38歳で退職、世界で幸せを探してみた。堂原有美さん 第2回

「うらやましいと思うのはどんな人?」自問自答で気づいたこと【世界で幸せを探してみた2】

「うらやましいと思うのはどんな人?」自問自答で気づいたこと【世界で幸せを探してみた2】

「幸せってなんだろう?」「どうすれば幸せになれるんだろう?」——そんな問いの答えを探すため、30代後半で地元の広告会社を辞めて、3か月後には世界一周旅行に出発。幸福度が高いといわれる国々を周遊した堂原有美(どうはら・ゆみ)さんは、帰国したいま「幸せは、自分で考えて、自分で決めるものでしかない」と言い切ります。

16年間打ち込んだ仕事を手放し、新しい人生を歩き始めて見えたもの。27もの“幸福度の高い国”をめぐり、その地に暮らす人々とふれあって感じたこと。

堂原さんのお話から、“自分なりの幸せ”を見つけるヒントを探っていきます。

2回目となる今回は、会社を辞めてから世界旅行を志すまで。どうして「幸福度の高い国」をめぐる旅にしようと考えたのか、そのきっかけを伺いました。

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「海外」というカードを、今後の強みにしたい

——38歳で仕事を辞めたものの、今後については白紙の状態。そこから世界旅行を思いつくまでは、どういう経緯だったのでしょうか。

堂原有美さん(以下、堂原):退職後になにをするかは、本当に決めていませんでした。でも16年間会社員をしてきて、お金のことには一生懸命になれない自分が見えていた。つまり「好きなことじゃないと自分は力が入らない」ということだけはわかっていたんです。だから、絶対に「自分が力を入れられる」「納得できる」ことを見つける必要がありました。

——自分が納得して取り組めることを探すために、どんなアプローチをしましたか。

堂原:自分は「どんなことをしている人を見たら、うらやましく思うか?」を考えてみたんですね。そうしたら、たくさん海外旅行をしている人がうらやましくて(笑)。そう感じるなら、まずは思いきり海外に行ってみようと考えました。

——とてもシンプルですね。

堂原:それから、同時期にフリーランス指南本のようなものを読んでいたのですが、そこには「自分のスキルと強みが多いほど、たくさんの仕事がとれる」と書いてありました。

当時の自分のスキルは、広告会社で培った「企画」「PR」など。強みは「観光」「地域」だったから、それらを掛け合わせて「企画×観光」といった仕事を狙うのがセオリーです。でも私は、そこに新しく「海外」というカードがほしくなったんですよね。はじめは「海外に行きたいな~」くらいの軽いノリだったけれど、どんどん真剣に、出国を考えるようになりました。

だけど、ただ旅行をするだけじゃパンチが足りない。30代後半というそれなりの年齢で旅をするからには、なにかしら成果も出したいと考えました。そこでまた自分の関心事を見つめなおしたとき、ふと「幸福」「教育」というキーワードが出てきたんです。

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「幸せになるためには、教育が大切なのでは?」という仮説

——「幸福」「教育」に関心をもっていたのは、なぜですか?

堂原:会社を辞める5年くらい前に、フィンランドを旅行したことがあったんですよね。そのころはすでに、心の中で「なにか新しくて、周りを幸せにできるような仕事がないかなぁ」と思っていた時期。幸福度が高いといわれるフィンランドに行けば、なにかヒントが見つかるかもしれないと感じて、旅行先を決めたんです。

——在職中に、世界旅行の前哨戦があったわけですね。そのフィンランド旅行では、どんなことをされたんですか。

堂原:フィンランドに住む人たちに、とにかく「あなたたちはどうして幸福なの?」と尋ねまくりました。人によって答えはいろいろだったけれど、そのなかで誰もが口をそろえたのが「教育がいいから」ということ。

たとえば、フィンランドの幼稚園は個性を伸ばす教育を大切にしているため、日本のようにみんなが一斉に同じ遊びをするような時間が少ないんです。「前へならえ」ではなく、本人の好きなことを磨いていく教育なんですね。

それが、どうやらその後の人生の幸福度にもつながっているらしい。そのことがずっと気になっていたので、いざ世界を回るなら「幸福度と教育の相関関係」を調べたいと思いました。

——とても面白いし、帰国後は仕事やライフワークにもつながっていきそうなテーマ設定ですね。

堂原:日本でも、著名な教育者や成功者の方々は、みなさん「好きなことをしなさい」「パッションを見つけなさい」とおっしゃるんですよね。私が運営に携わっていた「名古屋おもてなし武将隊」がブレイクしたのも、演者の子たちの長所がばんと出せたとき。

私自身も、好きなことじゃないと一生懸命になれません。そんなさまざまな経験を通じて、個性を伸ばす教育の大切さを、なんとなく感じていたのだと思います。

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忙しくて、自分の幸せを考える余裕もなかった

——「教育」の大切さは、しみじみ感じていらっしゃった堂原さん。では、当時の堂原さんにとっての「幸福」とは、どんなものでしたか?

堂原:忙しく働いていた20~30代前半は、自分の「幸福」について、まったく考えたことがありませんでした。とにかく仕事人間で、しょっちゅう徹夜するような生活だったから、立ち止まって考えてみる余裕がなかったのかもしれません。

でも、30代もなかばになると、積んできたキャリアのおかげで、すこしは仕事が回せるようになる。そんなときに訪れたフィンランドでは、多くの女性たちが「この国では、やりたいことがなんでもできるのよ」と、いきいきしていました。もちろん彼女たちだって、日本と同じように仕事と子育ての両立に苦労していたりするけれど、それでも幸せだと感じている。その理由をもっと知りたいと思ったし、自分の「幸福」を探すカギも、やっぱり海外にあるような気がしたんです。

仕事を辞めて「教育と幸福度の相関関係」をテーマに、世界を旅すると決めた堂原さん。第3回では、実際に出国するまでに整えた準備や、最初に訪れた北欧の思い出を話していただきます。

(取材・文:菅原さくら、撮影:青木勇太、編集:安次富陽子)

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