姪のキョウカのメイクが別人級だった件
こんにちは。アラフィフ作家のにらさわあきこです。1年ほど前から二十歳の女子大生、姪(めい)のキョウカと同居しています。
キョウカはコロナ禍に大学入学したために、授業がオンラインでスタート。微妙な時期の上京となったので、ウチの居候となりました。
キョウカとはそれまで18年ほど離れて暮らしていたワケですが、私が頻繁に帰省していたのと、帰省の度に顔を合わせていたので気心は知れており、今も一緒にドラマを見たり、推しアイドルについて語り合ったり、ファミレスで一緒に勉強&仕事をしたりと、そこそこ仲良くやってます(たぶん……)。
とはいえ、一緒に暮らしてみて、驚いたことがありました。
それは、キョウカのメイクです。
「え、そんなにすることあったっけ?」というくらい、キョウカはメイク時間が長いのです。
その時間たるや、およそ2時間! 前の日がどんなに遅くても、出かける時間がどんなに早くても、家を出る2時間前には起き出してメイクを始めるのですが、睡眠時間の確保をなによりも大事にしている私からすると、ある意味、頭が下がります。
キョウカのモーニングルーティン
「しかし2時間も何をするの?」と皆さまは思われるでしょう。実は、私も思います。
キョウカに聞いてみたところ、「まずは洗顔を丁寧にして、下地を塗って顔を作ってるとそれくらいはすぐにたつ」というのですが、確かに延々と鏡に向かっていつも何かやってます。しかもそれでもまだ足りないのか、出かけるのはいつもギリギリになってから。長い時間をかけて自分の顔と対峙し続けているのです。
その甲斐あってか、メイク後のキョウカは、オバから見ても、もはや別人。
皆さまがご存知かどうか、韓国発の人気マンガに『女神降臨』という作品がありまして、ジミ顔の女子高生(のちに女子大生)がメイクで別人級の美女になるのですね。最初に見た時は、「え、こんな人、いないでしょ。さすがマンガだ」と思っていたのですが、キョウカを見て思いました、「ここにいた!」と。
それくらいメイク後のキョウカは、ビフォーと顔が違うのです。
大人メイクは固まりがち!
しかもキョウカは暇さえあれば、TikTokやインスタ、YouTubeなどのメイク動画を見ているだけでなく、ファッションにも手を抜きません。すごいなーと思う一方で、「ほかにすることあるのでは?(勉強とか、掃除とか、掃除とか……)」と苦々しく思うことも多々。
だって大人の私から見れば、キョウカ世代の女の子なんて、正直、みんなかわいいです(←おおざっぱ笑)。だから、「素顔でいいのでは?」と心から思うのです。
けれどキョウカは、「すっぴんのままでは、一歩たりとも外に出れない!」と、命を取られるかのように言い、実際にノーメイクで出かけた時は、そこが近所のコンビニであっても、「ミスった」と手で顔を隠すのです。大げさです!
とはいえ、キョウカをはじめとするイマドキっ子たちのメイクの実力がすごいのは、確かでしょう。そこで、「せっかくだから、彼らから学んでみよう」と思うようになりました。
というのも、私たち大人のメイクって、ともすれば覚えた時代の方法で止まってしまいがちですよね。そのために、顔が古臭くなったり、メイクが顔に似合わなくなっていたりもする。しかし、今さら「メイクを一から勉強せよ」と言われても、そこに費やす時間も情熱もない……。
そこで、キョウカなのですよ。
別人級の顔を作り出す実力を持つ女子大生キョウカから、大人世代を代表して私、にらさわがメイクを学んでみようと思うのです。……学ぶと言うか、盗むと言うか、勝手に真似てみると言うか。
テクニックはもちろんのこと、マインドまでもチェックして、イマドキメイクのいいところ(だけ)を取り入れてみようかと。
普通の、だけどかなりメイク好きの二十歳の女子大生をウォッチして、新しい世界(顔)をのぞいてみない? というのがこのコラムです。皆さまも、ぜひご一緒くださいませ。
●自己紹介
キョウカ
二十歳の女子大生で、にらさわの姪。専攻はメディア論だが、専門の勉強以上にメイクに時間と情熱を注いでいる。欲望にフタをしないタイプで、別人級のメイクを実現する。
にらさわあきこ
文筆家、時に美容研究家。美肌と美ボディ作りを追求していて、普段はノーメイク。著書は、『未婚当然時代』(ポプラ新書)、『婚活難民』(光文社)ほか多数。