二十歳のキョウカにメイクをまなぶ⑥

アイラインを先に引いて眉をつくる! 姪のメイクを見てびっくりしたこと

アイラインを先に引いて眉をつくる! 姪のメイクを見てびっくりしたこと

こんにちは、アラフィフ作家のにらさわあきこです。

別人級のメイクテクを持つ二十歳の女子大生、姪のキョウカからノウハウを盗む(まなぶ)このコラム。憧れの美しいストレート太眉を実現するために、前回までは準備段階の「眉のケア方法」について、キョウカから聞き出しました。
今回は、最重要ポイントであろう「理想の眉」の決め方についてです。

位置は「理想」を目指して自由に!

理想の眉を作り上げるために、キョウカは自眉を剃ったりハサミでカットしたりしていました。その際に、剃る目標とする位置(ひながた)は、ケア前にアイブロウペンなどで描きます。

今回は、その「理想」をどこにどう描くかという話です。

普通に考えたら、場所は「自眉の上」ですよね。

自分の眉を起点にして、少し形を調整し、眉と目の間を狭くしたいなら、「下気味に描く」というのが、眉の決め方だと思います。

が、キョウカは、「自眉の位置」をほぼ無視!

「眉と目の間を狭くしたい」という己の欲望を最大限に求めた結果、自眉とはかなり離れた位置にひな形を描いているのです(驚き!)。

(……自眉、ほぼ存在しなくない?)

と思って、キョウカに「眉毛、剃ったよね?」と聞くと、「剃ってないよ」と答えます。「キョウカが剃るのは、ムダ毛だけだよ。しかもたまにだし」と言うのですが、その表情を見ていると、本人の中では本当に「剃っていない」ことになっているのかも?

なんせZ世代の感性なので、オバにはもはや計り知れないのです……。

キョウカ流・眉の位置

キョウカの決め方を見る前に、私が去年取材で教わって以来、参考にしている方法をご紹介しておきましょう。

眉の描き方は、実際にはいくつかあるようなのですが、私が行いやすいと思ったのは、眉頭を「鼻筋と目頭の間」に、眉尻を「小鼻の横と目尻を結んだラインの延長上」に、眉山を「黒目の外側に取る」というもの。

太さは、「自眉+α」で、眉と目の間を狭くしたい場合は、目の下側に展開します。

「左右の眉の高さを真ん中に取る」とバランスが良くなりますが、「眉と目の間を狭くしたい」場合には、下に位置づいている眉を基準にもう片方を合わせるのもアリ。

とはいえ、最近は、「眉は自由に気分で描くのがいい」ともいうので、自分の好みで描いていけばいいのではないかとも思います。

アイラインを先に引いてから眉を作る!

では、キョウカの方法です。

「眉山や眉尻はどこに持ってくるの?」と聞くと、「眉山はないよ」とあっさり。

キョウカが描いている眉は、流行りのストレート太眉だから、山は作らなくていいのかも。ラク!

一方、眉尻はどうでしょう。眉尻の位置は、「小鼻の端と目尻を結んだ延長にするといい」とは、先に描いた定石の一つなのですが、キョウカの目尻をふと見れば、眉ケアを行う前からアイラインを引いている! しかも、本来の目尻の位置より長めです。

「どういうこと?」とキョウカに問うと、「キョウカはここまでを目にするつもりだから」。つまり、目も本来よりも大きく見せる予定なので、その予定を先に描き込んでから、眉も決めるというのです。

「賢いな」と思いました。

というのも、コラム第2回で書いた通り、キョウカは自分の顔を基準に足し引きしてメイクするというよりも、顔の上で「理想の顔」を実現しようとするタイプです。そして理想実現のためには、眉にも手を抜かないと言いますか、眉ケアの段階で、既に眉だけでなく目も「予定形」を描いておく。

これが、「理想を顔に描く」ということなのかと、感心させられたのでした。

眉頭が左右対称ならOK!

では、プロはどんな風に眉を描いているのでしょうか。今回も、ベテランメイクアップアーティスト・藤岡ちせさんに教えてもらいましょう。

「眉を上手に描くためには、下のラインを先に描くのがオススメです。また、眉頭部分が左右対称だと多少左右差があっても顔が整って見えるので、中央部分を特に大事に描くといいですよ」(藤岡さん、以下・同)

青い丸の中を特に大事に描く。

イラストの青で囲った部分さえちゃんとしていれば、あとは「そこそこ」にしていても、見られる顔になるとか!

では、この辺りの描き方ついて、重点的に教えてもらいましょう。

「眉全体を描いた後、眉頭をスクリューブラシを使って、鼻の側面に向かって自然な感じにぼかします。

形は鼻の側面から眉骨のラインに沿うとキレイです。鼻筋を中心に、羽が生えたように眉毛が伸びていくイメージでぼかしましょう。

なお、顔のパーツが求心的な人は少し離して、遠心的な人は少し寄せて描くと、顔のバランスが取れますよ」

長さや太さは、どうでしょうか?

「アイブロウメイクの長さは、数ミリの差で印象が全く変わります。ざっくりいうと、短いとカジュアルに、長めだとエレガントになります。ですので、『こうだ』と決めつけずに、その日のファッションに合わせて変えるようにするとまとまりがよくなります。

太さの決め方については?
「バランスの良い方の眉と眉骨をガイドに『幅』を出し、左右対称に整えます。眉山を作る場合は、全体の1/3ほど眉尻側にくるようにするとバランスがよくなりますよ」

なるほど!

いろいろやるのは大変そうなので、まずは眉頭部分を大事にしようと思いました。
皆さんも、プロとキョウカの方法を参考に、自分好みの素敵な眉を描いてみてくださいね。

監修・藤岡ちせさん

Fujioka Chise:biography (chisefujioka.com
1993年~ヘアー&メイクアップアーティストとして活動開始。人気タレントやミュージシャンなどを担当する他、女子アナにメイクを教える講師活動を行うなど幅広い分野で活躍中。Paja*Patiに所属。

●自己紹介

キョウカ
二十歳の女子大生で、にらさわの姪。専攻はメディア論だが、専門の勉強以上にメイクに時間と情熱を注いでいる。欲望にフタをしないタイプで、別人級のメイクを実現する。

にらさわあきこ
文筆家、時に美容研究家。美肌と美ボディ作りを追求していて、普段はノーメイク。著書は、『未婚当然時代』(ポプラ新書)、『婚活難民』(光文社)ほか多数。

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