【美食は一日にして成る。】12

プロが奏でるフランス菓子の祭典がスタート! 今年の夏は「エクレア」を楽しもう!

プロが奏でるフランス菓子の祭典がスタート!  今年の夏は「エクレア」を楽しもう!

スーパーに並ぶちょっと高級そうな食品や輸入雑貨店に並ぶオシャレなパッケージの海外食材……。興味はあるけれど、「どうやって食べればいいかわからない」「最後まで使い切れるか心配」とひそかに思っている人は少なくないのでは? 食文化研究家のスギアカツキさんに、誰でも気軽に楽しめる取り入れ方をご紹介いただきます。

日本に暮らす私たちにとって、「フランス菓子」はいつだって憧れの食べ物。宝石のような美しさとアートのような自由さは、時代とともに進化しながら、私たちに食べる喜びを実感させてくれる存在ではないでしょうか。特に日本においては和の食文化や作り手の解釈も加わることで、独自の世界観を楽しむことができます。

先日私は、「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2023」というイベント発表会に参加してまいりました。このイベントは、今年で3回目を迎えるフランス菓子の祭典。日本全国のパティスリー・ホテル・レストラン225店舗が参加して期間限定で6月30日から開催されます。

発表会でデモンストレーションをする菅又亮輔氏(Ryoura(リョウラ))

ここでは毎年お菓子のテーマが決められているのですが、今年は「エクレア」。注目のスターパティシエたちが腕を振るい、十人十色のエクレアが登場します。発表会ではその一部がお披露目され、プロのエクレアを実食。私はエクレアの多様性と可能性に深く感動しましたので、今回はエクレアの魅力を少しでも多くご紹介してみたいと思います。

エクレアの名前の由来は「稲妻」

コンラッド東京の「エクレアセレクション」2,500円(税込)

エクレア(フランス語:éclair)の起源ははっきりとはしていないものの、一説によれば19世紀フランスで 「シェフの王」と呼ばれたアントナン・カレームがその原型を作り、その後今の形になったと言われています。名前の由来は、稲妻が落ちるのと同じぐらい一瞬で食べられてしまうことから「稲妻」=フランス語で「エクレア」とつけられたそう。フランスの菓子店ではもっとも基本的な菓子であり、近年はパティシエの個性が反映されるスイーツのひとつにもなっています。

さあ、前置きはこのくらいにして、今回登場するエクレアをご紹介していくことにしましょう。まずは、「コンラッド東京」(東京都港区)の「エクレアセレクション」。異なる味わいの3種類のエクレアを楽しめる特別なセットで、甘味と酸味がほど良いベリー、香ばしいピスタチオ、濃厚なチョコレートをそれぞれカスタードクリームやホイップクリームと合わせた作品に仕上がっています。

ショコラ専門店、京都から初参戦のエクレアも…

ル・ショコラ・アラン・デュカス 六本木の「エクレール・ショコラ レ・パッション」1,760円(税込)

フランス料理界の巨匠アラン・デュカスが手掛けるショコラ専門店「ル・ショコラ・アラン・デュカス 六本木」(東京都港区)の「エクレール・ショコラ レ・パッション」です。幾何学模様のショコラを大胆に飾ったエクレア。サクサク食感のクランブルを乗せて焼き上げたシュー生地の中にはキャラメルとマダガスカル産75%と100%のショコラクリーム、パッションフルーツのコンフィ、香ばしくキャラメリゼしたピーカンナッツが入っています。

長楽館の「桃のエクレア (シャンパン/スパークリングワイン付)」2,750円(税込)~

今回初参加となる、京都・東山のデザートカフェ「長楽館」の「桃のエクレア」です。ミントの香りを纏(まと)った白桃のゼリーと焦げ目を付けた赤すぐりのイタリアンメレンゲが繊細な作品。香ばしく焼き上げた生地の中にバニラクリーム、赤すぐりとラズベリーのジャム、ローストしたナッツのペーストが。ナッツのコクと香ばしさがアクセントになっています。

パリのトレンドは「ヘルスコンシャス」

パーク ハイアット 東京の「エキゾティックフルーツとトンカ豆のエクレア」980円(税込)

発表会では「パーク ハイアット 東京」(東京都新宿区)エグゼクティブ ペストリーシェフのジュリアン ペリネがデモンストレーションに登場。完成したのは、「エキゾティックフルーツとトンカ豆のエクレア」です。焼き上げたシューに、マンゴー、パッションフルーツとバナナのクリームを詰め、トップになめらかなマスカルポーネクリームとパイナップル&マンゴーのチャツネをあしらいました。香り高いトンカ豆のパウダーをふり、夏らしくエキゾティックなテイストに仕上げています。

ジュリアンシェフはフランス出身。先日も2週間ほど滞在していたそうで、パリの最新トレンドを聞いたところ、グルテンフリー、シュガーフリーといったヘルスコンシャスなスイーツが人気になっていることを実感しました。パリにはエクレア専門店があり、斬新な発想で作られた高級路線のエクレアもたくさん登場しているそうです。

東京・用賀の人気店は初のお酒入りのエクレアを披露

Ryoura(リョウラ)の「エクレール・ラム レザン」620円(税込)

「パーク ハイアット 東京」のジュリアンシェフ同様に発表会でデモンストレーションを行った東京・用賀の人気店「Ryoura(リョウラ)」の「エクレール・ラム レザン」。

菅又亮輔シェフは、「エクレアは形状的に想像しやすいお菓子であり、手に取りやすい魅力があるので、Ryouraではさまざまな素材を生かしたエクレアが常時店頭に並んでいます。今回は初めての取り組みとして、お酒を使用したエクレアを作りました」と丁寧に解説してくれました。レーズンはシェフ自身も大好きな素材で、ふんだんに使われています。

全国で225店舗が参加!気になる店舗のエクレアをチェック

今年で3回目を迎えるスイーツの祭典「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク 2023」。は昨年より60店舗以上多く、パティスリー、ホテル、レストランなど全国で225店舗が参加します。人気パティシエが今年のテーマである「エクレア」に基づいたオリジナルスイーツを創作、各店舗で提供する予定です。さあ気になったみなさま、近所の店舗や気になる店舗に出掛けてみてはいかがでしょうか?

【イベント概要】
「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2023」
https://www.francepatisserieweek.com
・開催期間:2023年6月30日(金)〜7月30日(日)
・参加店:https://www.francepatisserieweek.com/pastryshops
・Instagram:@france_patisserie_week
・Twitter:@fp_week
・Facebook:@fpweek
・主催:フランス パティスリーウィーク事務局
・特別後援:在日フランス大使館
・特別協賛:ダイナースクラブ(三井住友トラストクラブ株式会社)

本日の美食・成り言葉
今夏限定のエクレアを、美しく、おいしく。稲妻のように一瞬ではなく、思う存分ゆっくりと楽しみましょう。

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