣にハマっている人もいることでしょう。

また、それらが好きなことを公表することで、レッテルを貼られるとか、悪い噂がたつとか、会話が成り立たないとか、そういう状況になることを恐れて、できるだけ表に出さなかったり、人前では封印していたりしているなんてことないでしょうか?

僕は、そういう「好き!」の情報こそ積極的に表に出していくべきだと考えています。

人を巻き込むのは圧倒的な「好き」が生みだす熱量

いまの時代、ちょっとでもネットを覗けば、 役に立つ情報や、共感しやすい表現、いいこと言っている投稿など、いっぱい目に入ります。

それは、友達や学校、職場の人たちの会話でも同じで、みなさんの周りにも、できれば波風立てず、周りに馴染む情報や、じぶんがあまりいいと思っていないのに人に合わせる形で話をしていることなんて人がいるのではないでしょうか?

そういう人に役立つ情報や人に合わせる情報も「空気を読む」という意味では必要ではありますが、そればかりではなく、これからはじぶんの中にある熱い「好き」を共有していったほうがいいのではないか、と僕は思っています。

そうすることで、これまで良しとしてきた「空気を読んで周りに合わせる」コミュニケーションだけではなく、「空気をつくって周りをじぶんの熱量に巻き込んでいく」という、新しいコミュニケーションアプローチが可能となります。

こういうとちょっと難しく感じるかもしれませんが、その見本がこの連載のプロローグでもふれた「さかなクン」なのです。

さかなクンは圧倒的なお魚愛と、そのキャラクターで一躍人気者になりました。彼は自分の魚好きをとにかくアピールしまくります。それと同時に、他を否定するようなことは一切口に出しません。

どういうことかというと、彼は魚が大好きですが、例えば虫好きの人に対して「虫好きは魚好きに勝てない」とか「虫好きはわかってない」などと否定しないわけです。

もっと言えば、何かを批判する言葉を発する時間があれば、自身のお魚愛について、より深くプレゼンテーションを続けます。

つまり、圧倒的なものごとへの愛(好き)を持ってその愛(好きの)の熱量で周りを巻き込んでいっているわけです。

とにかく理由なんてどうでもよくて「好きなんです」というのは無敵だと僕は思います。
他が見えないとか、バランスを欠くとか、そんなことも関係なく、とにかくそれがある人は幸せだということです。

「ただ好きだからやる」で十分

ちなみに僕の「好き」は、じぶんの行いで人を楽しませたり、心地よくさせることです。

例えば仕事で「こんなことを悩んでるんだ」と相談されて「うまくいっていない原因はここにありそうなので、これをこうやったらいかがでしょう?」「あ! うまくいった。ありがとう!」と言われるようなこと。

例えば家で妻や子どもを笑わせること。
例えば進路に迷っている学生の頭をほぐして、一緒に
整理すること、などなど。
話していて綺麗ごとすぎないか? と自分でも思いますが、実際そうなのです。

でも昔は、勘違いして天狗になっていた時期がありました。

「じぶんには人様の問題を解決できる才能があるのだ」とか「人に望まれるので、じぶんはサービスをしているのだ」みたいな、本当にこじらせたひどい考えを持っていた時期もありました。これはプライドでもなんでもなく、傲りですね。

しかしいまはもう、ただただ人のニーズは関係なく、じぶんが好きだと思っているからやっているという感覚になりました。情けないことに、この感覚になるまでにかなりの時間を要しました。

ただ好きだからそれをやる。

これ以上シンプルでナイスな動機は他にないですね。

大人になればなるほど、なんだかんだ知れば知るほど、ものごとに意味や理由を求めて、本質の大事な部分に自らフタをして捉えていきがちですが、時にはそんなフレームから逃れて純粋な「好き」をあらためて見つめてみるのも大事です。

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