チアシード、アサイー、カムカム、ゴジベリー……とさまざまなスーパーフードが人気ですが、実は日本人には昔からなじみのある食材が、最近ニューヨーカーの間でスーパーフードとしてにわかに人気上昇中なのだそう。
その食材とは、ズバリ抹茶。
その人気ぶりと、日本人の想像を超えた新しい抹茶(Matcha)の世界をニューヨーク在住のライター、椿慶子(つばき・けいこ)さんにリポートしていただきました。
脱コーヒーの健康志向が生んだブーム
コーヒーの飲み過ぎは、健康を害するということで、アメリカではコーヒー代わりに緑茶が親しまれてきました。ということで、緑茶自体は以前からわりと知られた存在だったのですが、最近、私が住むニューヨークで空前のブームとなっているのが、抹茶(Matcha)。ワーカホリックと健康志向が多いニューヨーカーの間で、またたく間に支持を得ました。
日本のカフェでは、“ついで”的な抹茶ドリンクの存在ですが、ニューヨークではここ2、3年で、次々と抹茶が主役のカフェが誕生しています。緑茶のさわやかな風味と、クリーミーな飲み心地、コーヒーよりも断然カラダによいことがヒット要因のようです。
ザ・スーパーフード、抹茶
実はニューヨークでは、抹茶は単に「コーヒー代わり」として人気なだけではありません。抹茶はチアシードやアサイーといった食材と並ぶ“スーパーフード”として消費されています。
スーパーフードの定義とは、「栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること」、あるいは「ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること」とされています*。
*参考:一般社団法人日本スーパーフード協会
緑茶には、生活習慣病、コレステロール、血糖値、高血圧に働きかけるとされるカテキンが豊富に含まれています。またうまみ成分のテアニンにはリラックス効果も期待されているため、カフェインでシャキッと目を覚ましながら、興奮しすぎることもないそう。スーパーフードの中でも相当な優等生と言えそうです。さらに、抗酸化作用も強いため、日々アンチエイジングに励んでいる美容意識の高い人にもオススメです。
ニューヨークMatchaスタイル
では、次にニューヨーク・マンハッタンで人気のMatchaカフェをご紹介していきましょう。抹茶と言えば、茶せんでチャカチャカたてたものか、カフェのメニューにあるフラペチーノ的なものしか日本人にはなじみがないと思いますが、ニューヨーカーの間では、ちょっと変わった自由なスタイルで楽しまれています。
Chalaitのホット抹茶チョコレート
チョコレートと抹茶を絶妙なバランスで組み合わせた「抹茶ホットチョコレート」。ヒップなレストランやカフェが集まるチェルシーマーケットにある小ぶりのカフェ「Chalait」にて楽しめます。一見ニューヨークによくある洒落たカフェに見えるのですが、宇治から取り寄せた抹茶を使用し、抹茶好きのために茶せんまで販売しているという本格派。
一番人気だと店員さんが言っていた、「Matcha Latte」を豆乳で試してみました。まず見た目にキュートすぎるグリーンリーフ。味は、さっぱりしていてすごく飲みやすい。
【店舗情報】Chalait
ChaChaMatcha の抹茶ソフトクリーム
抹茶のさわやかな風味が活きていながらも、クリーミーでコクのあるソフトクリーム。マンハッタンでダントツお洒落なSoHo地域に見せを構えているだけあって、ハイセンスな店内は、女性客でいつも賑わっています。インスタでかわいい写真を自慢したい乙女にはたまりません。
【店舗情報】ChaChaMatcha
Matcha Café Wabiの抹茶オーレ
数店舗取材した中で、納得の“美味”だったイーストビレッジにある「Matcha Café Wabi」。オーナーもスタッフも日本人で、オープン当初には、わざわざ茶道の先生からお茶のたて方を習ったんだそう……。
お茶の知識豊富なバリスタさんオススメのアイスコーヒーと抹茶の融合メニュー「抹茶オーレ」を試してみたところ……、
びっ、びっくり。思わず「おいしいっ」と発してしまうほど、想像を絶した美味。それもそのはず、コーヒー豆はこだわりのインドネシア産、抹茶の存在感に負けぬよう、あえてずっしりしたディープロースト豆で……。肝心の抹茶も、宇治産と静岡産のブレンドを微調整しながら、粉が浮き上がってこないよう最新の配慮で調合されているとのこと。日本人による日本のこだわりを感じずにはいられない味でした。
【店舗情報】Matcha Café Wabi
冷たくても温かくても美味。しかも栄養満点のスーパーフードの「抹茶」。ニューヨークでは、日本人の想像をはるかに超えた存在感を放っています。旅行や出張でこちらにいらっしゃる際は、ぜひNY流Matchaをお試しください。