「捨てない片付け」米田まりなさん 第1回

東大卒の商社OLが整理収納アドバイザーとして「捨てない片付け」を伝える理由

東大卒の商社OLが整理収納アドバイザーとして「捨てない片付け」を伝える理由

部屋を片付けるには、捨てたり処分したり、譲ったりとモノを手放せばいい。わかっているけれど、そもそも捨てられないモノが多いんです! という人も少なくないのでは?

そんな人にぜひ注目してほしい、一風変わった収納本が『モノが多い 部屋が狭い 時間がない でも、捨てられない人の捨てない片づけ』(Discover21)です。著者は、“捨てない整理収納アドバイザー”の米田まりなさん。

東京大学経済学部を卒業後、大手総合商社に就職し、2017年から収納サービス「サマリーポケット」を運営する株式会社サマリーに出向中。同社のデータ解析担当として働きながら、整理収納アドバイザーとして、多くの人のモノと収納の悩みに向き合っています。

「忙しい人が片付けられないのはあたりまえ。自分を責めなくてもいいんです」と語る米田さんが、「捨てない片付け」に目覚めたきっかけを伺いました。

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データ整理中に「収納」の可能性に気がついた

——商社に勤めながら整理収納アドバイザーとしても活動している米田さん。もともと、収納マニアだったんですか?

米田まりなさん(以下、米田):いえ、もともと片付け好きということでもなく……。商社に入って、データ処理・整理の仕事をして「言われたデータをすぐに整理して出す」作業をしているうちに「あれ、収納でもこの方法が使えるんじゃない?」と思ったのが、収納に興味を持ったきっかけですね。

——仕事と収納を関連づけたんですね。すごいきっかけです。

米田:商社では、「ライフスタイルにイノベーションを起こす」をテーマに仕事をしていました。それからサマリーに出向が決まって、預けたいものを箱に詰めて送るだけで保管や管理を任せることができるというサマリーポケットの事業モデルを聞いたときに、「収納革命」が起きるのではないかと、すごく可能性を感じたんです。

——一箱、月数百円でモノを倉庫に預けられるのは、とても便利なサービスですよね。

米田:私、物が捨てられないタイプだったんです。データはアーカイブできるけれど、物は捨てるか残すかの二択ですよね。でも、サマリーポケットを利用して、家の外に預けることができれば、収納にも選択肢が広がるなと思って。

——そこから、整理収納アドバイザーの資格取得に踏み切ったのはなぜですか?

米田:なかなか片付けられない人の悩み相談を受けるには、自分が片付けの技術をしっかり身につけてからだと思ったからです。サマリーに出向が決まってから、お客様の預ける品物のカテゴリーや、ユーザーが住んでいるエリアと家賃相場を調べたりしていたのですが、ユーザーの行動を調査しているうちに、どんどん「片付け」と「人」に興味がわいてきて。2年前に「整理収納アドバイザー」になるための勉強を始め、その1年後、試験に合格しました。

整理収納アドバイザーってどんな職業?

——整理収納アドバイザーって、あまり馴染みがないですよね。そもそも、どんな資格・お仕事なのでしょうか。

米田:「整理収納アドバイザー」は、ハウスキーピング協会の認定資格です。3級から1級まであって、「整理収納アドバイザー」を名乗ることができるのは1級から。仕事内容としては、お客様の家を訪問し、アドバイスして報酬をいただきます。

——資格取得にはどんな勉強が必要なんですか?

米田:(通信学習講座の)ユーキャンのテキストで勉強するか、セミナーに参加する方法があります。私はユーキャンを利用しました。ロジックを覚える座学と、実践講習があります。座学の難易度としては、私の感覚では普通運転免許と同じくらいでした。私は、ゴールデンウィークの長期休暇のタイミングを利用してテキストの内容を学びました。実践は数をこなさないと身につかないので、友達の部屋を3時間くらい毎週片付けていましたね。

約7割の人がモノや収納に悩みを持っている

——晴れて1級を取得して、今はいろんな方のお部屋を片付けてアドバイスしているんですよね。単身者の収納お悩みとしては、どんなものが多いのでしょうか?

米田:「モノ入りきらない」とか、「特定の分野でコレクションが多くて、片付けができない」という場合が多いですね。それぞれ、部屋の広さと持ち物の量が合わないのが問題です。

——お片づけに悩む人とのコミュニケーションで、気にかけていることはありますか?

米田:まずは、相手を否定しないこと。弊社が独自で行ったアンケート*によると、約9割の人が片付けは大切だと思う一方で、約7割の人が片付けは面倒だと思うと回答しています。ラクに片付けられる人のほうがめずらしいんです。

雑誌や本で素敵なお部屋を見て「なんで私は片付けられないんだろう」と、自罰的になっている方も多いです。「みんなそれぞれ忙しいし、ほとんどの人が片付けられない」「片付かないのは仕方ないこと」と、伝えるようにしていますね。

*「片付けに関する調査」2019.9 株式会社サマリー

——「片付かないのは仕方ないこと」、とても安心しました。いろんな方の収納の悩みと向き合って思うことは?

米田:「物欲は素晴らしい」ですね。人の話を聞いて、収納のお悩みを突き詰めていくと「これは捨てられない」とか、モノとの出会いで人生が動いた人がいっぱいいるんですよ。

たしかに、「捨てる」は片付けの王道です。でも、捨てられないモノが人生を豊かに彩ってくれることもあるはず。それに、みんなが等しくミニマルになると、均一化して、クリエイティビティもなくなってしまうのでは……と思うこともあって。無理にモノを捨てなくても、捨てられないなりの収納方法を知っていれば、ストレスも少なく部屋を整えることができます。そういうことを伝えていきたいですね。

第2回は4月28日(火)公開予定です。
(取材・文:小沢あや、撮影:大澤妹、編集:安次富陽子)

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