「不倫って、コスパ悪くない?」 今どき愛人稼業から見えてくるもの

「不倫って、コスパ悪くない?」 今どき愛人稼業から見えてくるもの

不倫、愛人、セフレ……

「夫」「彼氏」「人生のパートナー」といった枠に収まりきらないカンケイに興味がある、もしくはすでに足を踏み入れている女性も、意外に少なくないかもしれません。

男女関係やセックスのありかたも多様になっている今の時代、これまでタブーとされてきたそうしたカンケイも変化しつつあるのでしょうか? 本日21からAbemaTV「Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース〜」では、新春2時間スペシャルとして「危ないオンナ大集結SP前編〜愛人・セフレ〜」を放送します。

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番組では、これまでの「愛人」「セフレ」のイメージを覆す当事者のみなさんが登場。MC・SHELLYさんが、そのリアルに迫ります。今回は番組にコメンテーターとして出演し、不倫に関する著書を多数出版しているフリーライターの亀山早苗さんに、「今どき愛人稼業」について書いていただきました。

昭和、平成…時代によって変化する「愛人稼業」

「Wの悲喜劇~日本一過激な女のニュース」の収録に参加した。この日のテーマは「愛人」である。

「愛人」には少なからず思い入れがある。子どもの頃、近所にとある大店の主人の「お妾さん」が住んでいたからだ。一軒家を買ってもらい、悠々自適の生活をしていた。本人はじめ、近所の誰もが隠さなかったので彼女が二号さんであることは、物心ついたときからわかっていた。「最近、旦那が忙しくて来てくれないのよ」とか「奥さんが盆暮れの挨拶をつけ届けてくれる」などと本人が話していたのを覚えている。母や叔母と違う匂いを振りまく女性だと印象深かった。今思えば、それは「色気」だったのだろう。

昭和も中頃過ぎ、1970年前後の話である。ただ、あのころは「愛人」とは言われていなかった。あくまで「二号さん」であり「お妾さん」であった。

バブルへとつながる80年代前半の大学生時代、友人が当時流行していた「愛人バンク」に登録したと聞いて、周りは興味津々だった。彼女は父親より年上の「おじさま」に生活のめんどうを見てもらっているという。地方の母子家庭に育ち、父親を知らない彼女にとって、「おじさま」は父であり、男であり、パトロンでもあった。

大学卒業者の初任給が13万円前後のころ、彼女は家賃や光熱費の他に20万円をもらっていた。大学卒業時までその契約は続いていたし、彼女は進路の相談などもしていたようだ。就職と同時に彼女は東京を離れ、契約は自然解消されたが、「何かあったらいつでも相談に乗るから」と彼は言ってくれたという。

その彼は、彼女の友人である私たちにもごちそうしてくれたことがある。「愛人」と「お金」は切り離せないが、そこで恋愛とも単なる情とも違う不思議な、しかし濃密な感情が生まれ育つのを目の前で見たような気がした。

不倫はどこまでいっても「恋」

90年代から長年、不倫の取材を続けているが、不倫からの愛人というケースはレアである。「不倫」はあくまでも恋愛のひとつの形であり、金銭のやりとりをした時点で「恋愛」が崩れるからだ。ただでさえ、既婚者とつきあう女性たちは(最近は男性も同様だが)、「これは恋愛だ」と言い張る。プレゼントはあっても現金のやりとりがあってはならないのだ。

特に2008年のリーマンショック以降、男性たちは精神的にも経済的にも余裕をなくし、つきあう相手は独身ではなく既婚女性というケースが多くなった。実質賃金が減少していく中、既婚男女のダブル不倫は昼間のラブホのサービスタイムに、デパ地下で買った総菜やワインを持ち込むというスタイルになった。それも今はデパ地下ではなく、コンビニに変化したという情報もある。

「そんなことはどうでもいい。彼と少しでも一緒にいられれば」

彼との関係で「初めてセックスの快感を得た」と語る女性たち。一方、家庭にも職場にも「居場所」をなくした男性たちは、「彼女と一緒にいると癒やされる」と頬を緩める。以前は、男は不倫相手にセックスを求め、女は恋を求めるのが通り相場だったが、今はほぼ逆転しているかのように見える。それでも「体も心もつながっていたい」意識は変わっていない。やはり「恋」なのだ。

「言いなりになる女」を求めない男たち

さて、今回スタジオ出演した「Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース〜」における「愛人」である。登場してくれたのは、「愛人バンク」系のマッチングで愛人となった女性3人。格差社会が進む中、経済的余裕があって愛人をほしいと思っている男性と、お金がほしい女性の組み合わせで形成される「愛人業界」は今も健在だ。だが、女性たちの話を聞くと、経済的なリスク分散のため、誰かひとりの愛人になるのではなく、常に数人を回しているようだ。

「少し前なら1ヶ月の報酬が3桁は当然だった。でもそれがどんどん下がってきて、今は50万とか、下手すると30万とか。やっていられないと思って辞めました」

という女性もいた。月に1度会うだけ、しかも肉体関係もほとんどなく50万円もらっている女性、電話1本で100万円を振り込んでくれる男性がいる女性など、聞いているこちらがクラクラしてくるような状況ではあった。しかも彼女たちはみんな別に仕事を持っている。ラクして生きていきたいというだけではないのだ。お手当は貯金、投資などにつぎ込まれていく。

かつての「愛人」なら、相手が自分に惚れているうちに不動産を買わせ、一生暮らしていけるような算段を組んだだろう。だが、今の愛人たちは、もっとドライに割り切っている。

「相手の恋愛感情が高まってきたと思ったら、会わない時間をとるなど引く姿勢を見せる」のが、今の愛人たちの流儀らしい。あくまでも「不倫という名の恋愛からの愛人」ではなく、「仕事としての愛人」だと彼女たちは割り切っているのだ。だから、相手の男性が惚れたはれたの恋愛感情を前面に出してくると、恐怖感を覚えるのだと言う。

だからといって、彼女たちは「ただラクしてお金がほしい」わけではない。プロとして、相手をどう喜ばせるかは大事。

「社会的地位がある人は、周りがイエスマンばかりになり、常に孤独感をもっている。だから友だちのようにタメ口で話したり、ときには意見もする」

そう話してくれた女性もいる。愛人がほしいイマドキの男性たちの多くも、そういう関係を望んでいるのだという。ある意味で、男性たちは自分のミューズを探しているのかもしれない。心を癒やし、自分の生活に新しい風を吹き込んでくれ、仕事へのモチベーションを高めてくれる存在を。以前のように、ひたすら褒めそやしてくれたり、言いなりになってくれたりするM系の女性を求める男性は減少しているそうだ。男たちの意識の変化が垣間見える。

愛人を辞めたくなったら、いつでも辞める

バブルが弾けたあと、お金も自信もなくした男たちの中には愛人にも連絡を絶ってひっそりと消えていった人も少なくない。彼らからの連絡を待ち、心配していた愛人も知り合いにいる。かつての愛人関係は、お金でつながっているだけに見えつつ、いつしか心もつながっていたのかもしれない。少なくとも、今ほどドライな関係ではなかった。

ただ、そんな濃い人間関係がいいとは限らない。番組の収録でイマドキの愛人たちの話を聞いて気づいたのだ。彼女たちは「自立」しているのだ、と。だからお金のつながりを発端に精神的に依存する方向にはいかない。

お金は自分の「愛人としての仕事」の対価でしかない。その額に不満があれば、また別の愛人を探すだけ。愛人であることと、恋愛すること、そして結婚することはすべて別なのだ。そしていざとなれば、愛人稼業はすっぱり辞めて自分の人生を生きていく。だからそのためにお金は貯める。そんな潔いともいえる覚悟があっての愛人なのである。これでは男性は太刀打ちできないはず。どんなにがんばっても男女の賃金格差がなくならない今の世の中で、彼女たちの生き方はいっそ痛快でもある。

■番組情報
男子は見なくて結構!男子禁制・日本一過激なオンナのニュース番組がこの「Wの悲喜劇」。さまざまな体験をしたオンナたちを都内某所の「とある部屋」に呼び、MC・SHELLYとさまざまなゲストたちが毎回毎回「その時どうしたのか?オンナたちのリアルな行動とその本音」を徹底的に聴きだします。
#61危ないオンナ大集結SP前編〜愛人・セフレ〜

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