私の“初めて”を捧げる「絶対失敗しない旅先」 第5回

コーヒーの聖地・ポートランドを訪ねる。“サードウェーブ系男子”と最高の1杯を

コーヒーの聖地・ポートランドを訪ねる。“サードウェーブ系男子”と最高の1杯を

32歳にして海外バージン(海外旅行未経験者)のウートピ編集部Y子。

このままもったいぶるのは嫌! 
さっさとバージンを卒業したい! 
でも、一生に一度だけだから最高の思い出にしたい!

と、わがままを炸裂させるものだから、ウートピ編集部は旅歴25年間に80カ国以上を旅し、酸いも甘いも知り尽くしたトラベルジャーナリスト・寺田直子(てらだ・なおこ)さんに相談。

前回、前々回は、グアムハワイという南国リゾートをお勧めしてもらったY子ですが、次のおねだりは「美味しいモーニングコーヒーが飲みたい!」というもの。そんなわがままY子にお勧めする国は……?

「全米で最も住んでみたい都市」に輝くポートランド

美味しいモーニングコーヒーに憧れる気持ちはなんとなーく、わかります。とっておきの1杯が飲める場所を紹介しましょう。「上質なくらし」にあこがれる、あるいは目指している海外バージン女子好みの場所を。

上質といっても贅沢三昧でお金(だけ)をかけるのではなく、丁寧で人肌を感じるモノや空間に囲まれる暮らし。デジタルも活用するけれどアナログのおだやかな時間軸がたまらなく好き。そんなタイプの女子におすすめなのが、アメリカ・ポートランドです!

ポートランドはオレゴン州に位置し、アメリカ西海岸北部にあります。北上するとスターバックス発祥の地で知られるシアトルが。さらにその上はもうカナダ、そんな環境です。

画像提供:www.travelportland.com

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ポートランドのコーヒーのおいしさは「全米一」と、コーヒーを偏愛する私も個人的に思うほど。人気の独立系クラフトコーヒーショップが多く、それをめぐるだけでも楽しすぎます。最近はネルドリップで一杯ずつ淹(い)れるカフェもあり、これは日本の喫茶店文化から影響されたとか。一杯のコーヒーから話しがはずみ思いがけない出会いへと発展する。そんな妄想もふくらませつつ、しみじみと香り深い自分好みのコーヒーとめぐりあってください。

画像提供:www.travelportland.com

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そして、ここ数年「全米で最も住んでみたい都市」に選ばれるなどポートランドは特に若い人たちに絶大な支持を受ける都市なのです。

理由は暮らしやすさ。ポートランドのあるオレゴン州はなんと消費税ゼロ!

たとえばニューヨークの場合、州税4.375%に加えて市税4.5%が加算されトータル8.875%の消費税が!(州により異なります)これだけでも生活に大きく影響しますからね。そして車社会のアメリカにおいて電車など公共交通機関が充実、また自転車ユーザーへの配慮が整った都市整備で通勤・通学に自転車を利用する人が多いという全米きってのエコシティなのです。

画像提供:www.travelportland.com

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ベジタリアンやヴィーガンのためのカフェやレストランも多く、クラフトビールやコーヒーの名店も多数。周辺に大学が点在する学生街でもあり、在庫100万冊超えを誇る世界最大規模の書店「パウエルズブックス」などアカデミックな環境も魅力。これらは旅行者にとってもうれしい要素です。

ちょっと癖のある男子にハマっちゃう…かも?

ポートランドをイメージする言葉にヒップスターというものがあります。これはなかなか表現が難しいのですが、日本語で言うと「流行に敏感なサブカル系」。一般的な流行をそのまま追いかけるのではなく、あくまでもアナログでちょっとひねった感じが好み。

ぜひHipsterと画像をググってみてください。メガネ、ヒゲ、帽子をトレードマークにした男子たちの画像が出てくると思います。まさしく彼らのスタイルがヒップスター。一見、コワモテあるいは意識高すぎに思いがちですが、実は彼らの志向は「おじいちゃんと一緒」という指摘もあります。

音楽や読書もダウンロードするのではなくレコードや古本を好み、カーディガンやデニムにカーゴパンツなど流行を超越したファッション。カラコンなど見向きもせずビンテージっぽいセルフレームの眼鏡をこよなく愛する。もちろんそこには自分らしいこだわりがあるので、個性的で味わい深い雰囲気が見え隠れ。

画像提供:www.travelportland.com

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どんなタイプの女性にもお薦めできるものではありませんが、もし、自分も同じようなライフスタイル、ファッションが好みであれば十分相思相愛の可能性大!ポートランドでさらにそのセンスに磨きをかけることもできるはずです。

海外バージンに嬉しい直行便

日本からポートランドへはデルタ航空が直行便を運行していて所要約10時間。「10時間は遠い!」と思わないで。シンガポールやバンコクだって日本から約7時間。ハワイだってそのくらいです。ただし時差が日本よりマイナス16時間なので時差ボケ対策はしっかりと。おすすめの旅スタイルはポートランドっ子と同じように「暮らす」感覚で。市内をレンタル自転車で散策しながら人気のファーマーズマーケットやアンティークショップめぐり。疲れたらクラフトコーヒーでひと休み。滞在はぜひ、ACEホテルを。

レトロシックなデザイン性で大人気のブティックホテルです。ロビーにこれもまた人気のスタンプタウン・コーヒー・ロースターズがありイケメンヒップスターたちとの出会いも期待です!

Y子、腰が引ける

「きゃー! ポートランド素敵!」と言うなり、いそいそと「Hipster」を検索するY子。ところが結果を見た途端に黙ってしまい……。

「あ……はい。カッコいいです。いや、うん。おヒゲがワイルドでね。なんていうか、なんていうか……。ゴメンナサイ……。海外バージンの私にはハードル高すぎるカッコ良さです。旅慣れたオンナでないと、話かけられないんじゃないかなーなんて……」

びびって完全に腰が引けているY子。寺田さん、もう少しワイルドなんだけど、マイルドな国を教えてください!

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