柳楽優弥さんインタビュー 最終回

柳楽優弥「俳優として前に進むために『NO』も大切にしたい」

柳楽優弥「俳優として前に進むために『NO』も大切にしたい」

ビートたけしが師匠・深見千三郎と過ごした日々を振り返った自叙伝を元にした『浅草キッド』が、このたび、劇団ひとりさんの脚本・監督によって映画化されました。12月9日より、Netflixにて全世界独占配信が始まっています。

作中より

作中より

若き日のビートたけしを演じたのは、柳楽優弥さん。短期インタビュー連載の最終回では、14歳からキャリアを積み上げてきた柳楽さんがいま、感じることを伺いました。

少し立ち止まったことで「NO」を言う大切さが見えてきた

——『浅草キッド』の撮影は2021年の始めからスタートしたと聞きました。コロナ禍でほかのさまざまな作品づくりが止まっていた時期を越えて、どのような心持ちで現場に入られましたか?

柳楽優弥さん(以下、柳楽):2020年は本当に、コロナ禍で思うようにいかないことが多かったんですよね。それでも「仕方ないな」と考えるようにしながら、仕事や暮らしに向き合ってきたと思っています。そのなかで、自分やこれからについて考える時間も増えました。

——たとえば?

柳楽:自分が心からやりたいことをやるためには、「NO」を言うことも大切だなと考えるようになりました。常に「YES」で物事を進めていく良さももちろんあるだろうし、そういう時期もすごく大事だと思いますが、これからは「NO」も言えるようになっていきたいと思いました。

20代の試行錯誤で、自分なりの「YES/NO」に気づけた

——「NO」を言うためにはまず、何がYESで何がNOなのか、つまり自分は何を好きで何が嫌いなのかを理解する必要があると思います。柳楽さんは、どんなふうに自分の「NO」を見つけていったんでしょうか。

柳楽:僕は14歳で『誰も知らない』(2004年)に出てカンヌをいただいたから、10代のころは、周りに「ちょっと扱いづらい俳優だな」と思われてしまうことが多かった気がするんです。それが、僕自身はすごくイヤで。だから20代は「ワンシーンしか出番のない役でもとにかくやってみよう」と決めて、積極的にいろんな作品と関わるようにしました。いろんな現場にふれさせてもらったからこそ「あれはもしかするとNOだったんじゃないか……?」ってことに気づけるようになったのかなと思っています。

——経験してみて、自分なりの「NO」を感じられるようになった。その試行錯誤は貴重ですね。

柳楽:経験値って大事ですよね。百聞は一見にしかずとも言うし。そういう意味では、最近やらせていただいている主演作はどれも、自分が心からやりたいと望んだ作品だなと思います。今回の『浅草キッド』は、もうYESもYES。心の底からやりたいし、やっていて楽しいし、本当にワクワクする大好きな作品でした。もちろん難しいし大変だったけど、それを乗り越えて作品を作っていくということが、じつは俳優をやる快感だったりもするし。この作品を通じて、30代も頑張っていけるような「大型のエンジン」が搭載できました。俳優としてひとつ壁を乗り越え、新しい章に入れた気がしています。

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「神は、乗り越えられない壁を与えない」マインドで進む

——『浅草キッド』を越えて、新章に突入できた。いままでの章では、どんな壁に突き当たっていたのでしょうか?

柳楽:2020年はいままでにない状況で、作品づくりとずいぶん距離が離れてしまったんですよね。20代から思いきり走り続けてきたつもりだったのに、突然いろんなことが止まったから、ちょっと不安を感じたりもしました。だから「また1からスタートしなくちゃ」という思いが、強くありました。この作品はプレッシャーも大きくて……そんなこと言ってても仕方ないからやらなくちゃ、でも怖い、の繰り返し。そうやって自分自身と向き合いながら演じていたら、それがすごくいい結果として作品に残ったんですよね。この作品と劇団(ひとり)監督が、ひと山越えさせてくれたという実感があるんです。

——新章の柳楽さんは、どんなことができそうでしょうか。

柳楽:すばらしい賞をいただいたデビュー作を自分自身が超えられるような作品に出たいし、スーパームービースターになりたいという大きな夢もあります。そこに向かってどう近づいていくかという意味でも、今回の作品は大きな一歩だったように感じていますね。壁はたくさんあるけど……神はその人に乗り越えられない試練は与えないっていうじゃないですか。僕、そういう名言とか好きだから(笑)。ゲームみたいな感覚で目の前の壁を越えていけたらいいなと思っています。

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(ヘアメイク:佐鳥麻子、スタイリスト:長瀬哲朗(UM)、取材・文:菅原さくら、撮影:西田優太、編集:安次富陽子)

■作品情報

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Netflix映画『浅草キッド』
Netflixで全世界独占配信中
出演:大泉 洋 柳楽優弥 門脇麦
監督・脚本:劇団ひとり
原作:ビートたけし「浅草キッド」

Netflix映画「浅草キッド」公式サイト

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