TENGAヘルスケア主催セクシャルウェルネスフォーラムレポート(後編)

夫婦間の性行為に対する価値のズレはなぜ起こる?【TENGAヘルスケア】

夫婦間の性行為に対する価値のズレはなぜ起こる?【TENGAヘルスケア】

現代社会が抱える性の問題について考えるきっかけとして、株式会社TENGAヘルスケアが2019年5月21日に開催したセクシャルウェルネスフォーラム。その中で行われた、4名の性のスペシャリストによるパネルディスカッションの様子を、前後編に分けてお届けします。

前編では、性欲はあってもセックスできないという男性の切実な悩みに関する議論を紹介。続く後編では、女性の性欲とセックスのあり方の関係、そして誰もが性に悩まない社会の実現に必要なことについて考えます。

(左から)永井先生、辻村先生、OliviAさん、後藤さん

(左から)永井先生、辻村先生、OliviAさん、後藤さん

【登壇者】
永井敦(川崎医科大学 泌尿器科 教授) 
辻村晃(順天堂大学医学部付属浦安病院 泌尿器科 教授) 
OliviA(ラブライフアドバイザー)
後藤宰人(週刊現代 記者)

女性の性欲衰退の一因は閉経時のセックス離れ

続いてピックアップされたのは、女性の性欲と性機能の年齢による推移を表したグラフ。男性とはまったく異なり、性機能にはほぼ衰えが見られないものの、性欲は40歳頃から減少。50代後半にもなると、かなり低くなっています。

画像提供:TENGAヘルスケア

画像提供:TENGAヘルスケア

オリビア:一般的に「30させごろ、40しごろ、50ござむしり」と言われますよね。30代は男性にセックスさせてあげる時期で、40代になると女性もしたくなって、50代は“ござをむしる”くらい気持ちいい……という格言ですが、この調査結果を見ると、そんなことはないみたいですね。

永井:女性は閉経のタイミングでホルモンバランスが変化して、膣が固くなるなど、セックスしにくい体になってくるんです。しかし私は、性欲減退の原因は体の変化そのものではないと思います。本当の原因は、パートナーである男性が、女性の体のことをよく知らないこと。女性の体の変化を十分に理解した上で、男性がうまく寄り添えれば、セックスへの気持ちは維持できるはずです。

例えば、週に1回は膣を優しく刺激したり、アダルトグッズを使って体に快感を与えたりといったことですね。女性の体に無理のない範囲で触れ合い、セックスが気持ちいいものだという認識を持ってもらうようにすることが大切。女性の体の変化を受けて、男性が接触しなくなることで、性欲の減退が決定的になるのだと思います。

辻村:閉経の際に起こる体の変化というと、女性ホルモンが減少し、男性ホルモンが優位になることで、ひげが生えるなどといったことも起こります。そうして女性らしさが失われることで、男性がパートナーを異性として見なくなってしまうケースもよく見られます。その後は永井先生のおっしゃるとおり、接触の機会がなくなって、女性のセックス離れが進むという流れです。

永井「触れ合いによって60歳を超えた妻の性欲を維持できている」

後藤:永井先生と辻村先生のお話だと、夫婦が生涯をとおして性的なコミュニケーションをとっていくためには、男性がもっと努力する必要がありそうですね。

永井:実際に私は妻と触れ合う機会を大切にしていて、60歳を超える彼女の性欲を保てているという実感がありますよ。

オリビア:女性の性欲を喚起するために男性が積極的に触れるというのは、女性側から見てもうれしいことだと思います。あと、永井先生が先ほどお話していた、女性に定期的に快感を与えて“セックスは気持ちいいもの”と思ってもらうようにするというのも、とても効果的だと思いました。セックスでいい経験をした女性は、この調査結果よりも性欲を高く維持できるのではないでしょうか。

永井:お互いのことを知り、触れ合う時間を大切にできる夫婦が増えれば、次のパネルの“夫婦間の性行為に対する価値のズレ”もなくなるかもしれませんね。

画像提供:TENGAヘルスケア

画像提供:TENGAヘルスケア

永井:この調査結果を見ると、セックスを夫婦間のコミュニケーションと考えている男性が思ったよりも多くて安心しました。その一方で、女性は年齢を重ねるにつれて、セックスは不要なものと思っているようですね。そう答えた女性の多くは、セックスを苦痛に感じているのではと想像します。

オリビア:男性の多くがセックスをコミュニケーション手段として捉えているのに、これだけ女性が拒絶反応を示すとなると、男性はセックスでコミュニケーションをとろうとしているものの、実際はうまく通じ合えていないのではないかと思いますね。

後藤:そう考えると、25〜34歳の男性の多くが、セックスを性欲解消の手段と答えていることが気になります。もちろん、セックスは性欲解消の手段としての意味もありますが、やはりパートナーとの大切なコミュニケーション手段であると思うんです。愛情を交換し合ったり、絆を深めたり、安心感や元気をもらったりといった行為ですよね。若いうちにその認識をもてないと、性欲解消のためのセックスしかできなくなってしまうのではないでしょうか? すると、自ずと男性本位なセックスになって、女性は「NO」を突きつけるのでしょう。

永井:セックスというと、どうしても男性が勃起して射精することをゴールに据えてしまいがち。でもそれだけではなくて、射精せずに触れ合うこともセックスであり、価値があるんです。どちらがいいというよりは、バランスではないかと思いますね。コミュニケーションとしてセックスするなら、女性の満足も考えるべきでしょう。

“いいセックス”をしようと堂々と言えるように

後藤:人生100年時代がやってくるこれから、年齢を重ねてもずっと性を謳歌するためには、お互いが満足できる“いいセックス”ができることが重要だと思います。そのためには、男女ともに性について正しい知識を身につけることが必要。しかし、今の日本では性に関する情報はタブーとされていて、それによって不適切なマスターベーションによる射精障害に陥る男性が多いことも問題になっています。性別や世代を問わず、性に悩む人がいない社会をつくるためには、もっとオープンに性を語れるようになることが必須だと思いますね。

永井:科学的に見ても、性生活の充実は、安寧や幸福につながるというデータが出ています。この事実をもっと啓発していくことで、社会全体の性に対する考え方が変えていきたいですね。性について考えることも、セックスを楽しむことも、何も恥ずかしいことではありませんから。

辻村:勃起力を維持する努力をすれば、寿命が伸びる可能性があると言われているくらい、性は私たちの健康と密接に関係しています。性を単に生殖能力と捉えるのではなく、心身の健康を支えるカギと考えてほしいですね。

(構成:中島香菜、編集:安次富陽子)

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