40代後半から始まるといわれる「更年期」。今まさに気になる症状が出始めたという人も、これからがちょっと不安という人も。まずは更年期について正しい知識を得ることからはじめてみませんか?
3月15日に発売された『更年期ってこういうこと図鑑』(宝島社)は、アラフォーから備える更年期対策におすすめの一冊。監修は石原新菜先生です。
今回、ウートピで本書の一部を抜粋して紹介。全3回で「更年期」について考えるきっかけとなるトピックスをお届けします。第2回はホルモンバランスについて。
ホルモンバランスが乱れると…
指令を出す脳の視床下部が混乱して、自律神経が乱れることで全身のあらゆるところに影響が出ます。
女性ホルモンにおける脳と子宮の関係
自律神経のコントロールが利かなくなります
30代までは脳の視床下部から指令を受けた卵巣が、必要な量の女性ホルモンを分泌しますが、40代に入る頃から卵巣の機能が低下してエストロゲンを作れなくなります。それでも視床下部はエストロゲンの分泌を促す指令を出し続けますが、老化した卵巣はそれに応えることができず、パニックになることで視床下部にも影響が。
するとさらに視床下部のコントロール下にある、自律神経にも影響を与えます。自律神経は血流や血圧、心拍、皮膚、発汗、体温などに関わっているため、身体や心にさまざまな変化が表れます。
また女性ホルモンにはコレステロールの増加を抑制したり、骨量をコントロールする働きもあります。
そのため、女性ホルモンの分泌量が減ると、コレステロールが増加し、代謝が落ちて太りやすくなったり、糖尿病や高血圧症などのリスクも高まります。
女性ホルモンが減少すると表れる症状
エストロゲンの減少が女性の身体全体に影響
エストロゲンは子宮の内膜を厚くしたり、受精卵の着床を助けるなどして妊娠に備えるホルモンです。
エストロゲンはコレステロールを材料にして作られるもの。そのため、卵巣がエストロゲンを分泌している間はコレステロールが使われ、コレステロール値を適正に保ちます。
ほかにも骨の新陳代謝を促す力も持っていて、骨量を保ってくれています。血管や関節を柔軟に保つコラーゲンの産生を促すのもエストロゲンの役割。血管や関節に弾力性を持たせてしなやかに動くようにしてくれるため、動脈硬化や関節痛を防いでくれます。
コラーゲンの産生を促すと同時に水分を蓄えるため、肌や髪の潤いも保ってくれます。
エストロゲンが減少するとこれらの恩恵を受けられなくなるため、さまざまなところに影響が出てくるのです。
自律神経乱れを起こす主な要因
生活習慣の乱れが自律神経を乱す
卵巣に指令を出してエストロゲンの分泌を促す脳の視床下部には、自律神経をコントロールする働きもあります。更年期にエストロゲンが減少してホルモンバランスが崩れると、自律神経も乱れますが、生活習慣の乱れも自律神経の乱れにつながっていきます。
自律神経の乱れにつながる原因の中でも40代の女性に多いのが、精神的ストレス。
家族や友人らとの人間関係、仕事のプレッシャーなどの悩みや不安などさまざまな要因からくる精神的ストレスは、自律神経のバランスを崩して体調も崩しやすくします。
慢性的な寝不足や、不規則だったり栄養が偏ったりした食生活なども自律神経のバランスを乱す原因になります。
自律神経の乱れはさまざまな症状に結びつきますが、こうした生活習慣が自律神経の乱れに関わっていることがわかれば、生活のメンテナンス方法もわかってきます。
セルフケアや漢方のアドバイスも収録
『更年期ってこういうこと図鑑』(宝島社)1580円(税込)好評発売中