フィンランドツアーのレポートもいよいよ最終回。これまでさまざまな発見をお届けしてきましたが、最終回は一番感動した場所「セーラキウス・ミュージアム」をご紹介します。

フィンランドの第二の都市と呼ばれるタンペレからバスで約1時間半のところにある街「マンッタ（Mänttä）」。ここは今、国内外のアート好きな人たちのあいだでじわじわと注目を集めています。夏には、マンッタ芸術祭が開催され、フィンランドの現代美術を堪能することができます。

「セーラキウス・ミュージアム」には2022年6月には敷地内でサウナが楽しめる世界初の「アートサウナ」が誕生。ここが本当に最高でした！

サウナからの湖へダイブ！

サウナストーンをぐるりと囲むラウンド型のサウナ。

窓から眺める景色もまるで絵画のよう。

新設されたサウナエリアには、ラウンド型のデザインサウナやおしゃれな休憩スペース、ジャグジーなどがあり、温まる前から癒され感がたっぷりです。

サウナでしっかり汗をかいたら、湖にダイブ！

こんなに晴れていても水温はしっかり冷たい！

貸切のラウンジで最強のチルタイム。

サウナの後は美術館巡り

北欧では最大規模の歴史ある名画がコレクションされている。

「セーラキウス・ミュージアム」は、製紙工場で財を成したセーラキウス一族がコレクションしたアートを展示するために設立されました。敷地内には、2014年に完成したパビリオンと、1930年に建てられたマナーハウスがあり、多くの名画や企画展を鑑賞することができます。

広い敷地を自転車で移動することもできる。

パビリオン内のミュージアムショップ。どれもこれもほしくなります。

心を震わせるアート

案内をしてくれたレベッカさんに、「アートと幸せの関係」について聞いてみました。

「ある調査によると、文化やアートを嗜む人の幸福度が高いというデータもあるそうです。私個人としても、幸福をもたらしてくれるものだと実感しています。著名なアーティストかどうかということはさほど関係なく、アートと向き合った時の感覚、自分の中で共鳴するものがあると感じる瞬間がすごく好きで、その時間が本当に幸せなんです。

私の夫は現代美術にそれほど関心がありませんが、ある展示を見た際にはすごく感銘を受けていて。『ああ、だから君はこんなにもアートが好きなんだね』と言っていました（笑）。

アートと向き合うと、その作品が創作された時代の文脈や、作家がどんなことを考えていたのかなど想像力を巡らせる時間があり、その過程で何かしら自分と通じるものを感じられます。そういうことが幸福につながるだろうと考えています」

美しい料理にお腹も満たされて

パラビオン内にあるレストラン「イェスタ」

五感が刺激されるようなお料理が楽しめます。

カフェやレストランも併設。お散歩をしてランチを食べて、サウナに入って、またアートを楽しんでディナー……と1日中過ごすことができます。

ここで一日のんびりできたら最高だろうなぁ。

セーラキウス・ミュージアム（Serlachius Museum）
https://serlachius.fi/en/
※アートサウナは夏の期間の月曜のみ一般利用可能（2022年7月時点）

10月からは羽田〜ヘルシンキ間でも直行便がスタート。来年の夏に向けて、フィンランド旅行の計画をしてみるのはいかがでしょうか。

（取材・文：安次富陽子）