DJあおいの「私は仕事ができない。」task63

「我慢の美学」を押し付けないで “大人の対応”って何だろう?【DJあおい】

「我慢の美学」を押し付けないで “大人の対応”って何だろう?【DJあおい】

DJあおいさんと「仕事がデキること」について考えていく連載「私は仕事ができない。」63回目のボヤきは「“大人の対応”って何ですか?」です。

【今週のボヤき】

この前、いつも元気な後輩が珍しく落ち込んでいました。理由を聞いてみると、チームリーダー(男性)のセクハラがいやで、女性の先輩に相談したところ、「大人なのだからうまく対処しろ。チームの雰囲気を悪くしないのもプロの仕事だ」と怒られたというのです。

後輩の話を聞いたあと、すぐにしかるべき部署に報告してチームリーダーから彼女に謝罪をしてもらったのですが、いまだに件の女性の先輩のような“名誉おっさん”がいるのかと思うと情けなくなりました。“大人の対応”って何でしょうか?

“大人の対応”でやってはいけないこと

「大人なのだからうまく対処しろ、チームの雰囲気を悪くしないのもプロの仕事」。

これは一言一句紛う事なき明らかな正論であり、反論の余地のない言葉だと思います。

問題はその手段、どうやって対処してどのように丸く収めるのかというのが腕の見せどころであり、手腕の問われるところなのですよ。

その手段で最も簡単で最もお粗末な手段が「我慢」をしてしまうこと。なぜ我慢を選んでしまうのかと言えば「それが一番楽だから」なんですよね。

本来ならお互いの主張を差し出し合ってコミュニケーションを重ね、感情的にならずに理性でお互いの理解を深め、チームの雰囲気を守っていくのが正解なのですが、

それって結構な労力と時間を費やさなければならないものですから、ぶっちゃけて言えばめんどくさいんですよね。

「だったら自分一人が我慢をすればいいや、、、」と我慢を選んで泣き寝入りしてしまうわけですが、それは面倒なことを避けた選択であり「対処」ではなく「放置」なのですよ。

めんどくさいことをめんどくさいからといって放置しておくことが最もめんどくさい事態を招くのが世の常ですので、我慢を選ぶと何も伝わらず何も報われずに心身にストレスを蓄積させてしまうだけの悪手になってしまうというわけです。

後輩の勇気に応えるのが先輩の務め

古いタイプのお姉さま方ほど「我慢の美学」を押し付けてくるものなのですが、それって実は美学でもなんでもなくて、「私も我慢したんだからあなたも我慢しなさい、あなたも私と同じように痛い思いをしなさいよ、自分だけ助かろうなんて狡(ずる)いわよ」という旨のものでしかなくて、それはプロとしての助言でもなんでもなく、ただの戯言に等しいものなのですよ。

セクハラ被害を告白することって結構な勇気を必要とするもので、それは信頼できる人でなければ言えないことなんですよね。

その後輩の勇気と信頼に応えてあげるのが先輩の努めだと私は思います。

そこでプロとしての対処を見せてあげるのが「教育」というものなんじゃないですかね。

私には泣き寝入りを強要してくるその先輩がプロとしてあまりにもお粗末に思えて仕方がありません。

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