田中慶子さんインタビュー 第3回

「嫉妬される人間だと自覚したほうがいい」友人に指摘されてハッとしたこと

「嫉妬される人間だと自覚したほうがいい」友人に指摘されてハッとしたこと

20日に放送された、AbemaTV「Wの悲喜劇 〜日本一過激なオンナのニュース〜」では、「不登校からの〜人生バラ色!」と題して、かつての不登校の経験を経て現在は様々な分野で活躍する女性たちの実態に迫りました。

スタジオの様子

MCのSHELLYさん(中央)と、田中慶子さん、大場花菜さん、恩田夏絵さん、北澤愛子さん、鈴木編集長(SHELLYさんから時計回りに)

「みんなは普通にできていることが、なぜ私は上手にできないんだろう……」

勉強、恋愛、仕事、人間関係、日々の生活——。「できて当然」と思われていることが、どんなに努力してもできない。そんな自分がイヤになったことはありませんか?

同時通訳者として、ダライ・ラマやデビッド・ベッカム、ビル・ゲイツなど世界的な著名人やロイヤルファミリーの通訳を行っている田中慶子(たなか・けいこ)さんは、高校時代に不登校を経験しました。留学を経て就職した会社にも馴染めず、周囲から孤立。再就職先ではトラブルに巻き込まれ……。これまでの人生を「ダメダメだった」と語る田中さん。

しかし田中さんは、それらの経験と約20年間の通訳人生を踏まえ、「普通じゃなくてもいいんだ」と“ダメダメだった頃の自分”を含めて自らを肯定できるようになったといいます。家族への罪悪感や、友人の嫉妬を乗り越えた先に見えた、自分なりの価値観。そこに至るまでの経緯と心境の変化を聞きました。

3回目の今回は、友達や仕事関係者への嫉妬心に関するお話です。

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お互い頑張ろうねと言っていたのに…

——ウートピ読者にはどちらかというと「嫉妬される側」の人が多いように感じるのですが、田中さんは周りから嫉妬されることはありませんか? 「不登校だったのにいつの間にか大成功してずるい!」とか。

田中慶子さん(以下、田中):嫉妬される側、そんなことがあるんですね。

——不登校を経て、今では世界で活躍する同時通訳者。その道のりには、人並み外れた苦労があったかと思います。だけど、努力がなかなか見てもらえなくて、結果だけ見られてしまうというか。

田中:私は昔から、「自分は人と同じように学校に通うことすらできない、平均以下のダメ人間だ」と思い続けていたところがあって。いつまでたっても自信が持てないし、人から嫉妬されるような人間であるとも思えないんですよ。でもあるとき、友達から「あなたは人から嫉妬される立場であることをちゃんと自覚したほうがいい」と言われたことはありますね。

——それはどんな文脈で?

田中:それまでとても仲良くしていた人から突然意地悪をされたことがあって。お互い仕事頑張ろうねって励まし合っていたのに、「なんで?」「私なにか悪いことしたのかな?」って、すごく悩みました。

するとそのことを相談した友達が「彼女が意地悪をしたのは、あなたに嫉妬しているからだよ。あなたは人から嫉妬される立場であることをちゃんと自覚したほうがいい」って。

正直驚きましたね。意地悪をした人は旦那さんもいて、私からすると、生活は安定しているし、余裕を持ってキャリア構築ができる羨ましい身分。一方で私は、あくせく働かなければ来月の家賃も払えない状態。「私のほうがかわいそうな人間なのになんで?」って言いたかったくらい(笑)。

でも、キャリアアップを目指していた彼女から見た私は、誰にも頼らず自立した人生を歩んでいてそれが嫉妬の対象になってのだろうと言われました。結局、人ってないものねだりなんですよね。その出来事は自己認識や人を見る目が変わるきっかけになりました。

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肩書きなんかいらない…?

——逆に、田中さんが誰かに嫉妬した経験はありますか?

田中:嫉妬……ではないですが、今でも良く覚えているのが、27歳のとき、ニューヨーク近代美術館「MOMA」の教育部門長を務めていた方の紹介映像を撮る仕事があって、彼女に正式な肩書を聞いたんです。そうしたら彼女は「肩書きなんかいらない。なんなら名字もいらない。ファーストネームだけでいい」と言うんです。私はその気持ちが全く理解できなくて。

思わず、「私には学歴も肩書もない。名門大学で博士号をとって、輝かしいキャリアがあるあなたのことがうらやましくてたまらないのに、何も書かなくていいってどういうこと?」と聞いてしまったんです。

——それほどの経歴があったら、私は載せたいです。

田中:ぶしつけな質問をしてしまった私にその人が「あなたいくつ?」って聞いたんです。27歳って答えたら、「じゃあ、そう思うべき。若いうちは、貪欲に学歴や肩書をどんどん身につけなさい。そういうものはキャリアアップや目標達成に向けて邁進するとき、鎧のようにあなたを守ってくれるから。でも、私の歳になったら、そういう鎧を全部脱いで自分自身で勝負するのよ」って。

その言葉は深く刺さりましたね。あれから随分年月が経って、私もそろそろ鎧を脱いで自分自身で勝負しなくちゃいけない歳になっているんですけど……。まだまだ全然ダメですねぇ。

人の心は層状 自分の本心までめくってみて

——人を羨む気持ちはキャリアを積み重ねていけば、いつか解放されると思っていたんですが……。

田中:努力より結果のほうが目につきやすいですから、人と比べると焦る気持ちが出てきますよね。でも最終的には、自分で納得するのが一番気持ちいいと思うんですよ。私は最近、自分の本心にスポットを当てて「ちゃんと納得できているかどうか」に注目するようになりました。

——自分の本心……。どうすれば見えるようになりますか?

田中:人の心は何層にもレイヤーが重なってできている、と思うんです。例えば「英語を勉強したい、でも時間がない」と思ったとき、その気持ちを一枚ずつめくっていくと、「新しいスキルを身に付けたい」「成長したい」「習い事ができる余裕がほしい」とかっていう表層部とは違う気持ちが少しずつ見えてきます。

それを一枚ずつめくっていくと必ず本心が出てくるんです。そうして見つけた気持ちを、誰よりも自分が信じて大切にしてあげる。一人ひとりが「本当は何がしたいのか」「どんな理想を持っているのか」と自分と向き合って、信頼できる人たちと語り合えたら、自分の周囲だけでもいい空気に変わっていきそうですよね。

(取材・編集:ウートピ編集部 安次富陽子、文:華井由利奈、撮影:大澤妹)

■番組情報
男子は見なくて結構!男子禁制・日本一過激なオンナのニュース番組がこの「Wの悲喜劇」。さまざまな体験をしたオンナたちを都内某所の「とある部屋」に呼び、MC・SHELLYとさまざまなゲストたちが毎回毎回「その時どうしたのか?オンナたちのリアルな行動とその本音」を徹底的に聴きだします。
#74「不登校からの〜人生バラ色!」
7月27日まで無料視聴できます

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