「一生懸命説明しているのに相手から微妙な反応をされた」
「良いアイデアを思いつくのになかなか企画が通らない」
「中間管理職だけれど、上司や部下とのコミュニケーションの仕方が分からない」
そんな悩みを抱えている人に向けた『得する説明 損する説明―できる人の話し方、その見逃せない法則』(SBクリエイティブ)が3月に発売されました。
著者は、シンガポール発の歯科製品ブランド「Zenyum(ゼニュム)」の日本法人社長を務める伊藤祐(いとう・たすく)さんで、説明上手な人の“口ぐせ”を真似するだけで、説明がうまくなるとっておきのフレーズ40個を厳選。使用例と併せて紹介しています。
ウートピでは発売を記念して、同書の一部を抜粋して紹介します!
100パー同意「まさにおっしゃる通りです」
今まで「説明力を上げるためのフレーズ」をいろいろと紹介してきましたが、逆に「説明が通らなくなるフレーズ(というか態度)」もあります。それは、「否定ワード」です。
常に「いや、それは違っていて」「でも」「それはそうなんですが」みたいなやつ。特に「でも」は口グセになっちゃってる人、多いんですよね。
このようなフレーズを言ってしまうと、相手からすると「あ、この人、否定してくるな」「否定してくるんだったらその人の意見にこっちが賛同する必要もないな」「却下」というように無意識下で思ってしまうのです。
「インフルエンサーを活用したマーケティング、うまくいったら革命的だよね」
「でも、まだ勝ち筋は明確にになっていないよね」
「仙台エリアの売上、このままだと過去最高になるね!」
「まあね、でも北海道がイマイチだから東北全体だと去年とトントンぐらいじゃん」
みたいなコミュニケーション。これをやっちゃうと、「なんか絡みづらいな」と思われ、
毎回の発言も通りづらくなり、じわじわと「説明がうまくいかない人」になってしまいます。
聞き手のコメントに合わせて全力100パー同意
それと真逆の、「この人が言うことならどんどん通しちゃおう!」と自然となって
しまう強力なフレーズ、それが今回紹介させていただく「 100パー同意」です。
こちら側の説明が終わる、もしくは一息ついたタイミングで、聞き手側から「私は
こう思うんですが、どうでしょう?」という質問&コメントが飛んできます。
そこで100パー同意「まさにおっしゃる通りです!」と全力で同意しましょう。 もちろん、場合によっては「いやいやそれはこうなんだよ」と訂正したいケースもあ りますが、それでもまずは「100パー同意」しましょう。そうしてから、「追加で 補足させていただくと」という形でコメントすれば、内容は同じでも与える印象がま ったく変わります。
想像してみてほしいのですが、「いやほんとおっしゃる通りなんですよ!」と心の底から同意してくれる人がいたら、その人のこと、シンプルに好きになりませんか? 好きになった人が言うことであれば「おそらくこの人の提案もいいものなんだろうな」とよい意味でバイアスがかかり、説明が通りやすくなるのです。
説明は一方的なものではなく、話し手と聞き手がコミュニケーションを取っていく 中で「なるほどね」「よし、やってみようか」となるものです。 「うまく話す、わかりやすく話す」というのももちろん大事なのですが、”相手に好感を持ってもらう”というのも説明上手になるためには欠かせないスキルです。それ をシンプルに、どんなときでも再現性を持ってアプローチできる「100パー同意」、 すごくおすすめです。
<NGフレーズ>
(「外資系企業の日本法人経営者って、結局中間管理職ですよね」 という発言に対して)
「いや、確かにそういう側面はなくもないんですが、 ……」
<OKフレーズ>
(「外資系企業の日本法人経営者って、結局中間管理職ですよね」 という発言に対して)
「まさにおっしゃる通りなんですよ!」