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ハッピーチケットをアンハッピーと交換してしまうわたし【川村エミコ】

ハッピーチケットをアンハッピーと交換してしまうわたし【川村エミコ】

「今日も今日とて、もがいてます」
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お笑いコンビ「たんぽぽ」の川村エミコさんによる連載「今日も今日とて、もがいてます」がスタートしました。川村さんの日常に巻き起こる小さな出来事から、衝撃の事件(!?)まで。川村さんのユニークな視点で綴っていただきます。今回は誕生日プレゼントにまつわるあるハプニングについて……。

誕生日プレゼントの期限当日、事件勃発

皆さん、こんにちは。川村エミコ、41歳です。12月生まれなので、半年ほど前に誕生日を迎えたのですが、こんなご時世なので、プレゼントはオンラインでやりとりできる「コーヒーチケット」をいただきました。
 
某コーヒーショップのドリンク700円チケットとフード300円のチケットが合計10枚。この半年で使ったのは5枚。スマホに残っているのも5枚。ふと気になって期日を確認すると、その日は期限当日! 根っからの“もったいない病”、貧乏性の私はすぐさま珈琲ショップに駆け込み、5枚一気使い!を試みました。そこで事件勃発です。
 
超過分の料金を払わずに使いたかったケチンボエミコは、アイスコーヒーとアイスキャラメルラテの1番大きいサイズにショット追加で、ドリンクチケットを各700円以内に収めるカタチで使い、フードチケットは「このチケット内で購入できるものはどれですか?」と店員さんに質問をしました。
 
「抹茶のバームクーヘンのみになります」と店員さん。3つ同じなのが気になるエミコは質問を重ねます。
 
川村「ショーケースの中のモノは無理ですか?」

店員「無理です!」

川村「はぁ、そうですかぁ。そしたら、これ3つで」
 
と言われたとおりにチョイス。会計を終えてドリンクの受け取りを待っていると、隣のレジのおじちゃんが同じチケットでショーケースの中のモノを選んでいるじゃないですか!
 

ダメ元で聞いてみたけれど…

今思えば、おじちゃんのそんな姿を見なければよかったんです。見てしまったせいで、ショーケースの中にも300円以内のフードがあると、私は気づいてしまったのです。

しかし、会計を済ませた後なので、時すでに遅し。
 
(でも、ダメ元で言ってみようかなぁ……)
 
諦めきれないエミコは、ドリンクを待っている間悩みました。
 
(聞くのはタダだもんなぁ……。お客さんも少ないし。よし! 聞いてみよう!)
 
私はもう一度レジに並び、同じ店員さんに「ショーケースの中も300円以内で使えるみたいなので、抹茶のバームクーヘンを変更したいのですが、可能ですか?」と声をかけました。
 
すると、彼女は一瞬「むむ……」という顔になり「テイクアウトとでは値段が変わりますから!」と、強めの調子。
 
確かにテイクアウトとイートインで値段が違うのはそうであるが、私は初めからテイクアウトでドリンクを注文してからのフードの質問をしたわけである。その言い分、ちょっとおかしくないですか?
 

「間違えましたぁ!」と叫ぶ店員、固まる私

こちらも「むむ……」と思いつつ、「やはり変更は難しいですか?」と聞くと、トラブルの火種を察知したのか、先輩店員(おそらく)がどこからともなくスッと現れました。

私は最初から説明をしました。「追加料金なしでチケットを使いたくて、使えるフードを質問したところ、バームクーヘンのみだと言われたのですが、ショーケースのものも大丈夫だとわかったので、可能であれば変更を……」のところで後輩店員が声を荒げました。
 
「すみませんでした! 私が申し訳なかったです。間違えましたぁー!!」
 
「え!」一瞬その場の空気が止まりました。
 
こちら、びっくりです。ただ単に「変更できたら変更したいです」くらいのことなのに。大げさに謝罪することで、私をクレーマーに見せる戦法かなぁととっさに思いました。5ため息ポイントです。(本当にため息を吐くとさらに悲しくなるので、ポイント制で考えるようにしています)
 
少しの沈黙の後、先輩店員さんが何事もなかったかのようにキャンセルと変更の対応をしてくださいました。その間「ドリンクも変更しますか?」と3回聞いてくれました。3回です。
 
心の優しい素直な人は、ドリンクにまで気を遣ってくれて優しいな、ありがたいなと思うのでしょう。しかし、私は真っ直ぐにひねくれているのです。
 
真っ直ぐにひねくれているので、「案内ミスではなく、会計後に気が変わった面倒な客」にしようとしているのではないか!と思い浮かぶわけです。モヤモヤモヤ……コップの水にインクを落としたようなモヤモヤが広がります。

こうして、無事に変更はできましたが、どろっどろっとした濁った水の中のような、動きづらくなるダイダラボッチの液体のようなものを身体に纏いながら帰宅しました。
 

どろっどろっの気持ちで使い切ったチケット

帰宅して変更してもらったクッキーとバームクーヘンをモリモリ食べましたが、「あー、おとなしく抹茶バームクーヘンのまま、帰宅しておけば、あんな気持ちにならなくて済んだのになぁ」と悶々と考え続けました。10ため息ポイントです。
 
みんなからお祝いでいただいたハッピーチケットをどろっどろの気持ちになるこんなカタチで使い切った事を後悔しながら、根っからの“もったいない病”、貧乏性エミコちゃんは綺麗に食べ切り、飲み切りました。
 
そのダイダラボッチの中身のような気持ちごと、身体の中に飲み込んでやりました。
 

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鈍臭さと運の悪さのミックス

こんなアンハッピーな出来事からはじめてしまいましたが、私の人生「何がどうして、こんな事に!?」みたいなことが頻繁に起こります。
 
たとえば、コロナ前、居酒屋での飲み番組に呼んでいただいたときのことです。その日は2本撮りで、2本ともに呼んでいただいておりました。
 
1本目の居酒屋さんでの収録が終わり、その店のトイレに並んでいたら、突然足に鉄の塊が落ちてきました。ハッとして見るとダッチオーブンでした。ドンっ!という鈍い音とともに私はその場でうずくまり、そのまま病院へ。2本目の収録は参加できませんでした。
 
このときも「あーなんで私はあのときあのタイミングでトイレに並んでしまったのだろう。私の膀胱め!」と自責を繰り返すうちにダイダラボッチのどろっどろの身体の中身に包まれた気分になり、水中を動くように、動きがさらに鈍くゆっくりになりました。
 
この場合、私は一切合切悪い部分はないはずなのですが、『基本、身に起こる全てのことは自業自得』の考えが根付いているので、「トイレに行きたくなった自分」を責めるわけです。それでダイダラボッチです。
 
あと今年に入りこんなこともございました。
 
ある美容整形の病院で私の写真が——少女Aばりに目を隠した状態で——、「これが数年後悲惨なことになるブルドッグ顔の代表です」と載っていたのです。目の部分が隠れていても、取材のときの私の写真だと誰の目にも明らかでした。「ブルドック顔で検索したら、トップ画像で出てきましたよ!これ川村さんですよね?」と知人が教えてくれました。
 
「なんてこったい!」です。「川村なら大丈夫だろ」が美容整形の病院側にあったかと思うのです。あと、今年に入って、カード被害に遭いました。2枚同時にです。これは全て私がいけないのですが、フィッティングルームに音がよく似たそう!フィッシングメールに引っかかり、総額40万円ほど使われそうになりました。カード会社さんが止めてくださったので、カード会社さんさまさまです。
 
予期せぬ、自分では回避しづらいできごとと完全なる自分の鈍臭さからなるできごととが結構な頻度で起こります。
 

生きるのが下手なタイプです

今日も今日とて、もがいています。
 
モガモガしています。モガモガってちょっと可愛くしてみましたが、リアルは泥くさいったらありゃしないです。
 
生きるのが下手なタイプです。年齢を重ねたら、ちょっとずつ生きやすくなったりするんじゃないかしら? と大学生になった頃思っていましたが、ところがどっこい丸です。どっこい丸は生きづらさの大海原をどんどこどんどこ突き進みます。その先に安住の地などないのに。41歳になった今日も、心の糸がこんがらがって解けない気持ちになり、ダイダラボッチのどろっどろにどっぷり身体全体を浸かってしまいます。
 
そんな私の日々の生活を記録する「今日も今日とて、もがいてます」。

本日より始まります。

皆さま、よろしくお願いします。

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