30代は仕事、40代は恋愛 年齢のハンデなんて気にしないNY流・マイペース恋愛

さまざまなバックグラウンドの人種が集まる世界一せわしない大都会ニューヨークシティ。
ニューヨークの30代は、キャリア構築のために怒涛の日々を過ごす人がほとんどです。仕事一筋で嵐のように過ぎ去っていく30代を経て、ふと気づけば脂の乗ってきた40代で“シングル”になっていた……、なんて人も多いのです。でも年齢のハンデなんて気にせずに大人恋愛を楽しむのがNY流。
自分らしく生きることが美しいとされるこの街に住む筆者が、ニューヨークのマイペース大人恋愛事情をご紹介します。
恋愛だけでは生きていけない!
世界一物価が高いと言われているNYC。実は40代になってそれなりの仕事にも就いているのに、アパートを友人やルームメートとシェアしているという話も本当にザラにあります。
ましてや20代そこそこの若者や、キャリアを築き始めたばかりの人たちの暮らしは、ドラマ「Sex and the City」のようなゴージャスなものからは相当かけ離れています。リビングルームを間借りして住んでいるなんて言っても誰も驚かないのが現実……。
多くのニューヨーカーが、いつかはもっといい暮らしをしてやる!と下唇を噛みながら日々努力を惜しまず暮らしています。いい暮らし=よりよい仕事。よりよい仕事=競争で勝っていく。ニューヨークに住むほとんどの人はキャリア志向や成功願望が強いので、必然的に、恋愛にすべての労力を注ぐわけにはいかなくなります。
恋愛は、お金、時間、感情を投資した上で、自分を賭けるという実にリスキーなゲームであったりするわけです。特に、キャリアを築き始めた20代、30代の人たちは、どうしても仕事が優先になってしまうので、ニューヨークでは意外に、40代からやっとじっくり恋愛を味わう……という感覚の人が続出しているのも事実。
ソウルメイトを探し求めて40代突入
レストランもバーもカフェも、そして何よりデートの回転率も相当早いのがこの街の掟。
デートはまず「お互いを知る」ことから始まり、この「お互いを知る」という過程では、“彼氏・彼女”のような約束事や責任は発生しません。すなわち、“デート”の段階では、複数の人と会うこと自体、暗黙の了解になっています。
仕事で多忙な人が多く、デートにも相当の効率性が求められます。男女ともに3、4人の相手を見極めるために同時進行もザラにあるし、もっとツワモノになると、7、8人とデートしているなんてこともあったり……。しかしやっぱり、老若男女問わず、私たちが心底出会いたいのは、「運命の相手……ソウルメイト」なのです。
そんなオンリーワン・ソウルメイトをキャリアのかたわら探し続けて、40代に突入した人たちも、NYCでは実に多く見受けられます。妥協せずに諦めない。自分に嘘をつかない伴侶探しスタイルを貫いている人が多いのです。
「Meet up」というアプリを使った40代や50代の合コン、子持ちや離婚経験者が集う街コンも実に多種多様。年齢や過去を嘆くなどというネガティブな態度は、この街では御法度なんです。
シングルマザーやシングルファザーも、くよくよメソメソする暇もなく離婚後数ヵ月で、積極的にデーティングを開始する人がほとんどです。
マイペース恋愛が基本
まわりの人間がこうしているから自分もこうする、親からのプレッシャーに耐えきれず婚活して結婚……なんて、言い訳をしながら恋愛している人はまず見かけないし、そんなことをニューヨーカーに言おうものなら、白い目で見られてしまうでしょう。
良くも悪くも、この街にはそういう集団意識がありません。まずは自分ありきの恋愛=マイペース恋愛が基本中の基本なんです(離婚率が50%以上というのも頷けますよね)。
一番大事なのは、自分が納得していること。何度結婚しようが、独身を貫こうが、自分が納得していれば堂々と生きていられるという信念に基づいているんですね。