ユニ・チャーム 長井千香子さんインタビュー第1回

「生理の日も元気に頑張ろう」の背景とは? ソフィのブランドマネージャーに聞いてみた

「生理の日も元気に頑張ろう」の背景とは? ソフィのブランドマネージャーに聞いてみた

ほとんどの女性が経験している毎月の生理。眠気やイライラ、食べ過ぎてしまうなど、生理前後の症状の対策をしている人は多いと思いますが、生理用品まで気にかけている人は少ないのでは?

生理用品、紙おむつなどの衛生用品の大手メーカーのユニ・チャーム株式会社の長井千香子さんによると「化粧品のようにあれこれ試す人は少数派で、多くの人が、初経のときに母親から薦められたナプキンをそのまま使っている」そう。でも、生理で出る経血の量や、肌の弱さ、取り替える頻度、ライフスタイルは人それぞれのはず……。

そんななか新商品として注目を集めているのが、同社の「ソフィORGANIC®オーガニックコットン」シリーズです。でも、なぜオーガニックコットンを使用した生理用品が話題になるの? 生理用品にこだわることで何が変わるの?

ブランドマネージャーとしてソフィを担当する長井さん。入社以来15年間、ずっと生理のことを考え続けてきたという彼女に、生理用品の変化や生理との付き合い方について聞きました。

CMのメッセージは時代や情勢で変わる

——生理用品のCMの「生理の日も元気に頑張ろう!」というのがちょっと苦手だったのですが、最近は「無理をしなくてもいい」とか「身体に優しい」みたいなメッセージも増えている気がします。

長井千香子さん(以下、長井):そうですね。実は生理用品って、時代や情勢によって大きく変わっているんですよ。例えば現在の日本は、人口が逆ピラミッド型で若者が少ない。人生100年時代と言われるなか、若者の心の中には「生理痛で悩んでいるのになんで頑張らなきゃいけないの?」「それって誰のためになるの?」という思いがあるようで。周りの環境に振り回されながらも頑張らなきゃいけないフェーズは、もう終わったんじゃないかなと思っています。

——たしかに、団結するより個を大事にするようになった感じはありますね。SNSも個人同士のつながりですし。

長井:いま日本には、「自分を大事にして、自分に対していいことをする」っていう空気感があると思います。一方で人口がどんどん増えているアジアの国々は、若者たちがエネルギッシュで、底なしの行動力を持っているんです。とにかく「自分たちの世代が社会を変えるんだ」っていう熱気がすごい。

だから女性たちは生理がくると抑え込まれている気分になってしまって、「アグレッシブに行動したいのに、生理のせいでパフォーマンスが下がってしまう」と感じてしまうみたいです。そういう場合は、「生理の日に負けない!」という攻めたCMが求められるんですよ。

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「パッケージで機能をアピール」はもう古い?

——「ムレなし!モレなし!サラサラ!」みたいな、商品のメリットを全面に出してアピールするパッケージも減ったような……。それって何か理由があるんですか?

長井:ムレやモレ以外の要素を大事にしているお客様が一定数いるからだと思います。もちろん、「安心して使える製品」だと伝えるのも大事なことなんですよ。でも生理用品が進化し続けてきた結果、重視するポイントが人によって変わってきたなという感じはありますね。

——海外の生理用品を見たときに、「お菓子の箱みたいでかわいい!」って思ったことがあります。パッケージについて、開発側のみなさんはどう思っているんですか?

長井:私のチームでは、「生理用品を買う人の気持ちに合わせて変えていく」ことを第一に考えています。今回の新商品も見た目には結構こだわったんですよ。100枚を超えるデザイン案のなかからお客様にヒアリングを行って、最終的にコットンを全面に出したシンプルなものに決めました。

——生理用品ってピンクとか青とか、はっきりした色のパッケージが多いですよね。白だと埋もれちゃうような……。

長井:そこは私たちも懸念した部分ではあるのですが、ショーツ、ライナー、タンポンなどのシリーズ商品と一緒に並べてもらえたおかげで、売り場の中でも目立つ存在になれました。あとはコットンの写真を大きく配置したことで、文字よりも雰囲気やメッセージが伝わりやすくなったと思います。「ORGANIC 100%」とローマ字にしたことも、一つのチャレンジでした。わかりやすさを優先すれば「オーガニック」とカタカナにするのが普通なのですが、このパッケージの雰囲気にはこれしかない、と。

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生理について、もっと話そう

——最近は、購入した生理用品を紙袋で包む行為を疑問視する声もありますよね。「生理であることは決して恥ずかしいことじゃない」って。

長井:生理って、個人で抱えなきゃいけない問題じゃないんですよね。女性がどれほど忙しくなっても生理はなくならないし、むしろPMSや生理痛、肌荒れに悩まされている人が増えている。そういうトラブルは「ちょっと休んだほうがいいよ」っていう体からのサインなんです。

——自分でそのサインに気づいて「実は私、こんなことで悩んでいます」って生理の悩みを話す人や、SNSで発信する人も増えていますよね。生理に悩む女性たちの声がもっと届くようになれば、生理用品はさらに進化していくのでしょうか?

長井:「実はこんなことで困っている」「こういう商品があったらいいな」っていう声が広がれば、生理用品はどんどん変わっていくと思います。健康志向が広まり、自分の体や体質について知ろうとする人が増えたことによって、少しずつ生理に関する悩みも聞こえるようになってきています。今までは声にならない声を拾い集めて製品化してきましたが、このごろようやくお客様と手をつなげたような気がしています。

第2回は10月9日(水)公開予定です。
(取材・編集:安次富陽子、文:華井由利奈、撮影:大澤妹)

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