『得する説明 損する説明』インタビュー③

2時間かけて次の週のスケジュールを作る!「忙しい」が口癖の人に試してほしいこと

2時間かけて次の週のスケジュールを作る!「忙しい」が口癖の人に試してほしいこと

のフレーズ40個を厳選し、使用例とともに紹介した『得する説明 損する説明―できる人の話し方、その見逃せない法則』(SBクリエイティブ)を3月に上梓した、伊藤祐(いとう・たすく)さんにインタビュー。

第3回目では、仕事を楽しむコツについて伺いました。

著者の伊藤祐さん=本人提供

2時間かけて1週間の予定を立てる

——前回は中間管理職やチームをまとめる立場でしんどい思いをしている人に向けてお話を伺いました。シンプルに目の前の仕事にしっかりと取り組むことが大事なんだと改めて感じたのですが、自分に与えられた役割や仕事を楽しむコツについて伺いたいです。

伊藤祐さん(以下、伊藤):一つは、説明の仕方です。管理職になればなるほど、部下へのモチベーション喚起や対外的なコミュニケーションが必要になります。伝わる説明の仕方をフォーマット化して自分の中に持っておくことが大事です。あとは仕事のスケジューリングですね。

——「スケジューリング」ですか?

伊藤:管理職になると、いろいろな仕事が降ってきたり、よく分からない仕事が発生したりすることがあると思います。そして、一つ重たい仕事があるとそれで2、3時間は頭がいっぱいになりますよね?

——あります! 報告書作りで1日が終わってしまうことがよくあって悩んでいました。

伊藤:そうなると、他の仕事がストップしてしまって、仕事が嫌になってしまったり、残業続きになってしまったり……。メンタルを崩しかねないので、仕事のスケジューリングをしっかり行うことが、仕事を楽しむコツかなと思います。

例えば、「ドリームインキュベータ」代表取締役の三宅孝之さんがnoteで「2時間かけてスケジュールを立てれば、勉強も仕事もうまくいく」という記事で紹介していたのですが、日曜や月曜の午前に1週間のスケジュールを2時間かけて作るんです。

——2時間かけて作る?

伊藤:スケジュールって立てても守れないことも多いと思うのですが、三宅さんによると、それは「スケジュールがかわいくないから」なんです。すごく面白い視点だなと思いました。確かに、何となく作ったスケジュールに愛着はわかないですよね。だから休日に次の1週間にやることと時間配分を2時間かけてめちゃくちゃ真剣に組み立てるんです。そうするとそのスケジュールがかわいくなって絶対に守ろうとするんです。「2時間もかけてやるの?」と思われるかもしれないですが、結果的には1週間の生産性が高くなります。

——伊藤さんも実践されているのですね。やってみていかがですか?

伊藤:すごく順調です。例えば、「あれ? 僕は今日1日何をやっていたんだろう?」って思うことがなくなりました。また、仕事中に「次は何をやるんだっけ?」と思うことがなくなりました。人間って「次に何をやろうか?」と考えることに頭のリソースを使って疲れてしまう。でも、やり始めたら意外にすぐに終わる仕事ってありますよね? スケジュール通りに淡々と進めればいいだけなのに脳のリソースを無駄に使うことが減って生産性が上がりました。

僕は30分刻みでエクセルに予定を書き込んでいます。カフェに行く時間やランチの時間、娘にミルクをあげる時間も書いています。もちろんバッファも設けて。

これは、管理職に限らずみなさんにおすすめしたいです。それこそ、「仕事が忙しくて、勉強する時間が取れない」と悩んでる人も、勉強の時間をスケジュールに入れるといいかもしれませんね。

——急に呼ばれたり、急な仕事が入ってきたときは……。

伊藤:それは、バッファの時間に入れています。もちろん、緊急対応しなければならない案件が発生したときは、スケジュールが後ろにズレることもあります。

——バッファの時間も入れるのがコツですね。

伊藤:三宅さんも言っていることなのですが、すべてがスケジュール通りにいくわけではないのでバッファをある程度持っておく。でも、スケジュールを真剣に考えていると、「来週のこのぐらいのタイミングで依頼がきそうだな」とか、何となく分かってくるんです。それも含めて事前にスケジュールに入れておくと「もうやっておきましたよ」と相手にも返せます。

「対他人」か「対自分」に分けてみる 壁にぶち当たったら…

——おお…! 仕事がデキる人の出来上がりですね! 伊藤さんは社長という究極の管理職のような立場だと思いますが、壁にぶつかったときはどのように乗り越えているのでしょうか?

伊藤:壁しかないので……(笑)。前回もお伝えしたように、目の前のことに集中するだけですね。壁にぶつかっているときって、「対他人」もしくは「対自分」のどちらかだと思うんです。

——「対他人」と「対自分」……。

伊藤:「対他人」の場合は、説明力不足、思考力不足、プレゼン力不足かもしれないし、資料作成や段取りが下手なのかもしれない。それらはすべて説明に紐づいてくると思うので、本にも書いた通り、説明を極めるでいいのではと思っています。「対自分」の場合は今回紹介したスケジューリングに尽きると思っています。

それらをすべてやった上で、自分の100%を出し切ってダメだったことは仕方ないので諦める。もしクビになったとしてもまた次の仕事を探せばいいですし……。対他人への説明力がうまくて、対自分のスケジューリングとメンタルケアもしっかりできる人であれば確実に需要はあるはずです。だからそこまで不安に思う必要はないのかなと考えています。

(聞き手:ウートピ編集部、堀池沙知子)

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