こんにちは、アラフィフ作家のにらさわあきこです。
別人級のメイクテクを持つ二十歳の女子大生、姪のキョウカからノウハウを盗む(まなぶ)このコラム。今回は、キョウカが日々描いている「涙袋」に挑戦しました。
実際にトライするまでは、「涙袋なんて痛々しいだけでは?」「大人がやるのもどうなのか」と興味も持っていませんでした。しかし、描いてみたら、どうでしょう? そこそこしっくりきただけでなく、目が二回りも大きくなって、むしろ良い感じになったのです! ご紹介していきましょう。
アイブロウパウダーで描く
まず、涙袋はどこに描くものかというと、自分の涙袋の位置です。
そこに黒系のアイシャドウなどで線を強く浮き上がらせて、ぷっくり豊かな目元に見せます。
目の上に色を重ねてゆくアイシャドウメイクとは違い、基本的には何のもない場所に黒めのシャドウで影をつけるので、「バレバレでは?」と思いますよね? 私は長らく、そう思ってました。けれどキョウカを見ているうちに、「以外とバレないものなのかも?」と思うようになりまして、今回の挑戦となったのです。

使うアイテムはアイシャドウとブラシのみ
使ったアイテムは、たったの2つ。
アイブロウシャドウの濃いほうと、アイブロウを描く筆。つまり、特別なアイテムを使っていません。これに関しては、アイシャドウの時も思ったのですが、キョウカ世代は「あるもの」をうまく利用して、リーズナブルにメイクをしています。好みの色ならアイシャドウをチークやリップに使うこともあるし、リップを目に重ねることもある。「不況だから」を口癖に、無駄な買い物をしないようにと調べまくってから買う姿勢や、余計なものを買わない分、自由な発想であれこれ工夫しているところは、大人世代が見習うべき美点だと感じました。
では、描き方です。
最初の大きなポイントは、位置。実際の涙袋の位置から外れないように描きましょう。欲張って大きめの涙袋を作ろうとして実際の位置より下に描くと、不自然になるので注意です。ちなみに、自分の涙袋の位置に描いても、十分目が大きく見えるので、安心してトライしてみてください。

濃い色のシャドウを実際の涙袋の位置に乗せます。
実際の涙袋の位置は、普通にしていてもわかりづらいので、目を細めて浮かび上がらせます。
「キョウカは、元々涙袋がないから、すっごく目を細めて探しているよ」というキョウカの方法を見ていると、鏡に向かって顎を突き出すようにして、少し斜に構えてから目をぎゅっと細めています。涙袋が小さい人は、こうするとよりわかるようです。

目を細めて涙袋を浮き上がらせる。
真ん中から描くのが大事
続いてのポイントは、描き始める位置。
私は最初、目頭から涙袋を筆でなぞったのですが、すると、涙黒のラインはちゃんと守れたのですが、仕上がりが取ってつけたようになりました。
「真ん中の、影を濃くしたい部分から始めるといいよ。本当の涙袋のように、自然に陰影がつくから」とキョウカ。

真ん中から描いていく。
なるほど、そういえば眉を描くときも、「眉頭からではなく、眉山からスタートせよ」と以前習ったことがありました。涙袋も同じ理屈で、「途中から描き始める」と、より自然でなじみの良いラインを作ることができるのだと思いました。
真ん中から描き始めたら、「真ん中→目尻」「真ん中→目頭」に、筆を走らせてラインを作ります。
その後は、「ここからが一番大事だ」とキョウカが言うボカす作業。描いた線がぼんやりするまでとんとんと指のハラを使って、丁寧に肌になじませます。
力加減は、軽やかに、そっと。小刻みになんども指を置くのが、ポイントのようでした。
最後は、より自然に仕上げるために「描いたラインと実際のアイラインの間の空間」に明るめのシャドウを入れます。

完成です。目ヂカラ、大幅アップです!
「そんな場所にハイライトを入れる不自然では? ……というよりも、ギャルみたいになるのでは?」と心配したのですが、大丈夫でした。
私の場合、「本体」がすでに十分すぎるほど大人なせいなのか、どうやってもギャルにはならないのかも? 仕上りは、むしろ良い感じの「大人っぽメイク」になったような気すらしました。
仕上りを見て思ったのですが、私って数年前まではこの位の目の大きさだったかも?
つまり加齢によって、このところ、目が小さくなった私なのですが、涙袋を描いたおかげで、そこそこの大きさになれたような……。

せっかくなので街に出て撮影してみました。目の大きさ1,5倍です@当社比。
ということで、「涙袋なんて」と思っている大人の皆様方には、「大人が描くと案外自然……というよりも、(目が小さくなってきた)大人こそ、涙袋メイクを描くといいのかも」と思ったことをお伝えしておきます。
次回は、涙袋メイクがなぜ良いのかの考察と、涙袋メイクで知った「目元強化のテクニック」をご紹介します。
●自己紹介
キョウカ
二十歳の女子大生で、にらさわの姪。専攻はメディア論だが、専門の勉強以上にメイクに時間と情熱を注いでいる。欲望にフタをしないタイプで、別人級のメイクを実現する。
にらさわあきこ
文筆家、時に美容研究家。美肌と美ボディ作りを追求していて、普段はノーメイク。著書は、『未婚当然時代』(ポプラ新書)、『婚活難民』(光文社)ほか多数。