超吸収型サニタリーショーツブランド“Bé-A〈ベア〉”を展開する「ベアジャパン」は、6月に湘南学園中学校高等学校の男子生徒、女子生徒に向けて、生理セミナー「いま考えたい生理とカラダのこと〜生理は天然色〜生理を知ろう!」を開催しました。その様子は6月18日のTBS NEWSでも報道され、SNSには多くの反響が寄せられました。
今回のセミナーを開催した意図や経緯その後の反響、そして今後の展望について、「ベアジャパン」に取材しました。
発端は「学校の女子トイレに生理用ナプキンを置きたい!」という声
セミナーを実施したのは、湘南学園中学校高等学校(神奈川県藤沢市)。同校は、様々な生き方や考え方、文化に出会うことを通じて、生徒の認識と行動を豊かにしていくことを目指す人格形成のためのカリキュラム「湘南学園ESD(持続可能な開発のための教育)」に取り組んでおり、その取り組みの一環として、高校2年生の男女14人が主体となった「ジェンダーを考えるプロジェクト」が、今年3月に始動しました。
プロジェクトの活動の中で「学校の女子トイレに生理用ナプキンを置きたい!」という議題が上がり、その議題を論じるなら「ちゃんと生理について学ぶべき」ということに。そこで、学校側から「ベアジャパン」にセミナーの依頼があり、同社としても初となる、男子生徒を含む高校生向け生理セミナーの開催が実現しました。
生理の基礎知識のほか、タンポンの使用方法や、具体的な場面を想定したワークショップも
セミナー開催に向けてオンラインで生徒達とミーティングを重ね、内容を熟考したという同社。当日は同社COOの髙橋くみさん(現CEO)と、同社CPOの中村千春さんが登壇し、男子生徒向けと女子生徒向けに分け、それぞれ1時間ずつのセミナーを行いました。
セミナー開催にあたり、男子生徒と女子生徒を分けたのは、「そもそも生理に対する知識の深さが違うため、それぞれに適した内容にして欲しい、そのほうがより深く学べる」と生徒達からの依頼があったからだそうです。
まず、男子生徒向けセミナーでは、そもそも生理とはどういうものなのか? など生理についての基礎知識、女性の体のメカニズムなどを分かりやすく解説し、実際に水分を含んだ生理用品に触れる体験も。後半は、「身近な女性が生理だとわかり、さらに生理用品を持っていない場合にどうする?」など、今後出会うかもしれない具体的な場面を想定しながらワークショップを行い、より現実感をもって生理を考えました。
続いて女子生徒向けセミナーでは、男子生徒と同様に生理についての基礎知識を説明。一回の生理で何mlほど経血がでるのかなどの話から、タンポンの使用方法もレクチャーしたり、月経カップや吸水ショーツも実物を手にしながら解説。セミナー後半には、「生理を迎える頃の小学生に向けて、生理についてレクチャーするなら何を伝えるか」などをテーマに、自身が当時教えてもらえたら嬉しかったことなどを交えつつワークショップを実施しました。
「学校のトイレに生理用品を置くことはよいと思った」生徒たちの感想は…
以下は、セミナーに参加した学生たちのコメントの一部です。
「生理以外にもPMSや排卵痛といたみがあることがわかった。女性は男性に比べてつらいんだなと思った。このセミナーを受けて、学校のトイレに生理用品を置くことはよいと思った」(高校2年生・男性)
「私はみんなに比べて基礎的な知識も知りませんでした。タンポンもさわったのも、見たのも初めてで。ほんとに知らないことがほとんどでした。男子に生理について理解してもらう前に、自分が体のことを知るべきだなと強く思いました」(高校2年生・女性)
「更年期について私はよく知らなかったです。母が更年期でもし苦しんでいたら、自分から声をかけたいと思いました。おりものについてもちゃんと知らなかったです。自分の体の状態をちゃんとチェックしていきたいです」(高校2年生・女性)
男子校や保健体育の先生を育成する学校などからもセミナーの依頼
男子高校生が自分ごととして生理を学び、新たな気づきがあったことだけでも、大きな一歩。さらに、セミナーの様子が、TBSの『報道特集』で放映され、内容をまとめたニュースがTBS NEWSのSNSに投稿されると、想像をはるかに超えた反響がありました。なんと、Facebookには、2万5000の「いいね!」がつき、シェアは2,974件、コメントは422件。TikTokには、25万7500の「いいね!」がつき、シェアは8260件、コメントは4158件に(ともに22年7月5日9時現在)。投稿から2週間以上過ぎた今も、その数字は伸び続けています。
SNSには「うちの学校でもやってほしい」とのコメントが相次ぎ、実際、「ベアジャパン」には、男子校や保健体育の先生を育成する学校などからもセミナーの依頼が届いているそうです。
前向きな姿勢に「未来を変えていく、たくましさを感じた」
セミナーを終えた「ベアジャパン」の担当者たちは口を揃えて、同校の生徒達の「前向きな姿勢、熱心さ、素直なリアクションに本当に驚き、感激した」と言います。セミナーの講師を務めたCOOの髙橋くみさんは、セミナーで接した生徒達に「未来を変えていく、たくましさを感じた」と語りました。
生理について知ることは、男女のからだの違いを知ること。それが、個々を認め合う社会に繋がるのではないでしょうか。きっと、男子生徒が生理について学ぶことは、その大きな一歩なのでしょう。その輪が広がり、男女それぞれが、互いのからだについて学ぶ機会が様々な場面で増えることを期待したいと思います。