仕事やこれから自分が進む方向など、悩みが尽きない20、30代。
そんな女性たちに向けて、小池百合子東京都知事が6月17日、「渋谷ヒカリエ」(東京都渋谷区)で開催されたイベント「ELLE WOMEN in SOCIETY(エル ウーマン イン ソサエティ) 2017」に登場し、「人生の転機にどう立ち向かう?」をテーマにスピーチをしました。
T字型の人生を意識して
学生時代はエジプト・カイロに留学していた小池都知事。留学のきっかけについて「満員電車で『私、降りまーす』と言ったのに入ってくる人のほうが多くて降りれなかったんです。それで満員電車に乗る生活はやめようと思いました。そのためにはスキルをつけようと思ってアラビア語の通訳になることを決心してエジプトのカイロに留学しました」と明かしました。
小池都知事は「できるだけ人と違うことをやること。みんなができるのはスキルにならない。例えば、エクセルができるのはできて当たり前になっちゃっている。他の人でもできることもしっかりやりつつ、自分には他の人には絶対できないスキルを持っている、というのを突き詰めていってほしいと思っています。
私はそれを”T字型の人生”と呼んでいます。Tの横棒は一般常識。エクセルができるとか、英語が話せるとか。その横棒を掘り下げるのが専門性です。専門性を磨いていくのが縦の棒で、磨き方によってプロ度が変わってくる。皆さんも自分にとってのT字型の人生を考えてほしい」と会場に呼びかけました。
怪我するかもしれない、それでも一歩を踏み出す
スピーチの最後には「自分のスキルを極めてください。自分の武器を磨いてください。人脈を広げているうちに、あなたの武器を武器と気づいてくれる人、メンターが現れます。そして迷ったときは一歩前に出て。ずっと迷ってうずくまっていても誰も助けてくれません。ひょっとすると怪我をするかもしれないけれど、一歩前に出ることで得られることがあると思っています」とエールを送りました。
セミナーでは、一般女性からの質問も受け付け「男性社会で仕事をしていく上で気をつけることは?」という質問には「国会も男性ばかりで歌舞伎みたいだから早く宝塚みたいになれって思っているんですが」とジョークも飛ばしつつ「意思を決定する場に女性がいないとダメだと思う。それは国会も企業もそう。管理職を目指して意思決定の場にいて、提案・提言をしっかりすれば『あの女性が言っていることには価値がある』と耳を傾けてくれる。提案することを考えてください」と力を込めました。
悔し涙を見せるのが悔しい。だから泣かない
また、ストレス解消法を聞かれると「寝ることです」とキッパリ。「あとはストレスをストレスと思わないこと。次から次へとストレスが追いかけてくるので、楽しむくらいの気持ちで」。
「悔し泣きすることはありますか?」という質問には「感情は堪えるよりは表に出すのがいいと思う。私は、悔し涙を見せるのが悔しいので泣かないようにしています」と凛とした表情で語りました。
「Women in Society(ウーマン・イン・ソサエティ) 2017」はファッションメディア「ELLE(エル)」(ハースト婦人画報社)が主催。今年で4回目を迎えるイベント。今年は「Future is Yours~私らしい未来を作る」をテーマに、スペシャルセミナーやワークショップを開催。
ゲストスピーカーとして、小池都知事のほか、映画監督の河瀨直美さん、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんと作家・演出家・画家の大宮エリーさん、アーティストのスプツニ子!さんらが登壇しました。
(取材・文:ウートピ編集部・堀池沙知子)