スーパーに並ぶちょっと高級そうな食品や輸入雑貨店に並ぶオシャレなパッケージの海外食材……。興味はあるけれど、「どうやって食べればいいかわからない」「最後まで使い切れるか心配」とひそかに思っている人は少なくないのでは? 食文化研究家のスギアカツキさんに、誰でも気軽に楽しめる取り入れ方をご紹介いただきます。
手軽な朝ごはんとしてすっかり定番になりつつあるのが、「シリアル」。その中でも最近特に目立つ存在として注目されているのが、「オートミール」ではないでしょうか? 今では大概のスーパーやドラッグストアで見かけるようになり、それらのおしゃれなパッケージを見て、(そろそろ自分もチャレンジしてみたいな……)と考えている方は少なくないでしょう。

「食物繊維」、「糖質オフ」、「ごはんのような甘み」など、気になるキーワードがいっぱい並んでいます。しかし、一体どのようにして食べるのでしょうか?
オートミール人気の理由は、コロナ禍によるライフスタイルの変化(在宅・巣ごもり)や家事疲れなどが背景となる中、「少しでも栄養を整えたい!」という健康意識の高まりが大いに影響していると考えられます。また、オートミールが現代人の不足しがちな栄養素(食物繊維・鉄分など)を手軽に補強してくれる能力を兼ね備えていることも特筆すべきポイントです。
しかしながらこのオートミール、他のシリアルと比べて甘く味付けされていないものが一般的であるため、ヘルシーな反面どのように食べたらよいのかわからないで悩んでいる方もいるはず。結論から申しあげれば、ひとくくりにオートミールと言ってもさまざまな種類が登場しているので、自分好みのタイプをしっかり選べば、継続性のあるヘルシーごはんを実践できるということ。決して難しくありませんから、さっそくポイントをいくつか押さえながら、ご案内していくことにしましょう!
オートミールの基本は、「ロールドオーツ」

最もシンプルなオートミール。ロールドオール
オートミールとは、イネ科のオーツ麦(えん麦)を蒸してローラーでフレーク状にした食品のこと。食べやすく消化しやすいように加工された状態のオーツ麦は、「ロールドオーツ」と呼ばれています。大概のオートミールはこのロールドオーツのことで、甘味料や食品添加物を使わずにナチュラルな状態でパッケージされ、乳製品や果物などと合わせて食べるのが一般的。まずは栄養面での主なメリットを押さえておきましょう。
①カロリーや糖質が控えめである→ダイエットに!
1食あたりの白米や食パン、コーンフレークと比較した場合、カロリーと糖質が最低値。いずれの値も白米の半分以下であるため、ダイエット中の主食としてもオススメです。
オートミール(1食30g):105kal、17.9g
白米(茶碗1杯150g):234kcal、55.7g
食パン(6枚切り1枚):149kcal、27.8g
コーンフレーク(1食60g):152kcal、33.4g
②食物繊維(βグルカン)が豊富である→腸活に!
オーツ麦の100gあたりの食物繊維量は、白米の約19倍、食物繊維が多いとされる玄米の約3倍。善玉菌のエサになって腸内環境を改善する“発酵性食物繊維”が豊富であるため、腸活になる主食として注目されています。
つまり、栄養面や手軽さにおいて非常に優れていることがわかります。しかし、ヘルシーライフを継続させる上で最も重要なのが、“おいしく継続できるか?”という視点。実は、オーツ麦には特有のえぐみや臭いがあり(商品によって程度は異なる)、それが苦手で取り入れられなかったという声も聞こえてきます。
そこで今回、声を大にしてお伝えしたいのは、最近そんな悩みを解消してくれるような“おいしいオートミール”が登場しているということ。つまりオートミールと言っても、外見・味において工夫・改善されたアイテムが続々発売されていて、好みに応じて選べる環境が整ってきているのです。そこでここからは、オートミールとおいしく付き合うための3つの選び方・食べ方をご紹介。皆さんそれぞれが気に入るタイプは一体どれなのかを探してみてください!

オートミール商品をじっくり見ていくと、さまざまなタイプを発見することができます。
【タイプ①】加熱不要で一晩置くだけ!「オーバーナイトオーツ」

アーモンドミルクで作った「オーバーナイトオーツ」
従来のスタンダードな食べ方として推奨されてきたのが、「オートミール粥」。いまいちしっくりこない人にオススメしたいのが、「オーバーナイトオーツ」です。オートミール大さじ5(約30gで一食分)を入れて、その約2倍量の液体を加えましょう。注ぐ液体は牛乳、豆乳、アーモンドミルク、オーツミルクなどお好みで選べばOK。オートミールの臭いが気になる人は、コーヒー飲料やミルクティーなどでトライしてみてください。一晩置くだけでとろりとした食感となり、フルーツやナッツをトッピングすれば、スイーツ感覚でオートミールを楽しむことができます。
【タイプ②】レンチンしてお米の代わりに食べる「オートミールごはん」

電子レンジで加熱するだけで作れてしまう「オートミールごはん」
続いては、ごはんを食べる代替としてオートミールを味わう方法です。例えば、ケロッグから発売されている「粒感しっかり オートミールごはん」は、ズバリの商品。一食分のオートミールを耐熱ボウルに入れて、水を加えて電子レンジで加熱するだけで、ごはんのような粒感やふっくらモチモチ食感を楽しむことができます。これ、シリアルでは満足度が低いという人には是非チャレンジしてみていただきたい調理法で、いつものおかずやカレーなどと一緒に味わうことができます。
【タイプ③】おいしく調合されたベイクドタイプを選んで、「シリアルボウル」として味わう

カルビー「ベイクドオーツ」に旬のフルーツとギリシャヨーグルトを合わせています。
最後は、私が最も気に入っているオートミールの選び方。シンプルなロールドオーツではなく、グラノーラのように香ばしく焼きあげたタイプの「ベイクドオーツ」が、カルビーから登場しています。このタイプを指名買いすれば、いつものシリアルボウルのような感覚で味わうことができますし、ナッツやフルーツも入っているので、親近感を持って食べることができるでしょう。その日の気分や季節によって果物を変えたり、たんぱく質を強化するためにギリシャヨーグルトを合わせれば、飽きずに安定したオートミール生活を続けることが可能です。
本日の美食・成り言葉
オートミールは一つにあらず。自分の好みに合うタイプを見つけましょう!