こんにちは、アラフィフ作家のにらさわあきこです。
別人級のメイクテクを持つ二十歳の女子大生、姪のキョウカからノウハウを盗むこのコラム。いよいよテクニックに入っていきましょう。
別人メイクの秘密は「眉」?
別人級メイクを実現するうえで、なにが一番パンチがあるのか、キョウカのビフォー・アフターを見て、思いました。「眉かな?」と。
そう、眉。
顔の印象を決めると言われている、あの眉。美しく仕上げるのが大変とされている、あの眉のことですが、正直言って、私は苦手です。
というのも、私の眉がですね、左右で違っているのですよ。しかも、眉山がかなり上がってまして、例えるならば、「くの字」型。
そのため、時に眉サロンを利用して、高いお金を払って、「自眉を整えて」もらっています。はい、大人らしく、「お金で解決しよう」というスタンスです。しかもそれをいいことに、自分では工夫を一切していません(キッパリ!)。
しかし満足しているわけではなく、本当は太眉にしたい(憧れ……)。
そう、私ははやりのストレート太眉に、限りなく憧れているのです。が、そんなすてきな眉を描く力が自分にあろうはずもなく、諦めの境地で今日まできました。
「いらない部分は剃る」キョウカのメイク術
ところが、メイク後のキョウカと言ったら、どうでしょう? 私の憧れの太眉を実現しているではないですか! すごい!!
いえ、何がすごいって、実はキョウカこそ、私に負けず劣らずというか、おそらくは私以上に「難あり眉」の持ち主なのですよ。
私の記憶に間違いがなければ、確か、めちゃくちゃ下がっている「ㇵの字」型だったハズ。
けれど、目の前にいるキョウカの眉は、それはそれは美しいストレート。
どうすれば、そんなミラクルな変化を実現させられるのでしょうか?
キョウカに聞いてみたところ、「いらない部分は剃ってる」とあっさり。
えっ、剃る?
あなた今、眉を剃るって言いました?
……驚いて、固まってしまいました。
眉って、剃っていいものでしたっけ?
アムラーのさらにその昔から、眉って「抜くもの」ではなかったでした? いえ、抜くと言っても、そもそも自眉はいじっちゃダメとも言われているので、「ムダに生えている部分があったら、そこをちょこちょこ毛抜きで抜いて、あとはカットばさみでカットすべし」と、メディアに登場する眉やメイクの先生方も口を酸っぱくして言っていませんでした?
しかし、目の前に展開している美しいストレート眉が、私に訴えかけるのですよ。「眉は剃っていいんだ」と。
果たして、眉は本当に剃っていいものなのでしょうか?
眉を剃るメリット・デメリット
気になったので、メイクアップアーティスト歴30年の大ベテラン・藤岡ちせさんに、抜く場合と剃る場合のメリット・デメリットについて教えていただきました。
【剃るメリット】
・また生えてくるからはやりに対応できる
【デメリット】
・まっさらにならない/白くなって目立つ/頻度が多いと肌を傷める/生えかけが恥ずかしい(かも?)
【抜くメリット】
・キレイに仕上がる
【デメリット】
・生えてこない可能性がある/(すると)形を変えられなくなる/肌を傷める/毛穴を傷つける/たるむ
……なんと!
抜くって、かなりデメリットが多かったのですね。
自分でいじらないできたとはいえ、「ムダな部分くらいならいいか」と今後、抜きかねなかった私なのですが、絶対にやめておこうと誓いました。
だって「抜いたら、たるむ」んですよ。
エイジング世代の私にとって、「たるむ」のは大問題! 「ダメ! ゼッタイ!」レベルのあってはならない禁忌です。
しかし、一方で、「剃る人って結構いるんだ」ということにも驚かされました。
もしかして眉を剃るって、結構ポピュラーなのでしょうか?
「眉は、私たちの若い頃は確かに抜いてましたけど、今はほとんど抜かずに剃っています。抜き続けると生えてこなくなってその時代にあったトレンドアイブロウに合わない可能性が出てきますから、眉は剃るのがベターです。とはいえ、たった今の流行で言うと、ストレートの太眉がはやっていますから、ムダ部分さえも剃らずに、あえて残しておいたりします。ムダを残したほうが、より自然でカッコよく仕上がるという感じでしょうか」(藤岡さん)
なんと! イマドキはそうだったのか…‥‥。
……と、ここで思い出したのですが、そういえば、去年取材でプロのメイクさんにアイメイクを教わった時に、私の眉山の上がったところは「剃るといいよ」と言われたのでした。
眉を剃るってイマドキは、ポピュラーなのかもしれません。
で、肝心のキョウカなのですが、素顔を見ると、眉がほぼ、ない……。
いったいどこまでを「ムダ」扱いして、剃ってしまっているのでしょうか。
キョウカの眉のハウツーは、次回、さらに深堀ります!(続く)
監修・藤岡ちせさん
Fujioka Chise:biography (chisefujioka.com)
1993年~ヘアー&メイクアップアーティストとして活動開始。人気タレントやミュージシャンなどを担当する他、女子アナにメイクを教える講師活動を行うなど幅広い分野で活躍中。Paja*Patiに所属。
●自己紹介
キョウカ
二十歳の女子大生で、にらさわの姪。専攻はメディア論だが、専門の勉強以上にメイクに時間と情熱を注いでいる。欲望にフタをしないタイプで、別人級のメイクを実現する。
にらさわあきこ
文筆家、時に美容研究家。美肌と美ボディ作りを追求していて、普段はノーメイク。著書は、『未婚当然時代』(ポプラ新書)、『婚活難民』(光文社)ほか多数。