こんにちは、アラフィフ作家のにらさわあきこです。
別人級のメイクテクを持つ二十歳の女子大生、姪のキョウカからノウハウを盗む(まなぶ)このコラム。今回は、流行りの単色アイシャドウ風に見せるテクニックについてです。
ラメで立体感を出すコツは?
前回、キョウカのメイクを見て、単色使いに見えていたアイシャドウが実は同系色の「濃い別の色」を足していた上に、「ラメを大きさ別に使い分け」、立体感を出していると知りました。
今回は、そのハウツーを丁寧に見てきます。
まずは、使うグッズから。
塗り方です。
1)Aのメインで見せる色を広く全体に塗り、Bの濃い色を目尻に塗ります。なお、Aはかなり広い範囲に塗るので、丁寧に塗って、目から眉に向かってグラデーションになるようにします。
2)同系色のラメ入りアイシャドウを「ラメの大きさ別」に4種類用意します。
①大きいラメ②中くらいのラメ③小さいラメ④粒状のラメ(パールでもOK)
4)ラメの大きいものから下記の位置に塗っていきます。
・・こんな感じですね。
キョウカによると、「ラメの配置は目の形によるので、大きな鏡でバランスを見ながら行うといい」とのこと。
「キョウカは目がより気味だから目尻を濃くしているけど、人によって違うと思うから、濃いアイシャドウを塗る位置も鏡で見ながら、バランスで配置するといいよ。あと、ラメを塗ると子供っぽくなる人がいるかも。これは、目とか顔の形によるから、やっぱり加減しながらだね」とのことでした。
ラメを重ねづけするのは〇
今回はキョウカにメイクテクを聞いて、ラメに対する認識がかなり上書きされました。
というのも、私もこう見えて、各社のメイクパレット(しかも高級!)を結構持っているのですね(笑)。
そしてラメに関しては、大きめのラメと小さめのラメが複数混在するものがあって、「この大きいラメ、どう使うんだ?」と疑問に思っていたのです。
が、重ねづけすればいいのかと、目を見開かれる思いでした。そういえば、メイク取材に行くと、メイクさんがよく、「ここにラメ入りのを重ねても可愛いです」などとおっしゃっていましたっけ。
そしてラメを塗ることで、元の色がまろやかになったり、肌になじんだり、それこそ立体感が出たりするのは、新発見! 前回も書いた、“捨て色問題”が解決するかも?!
プロの方法は? 単色アイシャドウを素敵に見せるコツ
とはいえ、大人の私たちが大きなラメを何種類も使うのはどうかと躊躇(ちゅうちょ)する方もいらっしゃいましょう。そこで、ラメを使わずに「単色アイシャドウを素敵に見せるコツ」を今回もメイク歴30年のメイクアップアーティスト、藤岡ちせさんに教えてもらいました。
「単色アイシャドウを素敵に見せるコツは、おっしゃる通り、立体的に見せることにつきます。けれど、目と眉の間が広かったり、鼻の付け根が低かったりすると、塗る範囲が広くなるので、立体的に見せるのが難しくなってしまいますよね。そこで、コツをいくつかご紹介します。
まず一つ目は、目のキワからしっかり塗って、濃くしたい位置に濃さを出すこと。それにはとにかく丁寧に塗っていくのが大事です」(藤岡さん、以下・同)
とはいえ、濃くし過ぎるのもNG。そこで、チップにアイシャドウを取ったら、手の甲やティッシュに一度置き、余分を振り払うのが大事です。
「色や濃さの確認もできるので、まぶたに乗せる前に、必ず一度何かにつけましょう」
続いて大事なのは、塗り始める位置。
「上まぶたは、黒目の上から塗り、目のキワに広げたら、そこから放射状に眉に向かって伸ばしていきます」
「目のキワを塗るときは、片手でマブタを引っ張り上げて、本当のキワまで丁寧に塗るのがとても大事です。しっかりと引っ張り上げて上まぶたのキワのキワまで塗ったら、放射状に広げていきましょう。この手間によって、キレイなグラデーションができます」
続いては、下まぶた。
「下まぶたに塗る量は、上まぶたに塗った余りで十分です。ポイントとしては、目尻から塗り始めて、目頭に向かいましょう」
「塗ってみて、もっと色を足したいと思ったら、改めてチップにシャドウを取って、また目尻から目頭に向かって塗るのを繰り返してください。上まぶたもそうですが、最初から完成の色を出そうとせず、少しずつ丁寧に塗り足していくと、アイシャドウがキレイなグラデーションになりますよ」
上級編として、鼻の付け根が低い場合に、眉頭から鼻筋にかけて、同じアイシャドウをさっと塗ってあげると顔に立体感が生まれるのでオススメだとか。
「また、目に立体感を作るために、黒目の上下に明るい色やパール入りのシャドウを足すのも、簡単で効果的ですよ」
伺っていて、何よりも肝心なのは丁寧さだと感じました。
最初は薄く塗り始めて、何度も重ねていくことがキレイなグラデーションを作る秘訣なのですね。そう言えばキョウカも「加減しながら」って言ってましたね。……やらねば!!
藤岡さんとキョウカから、メイクの秘策を聞いて、少しだけ、メイク上手になれる気がした今回。次回は、さらなる上級テク「涙袋」に挑戦します!(たぶん)
●自己紹介
キョウカ
二十歳の女子大生で、にらさわの姪。専攻はメディア論だが、専門の勉強以上にメイクに時間と情熱を注いでいる。欲望にフタをしないタイプで、別人級のメイクを実現する。
にらさわあきこ
文筆家、時に美容研究家。美肌と美ボディ作りを追求していて、普段はノーメイク。著書は、『未婚当然時代』(ポプラ新書)、『婚活難民』(光文社)ほか多数。