生理やホルモンバランスによってゆらぐ私たちの体。生理時はどんなふうにスポーツを楽しめば良い? 生理が止まると体にどんな影響があるの?
そんな疑問に応えるイベント「『CW-X』ランニング&トークイベント by Be a better you For WOMEN」(ワコール主催)が3月上旬に東京都内で開催され、元陸上競技選手の福士加代子さんと産婦人科医の高尾美穂医師が登場。
同イベントは、福士さんがコンディショニングウェアブランド「CW-X」WOMEN’Sアンバサダーに就任したことを記念して開催されたもの。イベントへの応募者が回答したアンケートをもとに、自分の体調やコンディションを周りに知ってもらうことや、決して無理はしないこと、生理の役割など女性の体と運動の関係について幅広いテーマでトークが繰り広げられました。
大事なのは我慢しないための環境づくり
高尾美穂医師(以下、高尾):正常な月経期間は3日から7日間なので、意外と長いです。7日間、ずっと動きませんという人は少ないと思うので、「はい」が54%というのは納得の結果です。生理中に腰やおなか、頭などが痛い、気持ち悪くなる、あるいは痛すぎてメンタル的に落ち込んでしまう、こういった症状すべてを指して「月経困難症」と呼びます。これは、本人が困っていたら病名がつく、というのが特徴です。
私たちが若い頃は「生理は病気じゃないから、我慢しなさい」という時代でした。でも今は「生理は病気じゃないけれど、重い生理痛は対策するべき課題」となっています。つまり「何か検査をして、異常が指摘されたから対策しましょう」ではなく、「本人が困っていれば、対策すべき何かを見つけましょう」という時代に移行しているということ。
福士加代子さん(以下、福士):私の時代も、厳しい学校ほど「頑張ってやりなさい」という風潮がありました。でも、私は「今日はできません」と言うタイプで、言える環境でもあったので、良かったなと。プロになっても、本当は体調が悪いけれど「やらなきゃいけない」と思って、頑張る子も多い。そうなると怪我(けが)も多かったかなと思いますね。
高尾:やはり環境づくりは大事ってことですよね。自分の調子が良い悪い、ということを、周りに知ってもらうことって大事だし、それに合わせて、何にどう取り組んでいくのかも大事。調子が悪いのであれば、悪いなりの対策をすることで調子が良くなっていく。そうやって、調子が良い状態を自分でゲットしにいくという意志を、女性の皆さんには持ってもらえるといいのかなと思うんですけどね。

イベントには、「CW-X」ブランドサイトやSNSなどに応募して当選した女性たちが参加。午前の部は、18名が福士さんと一緒に皇居周辺をランニングしました。
生理がくるというのは、骨が正常に保たれている証し
高尾:生理中も運動するかどうかに関しては「したかったらすればいい」というのが正直なところです。生理中は、体の中でいろんなことが起こっていて、しかも波があります。出血が多いときはゆっくり休む、出血が少なくなる生理の後半になったらある程度アクティブに動く、それでいいと思うんです。一番出血が多いときでも、ストレッチをしたほうが、体が軽くなるなどの感覚があれば続けてもOK。一言で生理中と言っても、しんどいときとそうでないとき、のような考え方をしていいと思います。福士さんは、いかがですか?
福士:同感です! 練習中は「生理中だから調子が悪い」と割り切って、その中で可能なパフォーマンスができればいいと思っていました。生理中であることを前提とした練習のポイントを消化できればいい。そうすれば生理が終わったら、もっとパフォーマンスが上がる、と思える。そんな考えを上手に生かしていたと思いますね。
高尾:福士さんは現役のときも、普通に生理がきて、その中での練習法を話してくださいましたが、プロの長距離ランナーで「生理がきていません」という人が山ほどいる現実があります。生理がくるというのは、血が出るというわかりやすいサインがあるわけですが、出血は二次的なもの。卵巣がつくるエストロゲンというホルモンがたくさん分泌され、その後に、排卵・妊娠するチャンスを迎えたけれども、妊娠が成立しなかったときにやってくるのが生理。つまり、ちゃんとエストロゲンが出ていると、ちゃんと生理がくる、という話です。そのエストロゲンというホルモンは、骨を強く、守るという役割があるから、生理がきている人は、骨を強く保てるということ。
それなのに、10代の時に無理をして生理がこない状態が続いてエストロゲンか出ていないと、20歳過ぎた時に骨を強く保つことができないんです。今は「生理が止まるのは良くない」という考えが定着していますが、昔は「生理が止まって一人前」なんていう考えさえあったことも。福士さんみたいに、ちゃんと生理がきて、若干、調子が悪い時期がありながらも、自分なりにコンディションを整えられる方が増えていけばと思います。
福士:私は何回か骨折したことがありますが、振り返ると、骨折する3カ月前から食事内容が悪くなっていました。ご飯を食べずに、お菓子ばかり食べるなど、骨折する理由があったと思います。
高尾:健康の3要素ってすごくナチュラルで、食べること、動くこと、休むことです。これって、実は正三角形でなければいけないということがわかっています。たくさん動く人は、たくさん食べて、たくさん休む、これが望ましい。たくさん走る人が、そんなに食べてなくて全然寝ていなかったら、骨折するのは当然です。年齢を重ねて、そんなに動かなければ、そんなに食べなくてもいいし、そんなに眠れなくてもおかしくない。正三角形がちょっと小さくてもいいんです。

トークショーには42人が参加。オンラインでも60人が参加し、大いに盛り上がりました。
月経時の運動時のお悩みに応えるショーツ3商品を発売
上記の結果からもわかるように、スポーツを楽しむためにはショーツが重要であるとの考えから、『月経中の経血のモレ』『ナプキンのズレ』『ショーツのくいこみ』に着目した3商品が「CW-X」から新たに発売され、トークショーの中で紹介されました。
3D 吸水サニタリーショーツ
本体生地はリサイクルナイロン糸を使用した環境に配慮した素材。マチ部はアンモニア臭消臭機能つきで本体部は汗消臭機能つき。裾はフリーなカッティングでひびきにくくなっています。

3D 吸水サニタリーショーツ 3,850円/CW-X(ワコール)

「肌側・前」

「肌側・後」
3D サニタリーショーツ
ワコール独自の立体設計とマチ部のギャザー構造でナプキンがズレにくいサニタリーショーツ。本体生地はメッシュ素材でムレにくく、幅広の防水シートがマチ部からおしり側までカバーしてモレにくい設計になっています。

3Dサニタリーショーツ 2,750円、3,080円(LLサイズ)/CW-X(ワコール)

「肌側」

3Dサニタリーショーツ 2,750円、3,080円(LLサイズ)/CW-X(ワコール)

「肌側」
3D フィットショーツ
8方向にのびる素材とワコール独自の立体設計で、おしりにくいこみにくいデザイン。フリーなカッティングでひびきにくい。本体生地はリサイクルポリエステル糸を使用した環境に配慮した素材。

3D フィットショーツ 1,980円、2,310円(LLサイズ)/CW-X(ワコール)
「CW-X」ブランドサイト
福士加代子さんのWOMEN’Sアンバサダー就任により、「CW-X」は今後、スポーツをする女性へのコンディショニングウェアによるサポートをさらに推進し、イベントやメディアを通して情報を受発信し、コミュニケーションの強化を図っていく予定です。