1月も終わりに近づき、新年会もひと段落したこの時期。そろそろ正月太りの解消をしたい!とダイエットの計画を立てている人もいるのではないでしょうか?
運動や食事制限で美しい体型をキープしている女優やモデルの姿をメディアで目にすることの多い私たちにとって、「理想」の体型は年々ハイレベルに。一般女性の平均的な身長・体重では物足りなさを覚え、ついダイエットを頑張りすぎてしまうという女性も多いでしょう。
女性の9割が「痩せたい」
2011年にサンケイリビング新聞社が行った「OLの理想の体型」に関する調査によれば、20代の平均的な身長・体重・3サイズは158cm・50.2kg・(B82.9cm・W64.1cm・H86.9cm)。一方、理想の体型は161.5cm・45.6kg・(B85.6cm・W59.8cm・H83.2cm)となっています。
モデル体型とまではいかないまでも、かなり瘦せ型に設定されているのがわかります。同じ調査で、「体重を何キロ減らしたいか?」と尋ねたところ、もっとも多かったのは5kgで32.9%。次に3kg(22.1%)が続きます。
HUMAグループが行ったダイエットに関する調査によれば、「痩せたいと思っている」と答えた割合はなんと89.6%。9割近い女性が「痩せたい」という願望を持っています。また「自分の体で気になるところ」を複数回答で尋ねたところ、86%がおなか、74.2%が太もも、64.1%がお尻と回答したことがわかりました。どれも女性らしさの象徴でもあり、脂肪が蓄積されやすいと言われる部位ですね。
本気でダイエットしている女性は、たった2%
では、実際に女性が「理想の体型」に近づくために努力をしているかといえば、必ずしもそうは言えないようです。
同じ調査によれば、「現在ダイエットを普段の生活の中でできる限りしている」と答えた割合は40.5%。一方、「やりたいと思っているがやっていない」と答えたのは49.2%。半分近くの女性が理想を抱きながらもダイエットを実践するに至っていません。
ダイエットを「本格的にしている」としたのはわずか2.4%ですから、世間のイメージに比べ、実際にダイエットに取り組む女性は少ないことが考えらえます。
また実際に成功したダイエット方法について尋ねると、「食事内容を見直し、カロリーなどを考えて生活する」(59.4%)、「食事量や食事回数を減らす」(46.1%)、「ウォーキングやジムに通うなどの運動をする」(44.2%)が上位3位になりましたが、失敗したダイエットでもこの3つが上位となっています。
同じダイエット方法を試しても、方や成功、方や失敗という結果が出るのはなぜなのでしょう。
6割は周囲が「気にするほど太ってない」
ポイントはダイエットの期間にあるようです。
ダイエットに成功した人に続けた期間を聞くと「1〜2ヵ月」(21%)がもっとも多いのに対し、失敗した人の場合は「1〜2週間」(24.2%)、さらには「1週間未満」(20.1%)という人まで……。即効性の高いダイエットに気を取られがちですが、ある程度の継続がなければ効果は出ないようです。
「ダイエットをしたい」「痩せたい」と思っても、実行し、成功するのはなかなか難しいものです。
しかし、そのダイエット、果たして本当に必要でしょうか?
この調査によれば、ダイエットをしたがっている周囲の女性を見て「気にするほど太っていない」とした女性はなんと64.8%。2%の人はむしろ「もっと太ったほうがいい」と回答しています。もしかしたらあなたも「無理して痩せなくても……」とまわりから思われているかもしれません。
厚生労働省が「国民健康・栄養調査」(2014年)の結果をまとめた資料を見てみると、自身の体型の主観と実際に大きな乖離があることがわかります。男性で主観的に自身の体型を「太り気味である・肥満」とした人は全体の41.9%。しかし実際に「太り気味・肥満」と診断された人は29.1%だったのです。
女性も同様で、主観で「太り気味」と答えた人は39.8%でしたが、実際に肥満だった人は半分程度の19.4%。本人が思っているよりも、実際に太っている人は少ないのです。
さらに、同じく厚生労働省の「国民栄養調査」によれば、ここ30年の女性の肥満の割合は低下し、逆に「痩せ」の割合が増加。1982年に21.8%だった肥満の割合は2012年には19.4%に減少。一方、「痩せ」の割合は1982年には7.5%でしたが、2012年には11.4%と5ポイント近く上がっています。
年代別で見てみると、20歳代の「痩せ」の割合は2012年で21.8%。約4.5人に一人が「痩せ」体型なのです。
先ほどの調査でダイエットをしたい理由として多かったのは「お気に入りの洋服(水着)が着たい」(70.4%)や「女性から綺麗に見られたい」(44.3%)。確かに、美を追い求めたい、健康的になりたいといった願望は尽きないもの。しかし、行きすぎた「痩せ信仰」が原因で体を壊しては元も子もありません。まずは自身の体に合わせた適度な体型を保つことから、始めてみては?
(安仲ばん)