パートナーと一緒にいられる週末、どんなふうに過ごしていますか?
おたがい仕事が忙しくて外出する予定が立てづらいから、だいたいどちらかの家でゆったりおこもり派という大人カップルも少なくないよう。ウートピ編集部が実際に、「デートはおこもり派」という20代後半から30代の女性をヒアリングしてみたところこんな声が。
「私も彼も仕事が忙しすぎて旅行の予定が立てられないんです。昼すぎまでベッドでゆっくり寝てしまうことも多くて。おこもりデート率は6、7割かな」
「出かけようとしても、どこも混んでいて、結局どちらかのおうちでいいかとなっちゃって。グダグダ起き始めてブランチ食べてとなると、なんとなく『今さら外出する時間でもないよね』という雰囲気に。4割くらいおこもりです」
「私はアウトドア派でガンガン外デートしたいのに、男性がインドア派で家でまったりしたがるんです。海外ドラマ見たり、ちょっと仕事したりして土日が過ぎちゃうことも少なくないかな。3割くらいおうちデートです」
調べてみると、結構多いおこもりデート。でも、付き合い始めの頃はよくても、関係が長くなるとだんだんマンネリ感も出てきて、日曜日の夕方には「もっと充実感のある過ごしかたがしたかったな……」なんて、思うことも。
何かいい過ごしかたはない?
「一緒に特別な時間を過ごした」という充実感は欲しいけど、外出の予定は立てられない。何かいい過ごしかたはない?
そこでおすすめしたいのが、「ワインを楽しむ休日の午後」。普段飲みよりちょっと贅沢なボトルワインを用意して、簡単なフードと一緒にふたりでまったり。「これ、おいしいね」「うん、いけるね」部屋の陽だまりの中でそんな言葉を交わしながらグラスを傾ける時間は、それだけで愛おしいワンシーンになりそう。
ヒアリング調査では、実際におうちデートでワインを活用している人も。
「私も彼も忙しいので、週末はどちらかの自宅でちょっとリッチなワインを開けて、ふたりでゆっくりおつまみを食べながら味わいます」
おこもりデートは嫌いじゃないけど、最近ちょっとマンネリ化……。それなら次の週末はワインというアイテムを投入してみては?
ということで、今回は「ウートピ・ワインラボ」が、春から初夏にかけてのこの時期におすすめするワインをご紹介しましょう。セレクトしてくださるのは、「ウートピ・ワインラボ」の所長としてお馴染みの浮田泰幸(うきた・やすゆき)さんです。
おこもりデートを彩る“緑のワイン”
今回、おすすめするのはこちらの3本。いずれも“緑のワイン”と呼ばれるポルトガル北部産のボトルです。
・ノルテ・ロゼ・ヴィーニョ・ヴェルデ(左)
・ソアリェイロ アルヴァリーニョ2016(中央)
・ヴァルジア・ド・ミーニョ ロウレイロ&アルヴァリーニョ2015(右)
「ワインには赤と白とロゼしかないと思っていませんか? 世の中には『黄色いワイン』『オレンジワイン』『緑のワイン』もあるんです。ポルトガル北部で生産されるヴィーニョ・ヴェルデは直訳すると“緑のワイン”。ワインの色がグリーンなのではなく、若々しいという意味で緑(=ヴェルデ)という言葉が使われています」
と浮田さん。“緑のワイン”こと、ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデは、まさに初夏のこの時期に楽しみたいとっておきのワインなのだそう。
それでは順番に、おすすめのペアリングと共に浮田さんに解説していただきましょう。
バラとイチゴが香るロゼ
「イチゴ、糖蜜、バラの花の香り。アルコール9%と低めなので、お酒に弱い人にもおすすめ」と浮田さんが話すのが、こちらの「ノルテ・ロゼ・ヴィーニョ・ヴェルデ」。おうちデートにはぴったりのロゼです。「スイートチリソースで食べる生春巻きとのペアリングが◎」なのだそう。生春巻きなら、最近はデリでよく見かけるメニューなので、買い置きしておいて合わせてもいいかも。
肉派の貴女にも、魚派の彼にも
「柑橘とトロピカルフルーツの豊かな香り。ミネラルもたっぷりと感じられて、魚介類からホワイトミート(鶏肉や豚肉など)まで幅広い料理に合います。肉派の彼女も、魚派の彼もどちらも楽しめる一本」と浮田さんが語るのが、「ソアリェイロ アルヴァリーニョ2016」。どんなに仲がよくても、案外食べものの好みはバラバラというカップルも多いなか、肉にも魚にも合うボトルはありがたいですね。今回は、さっとゆでただけのスナップエンドウにアンチョビ添えて。
レモンと潮を感じる初夏ワイン
「これぞ初夏を体感できるワイン」と、日差しが強くなるこの時期にイチオシなのが「ヴァルジア・ド・ミーニョ ロウレイロ&アルヴァリーニョ2015」。「レモン、潮の香、フェンネルを思わせる独特の風味があって、シーフードのマリネや酢の物とのペアリングが抜群」と浮田さん。撮影では、タコとキュウリのマリネに合わせてみました。スーパーで調達したゆでダコを、ささっとドレッシングで和えるだけで素敵なおつまみに。
お酒の弱い人には“緑のワイン”がおすすめ
“緑のワイン”、いかがでしたか? 次の週末に大切な人と開けてみたいボトルは見つかりましたか?
初夏と相性バッチリの“緑のワイン”ですが、実は他にも嬉しいポイントがあるよう。
「ヴィーニョ・ヴェルデが他のワインと異なっているポイントは、アルコール度数が9〜11.5%と低めで(一部、それ以上のものもある。他の地域のワインは12.5%以上のものがほとんど)、味わいがフレッシュだということ。これはぶどうの収穫を完熟の一歩手前で行うユニークな製法で造られるために出てくるキャラクターです」
アルコール度数の平均が13%といわれるワインの中では、“緑のワイン”は軽め。酔っ払いすぎずほろ酔いでおしゃべりが弾むのは、デートでは大事なポイントです。
「日本で手に入るヴィーニョ・ヴェルデの大半が白ですが、ロゼ、赤、スパークリングもあります。白やロゼには軽く泡立っているものが多いのもユニークな点です。価格は1000〜2000円くらいがほとんどでお手頃」
季節感があって、アルコール度数低めで、しかもお手頃。嬉しいポイントが満載の“緑のワイン”、ぜひ次のおこもりデートで活用してみてくださいね。
写真:竹内洋平
資料協力:ヴィーニョヴェルデ生産者協会