「ボクたちの人生はSNSで変わった」前編

SNSで人生は変わったんですか?【浅生鴨×燃え殻】

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SNSで人生は変わったんですか?【浅生鴨×燃え殻】

NHK職員時代に開設した広報局ツイッターが人気を博し、小説を発表することになった浅生鴨(あそう・かも)さんと、テレビの美術制作の仕事をしながら日報代わりに始めたツイッターが話題になり、去年、初の小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮社)を発表した燃え殻(もえがら)さん。

ともにテレビ業界に所属し、SNSで人生が変わったという共通点を持っています。

このほど、マラソンやスキーなど視覚障害者のスポーツ競技で、選手の目の代わりを務める“伴走者”に焦点を当てた浅生さんのスポーツ小説『伴走者』(講談社)の発売を記念したトークショー「ボクたちの人生はSNSで変わった」が「青山ブックセンター 本店」(東京都渋谷区)で開催され、浅生さんと燃え殻さんが対談をしました。

トークショーの内容を再構成・編集して前後編にわたってお届けします。

【関連記事】計画どおりに生きる。それが「大人になる」ってことですか?

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浅生鴨×燃え殻

浅生:こんばんは。浅生鴨と申します。

燃え殻:燃え殻と申します。よろしくお願いいたします。

浅生:対談イベントっていうことになっていますけど、多分、ここは燃え殻ファンがものすごく多いと思うので……。

燃え殻:そんな人いないです。今日は、浅生鴨さんの『伴走者』を宣伝する会に、僕は呼ばれたと思ってるんですけど。

浅生:本当はそういう趣旨のはずなんですけれど、タイトルが「ボクたちの人生はSNSで変わった」っていう……。

燃え殻:めっちゃこすってるじゃないですか、僕のほうに。

浅生:なので、僕は今日、置物のようになろうかなと思ってやっています(笑)。

燃え殻「糖尿っぽいけど絶対に変わりました」

浅生:SNSで人生は変わりましたか?

燃え殻:「変わりませんでした」って言ったら嘘になっちゃうので、すごく変わりましたね。SNSをやっていなかったら、小説は絶対に書いてない。

SNSをやったことによって変わりましたって、あまり言わないほうがいいというのが礼儀みたいになってるじゃないですか。僕が「いろいろと変わった」って言うたびに、「調子に乗ってるんじゃねえ」って言われますね。

浅生:“ポッと出”扱いになるのね。

燃え殻:“ポッと出”ですよ。それでいいんですけれど、「フォロワーが多くなって変わりましたか?」変わったんですよ。「うれしかったですか?」誘い水じゃないですか。でも、うれしかったんですよ。

僕が普通に生活していたら、絶対にお会いできない、今日来ていただいたみなさんもそうですけど、多分、同じ空間にもいることができないような人たちに会う機会というのは、確実に僕はSNSをやったことによって得られたので、それはすごくよかった。

嫌なことは、あんまりマイクを使って言うことじゃないんで、言いづらいですけれど、同じくらいあって……。砂糖と塩をどんどん足していったみたいな。よいこと、悪いこと、よいこと、悪いこと……みたいになって、糖尿っぽいです。最終的に糖尿っぽいですけれど、変わったか変わらなかったかで言うと、絶対に変わりました。

どちらかというと辛いほうっていうのは、まったく慣れないんですよ。言いづらいんですけど、よいことは慣れるじゃないですか。当たり前になってしまう。

浅生:僕たちは調子に乗るから……。

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浅生「人は場面場面で別人になる」

浅生:このあと、小説の話もしたいと思っているんですけれど、(会場に向かって)SNSについて燃え殻さんに聞いてみたいことはありますか?

観客:SNS上の自分と本当の自分って分かれていますか? それとも素のままですか?

浅生:僕は分かれています。でも、それは今ここにいる僕とも分かれているし、さっき裏で(燃え殻さんと)2人で話していたときとも分かれているし、家に帰って猫と遊んでいるときとも分かれている。

だから、人は場面場面で常に変わるというか、別人になるので、そういう意味でSNSで書いているときの自分と書いてないときの自分は分かれている。そっくりそのままじゃないですよね。だって、誰かに向かって何かを言おうとしているので、そこは多分違いはあると思います。

燃え殻:僕は結構、分かれていないです、と言いたいです。できる限り、分かれないようにしようって思っているのと、格好つけようと思ってやるときもあるんですけれど、知っている人に向かって格好をつけようとしているのと同じような感じでやろうとしてますね。

あと、会ったことがない人に「テメー!」って言って突っ込んでいく人がいますけど、それって、本当にこういう場でお話させていただいたら、絶対に言えないでしょ? よく、会ったらいい人だったっていうのがあるじゃないですか。そういう人が僕は苦手で、最初からいい人でやればいいじゃないですか。

浅生:僕は会ってもダメだったっていうのが理想かな。この人ダメだと思うって。

燃え殻:よく「本名でやれよ」みたいに言う人がいるじゃないですか。

観客:田中泰延さんが「誰だか分からないよ。アイコンもよく分からないし、名前も」って。

燃え殻:それって僕のことだ。

浅生:僕もだ。

燃え殻:そうですよ。鴨じゃないですか。

浅生:人ですらないっていう(笑)。

僕が「分ける」っていうのは、人は相手によって変わるもので、つまり一貫性なんてないんだよ、と思っているからであって。だから、分けようとしているのではなくて、多分、分かれているだろうなっていうぐらいの感覚です。意識して分けているわけじゃないけれど、どうせ分かれているだろうなって思っている。

燃え殻:あぁ、それはわかります。

※後編は8月4日(土)公開です。

(取材:ウートピ編集部・堀池沙知子)

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