家モチ女子は、お嫌いですか? 第4回

「郊外から電車通勤」vs.「都心の7坪ハウス」家モチ女子が選んだ究極の贅沢

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る
「郊外から電車通勤」vs.「都心の7坪ハウス」家モチ女子が選んだ究極の贅沢

「「家モチ女子」は、お嫌いですか?」
の連載一覧を見る >>

アラフォーまで自由気ままに生きてきたオンナおひとり様が、4000万円のローンを抱え込んで都内に小さな一軒家「7坪ハウス」を建てた——。

その結果、私の身に起きた最大の変化は、「意外にも、地に足がついた(笑)」だったという話を前回書いた。つまり、自分の欲望の赴くままにフワフワと生きてきたこれまでの人生で、初めて「自分の足で歩いている」という感覚を持てたのだ。

地に足がつく。マンションのような宙に浮いた空間を買うのと、10坪とはいえ土地にぴったりくっついた空間を買うのとでは、何かが違うのだ。そりゃ、一軒家に住めば、物理的に足は地面に接しているけれど、もちろん、それだけじゃない。何か心のありようそのものが変化した。

今回は「オンナおひとり様で都内に一軒家を立てる」という無謀なプロジェクトの中で、最大の難関だった「土地探し」について書いてみたい。

車2台分、たった10坪の土地を2000万円で買うに至った経緯とは?

1階から2階まで吹き抜けになっている塚本邸。7坪の家でも足を踏み入れると、不思議な開放感がある。

1階から2階まで吹き抜けになっている塚本邸。7坪の家でも足を踏み入れると、不思議な開放感がある。

不動産屋に騙されたらどうしよう…

土地を買って家を建てる。

最初にするべきは、土地探しだ。

実は家を建てる過程のなかで、一番やっかいだったのがこの土地探し。唯一と言っていいくらい、オンナひとりで家を建てる不安や心細さを感じた場面だった。

「オンナひとりで土地を探しているなんていって、まともに対応してくれる不動産業者がいるんだろうか…対応してくれたとしても、ちゃんとした土地を紹介してくれないかもしれない……ぼったくられたらどうしよう………家を建てられないような土地を売りつけられる可能性もゼロじゃない…………いや、私は絶対に騙される!」

行き当たりばったりで適当に人生を送ってきたのに、珍しく慎重になっている自分がいた。これまでに使ったことのない桁のお金が動くのだから、当然のこと。資産家でもあるまいし、数千万円の買いものになんら不安やためらいがなかったら、それこそおかしい。

そこで私は土地探しをする前に、土地探しから家が建つまで、さまざまな疑問に対応してくれるコーディネーターを探すことにした。これまでの人生、大したトラブルもなくやり過ごしてきたものの、自分の判断力にはあまり自信がない。そんな時はプロに頼るのが一番だ。

そうして見つけたのが、「Boo-Hoo-Woo」という会社だ。この会社は不動産会社でもあり、家のデザイン会社でもあり、家づくり全般のコーディネート会社でもあった。担当者が直接土地を探したり、どのような家を建てられるか購入前にシミュレーションしたりしてくれるという。願ってもいない救世主の登場だ。これで心配なく安全に家づくりに臨める。

電車通勤は絶対イヤ!10坪でも都心がいい

2010年9月末、土地探しがスタートした。Boo-Hoo-Wooの担当者・Mさんからは、条件に見合った図面が断続的に送られてくる。

土地探しにあげた条件は、以下の通り。

・2000万円前後
・10〜15坪
・会社(池袋)に自転車で通える
・交通の便がいい(駅近)
・静かだけど、それなりに人通りがある

正直、条件をあげればきりがない。少しでも広いほうがいいし、そのうえでなるべく安く購入したい。交通の便がよく、駅近がいいけど、なるべく緑の多い場所がいい……。

私が探していた地域だと、坪単価がだいたい200万円前後という認識だったので、2000万円程度を土地代として、10坪の土地しか買えない。

少し郊外にいけば、同じ金額で30坪の土地が買えるかもしれない。ましてや、実家の茨城県(東京への通勤圏内)だったら、最寄りの駅まで徒歩10分で、80坪の土地に30坪の家までついてくる。実家に帰った時にそんな広告を見てしまうと、「田舎ならこんな広い家つきの土地が買えるのに、都内だと車2台分の土地だけか……」と、気持ちがぐらつくことも実はあった。

でも結局行き着く答えは、「会社勤めをしているうちは、やはり都心に住みたい」ということ。家を買おうと決めるまでの約10年間、都心に住みながらも、ほぼ通勤ラッシュの電車に乗らずに過ごしてきた。出勤時間が若干遅かったのと、会社まで自転車で通える距離に住んでいた時期が長かったことが理由だ。今さら通勤ラッシュに乗る気力はないし、1時間も電車に揺られて会社に通うなんて考えられなかった。贅沢と言われようが、こだわり抜きたいポイントだった。

となると、必然的に「狭い土地」に「狭い家」を建てることになる。

「終の住処」じゃないから駅近

都心の場合、どんなに土地が狭くても、交通の便がいい(駅近)という条件は結構ハードルが高い。賃貸でもそうだが、多少沿線を下っても、駅近では大きく家賃は下がらない。ましてやマンションではなく土地を買うとなると、それこそ駅近は商店街などでそうそう売地は出てこない。

しかし、交通の便がよいというのは譲れない条件だった。もちろん、自分が住むうえで便利ということはあるけど、家を持つこと=終の住処という感覚が乏しかったことも理由の1つだ。結果的にどうなるかはさっぱりわからないけど、将来的に賃貸に出したり、売ったりする際、交通の便のよさはかなりプラスになると思うのだ。

さらには「静かだけど、それなりに人通りがある」というのは、ゆくゆくお店をやりたいという夢のための条件。実際に土地を探しはじめてみると、この付属のような条件が意外に難問だった。

2010年10月、11月の2ヵ月で、十数軒の候補地をあげてもらい、実際に見に行ったのは6軒だ。そのうちの4軒は住人以外、ほぼ人通りはないであろう住宅街。普通に暮らすには静かでよい環境だけど、偶然通りかかった人がぶらりとお店に立ち寄ってくれるということは皆無な地域。もう1軒は人通りや車通りは多いけど、日常生活をするには騒々しい場所。

本当にお店をやるのかどうかも疑わしく、まったく気持ちが定まっていないのに、そんなことを必要以上に気にしている自分がおかしかった。「いったい私の土地探しのプライオリティは何なんだ?」という心もとなさ。常に軸はぶれまくっていた。

家を建ててから間もなくして会社を辞め、本当に始めてしまった北欧雑貨のお店Fika。

家を建ててから間もなくして会社を辞め、本当に始めてしまった北欧雑貨のお店Fika。

本当に買うの?

ところが、現在のわが家の土地を図面で見た時、なぜか「ここに決めるかもしれない」という予感があった。それはなぜなのか? 正直わからない。実際に見学してみたら、図面だけではわからないマイナス点も目についたが、やはりここがいいと思った。

最初は感覚的なものに過ぎなかったけど、条件はほぼ満たしている。さらには条件にはあげなかった利点「角地なのがいい」「南向きなのがいい」「街全体が商店街な感じもいい」と、プラスな点が多々見えてくる。それまで見学した土地は、見た途端にどうやって断るかばかりを考え、マイナス点ばかりを探していたのに。

とはいえ、なんだか現実感のないフワフワした頭で、「本当に買うの?」「探せばもっといい土地が見つかるかもよ」と引き止めている自分もいる。たかだか10坪の土地に、融資を受けてまで2000万円を投入する価値があるのか。「都心に土地を買って、家を建てる」ことは、私の中で確定事項になっていたけど、まだまだ気持ちは夢見心地だった。

(塚本佳子)

この連載をもっと見る

「家モチ女子」は、お嫌いですか?

「結婚して家庭を持つ自分をイメージできなくて……」30代まで散々自由気ままに生きてきたおひとり様が、アラフォーにして「都内に一軒家を建てる」と決意。無事に「7坪ハウス」が建つまでの悲喜こもごもを綴ります。

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

「郊外から電車通勤」vs.「都心の7坪ハウス」家モチ女子が選んだ究極の贅沢

関連する記事

編集部オススメ

仕事と恋愛、キャリアとプライベート、有能さと可愛げ……女性が日々求められる、あるいは自分に求めてしまうさまざまな両立。その両立って本当に必要?改めて問い直すキャンペーンが始まります。

後悔のない30代を過ごしたい。ありとあらゆる分野のプロフェッショナルに、40歳から自分史上最高の10年を送るために「30代でやっておくべきこと」を聞いていきます。

記事ランキング