【美食は一日にして成る。】⑥

本番は当日だけじゃない…! クリスマスまで楽しむお菓子とは?

本番は当日だけじゃない…! クリスマスまで楽しむお菓子とは?

当日だけじゃない! クリスマスまで楽しむお菓子とは?

もうすぐクリスマス。今年は家族やパートナー、気の置けない友人や知人としっかりクリスマスを楽しみたいと心を躍らせている人も少なくないでしょう。皆さんはクリスマス前のシーズンをどのように楽しんでいますか? 

ここで私がオススメしたいのは、海外で長く愛されている“伝統的なクリスマス菓子”をゆっくり味わうというご提案。日本ではイブやクリスマス当日に、フレッシュな生ケーキを食べるのが長らくの定番でしたが、最近ではクリスマスを迎えるまでのアドベント期間に楽しむ海外のクリスマスフードも注目されてきています。

そこで今回は、イタリアやドイツを起点として世界中で愛されている4種のクリスマス菓子(パネットーネ、パンドーロ、シュトーレン、レープクーヘン)をクローズアップ。イタリア食材専門店として有名な「イータリー」と、創業117周年を迎える老舗ベーカリー「ドンク」にクリスマス菓子を楽しむコツについても聞いてまいりましたので、合わせてお伝えしていきたいと思います。

※冒頭写真:本場イタリアのパネットーネとパンドーロ(イータリー)

1 パネットーネ(イタリア)

クリスマスパネトーネ(ドンク)2,200 円
創業50周年を迎えた老舗菓子店「サンレモ」から元種を毎年譲り受け日本で製造している。

「パネットーネ(Panettone)」とは、イタリアのクリスマスには欠かせないミラノ発祥の発酵菓子。クリスマスが近づくと、菓子店や食料品店は美しくラッピングされたパネットーネが積み上げられ、街中が華やかに彩られます。

主な原材料は、小麦粉、天然酵母、卵、バター。定番としてはレーズンやオレンジピールなどのドライフルーツが入っていますが、近年ではマロンやチョコレート、レモンクリームなどが使われている現代的なフレーバーの商品も登場しています。酵母で発酵した特有の甘い香りやしっとり柔らかな食感は心に残る味わいで、日本ではイタリアンスイーツブームの影響もあり例年以上に人気が高まっています。

ヴェルガーニ パネットーネ/クラシック缶(イータリー)をくし切りにカットしたもの。芳香感に満ちたリッチな味わいは、一度食べたら心をつかまれるはず。

食べ方としては、タテ方向のくし切りにカットすればOK。パーティーやティータイムが優雅にはじまります。パネットーネと相性の良いドリンクをイータリーに聞いてみたところ、コーヒーの他にもスパイスの効いたハーブティや、モスカートなどのアロマティックな甘口微発泡ワインがオススメで、店内ではペアリングの相談にも対応してくれるそうです。

2 パンドーロ(イタリア)

パンドーロ(中)(ドンク)1,200円
パネットーネ同様、約40年にわたって毎年現地で種継ぎをしている元種(リエヴィト・マードレ)を使い、水を加えずに牛乳、バター、卵黄を使い香り高く焼き上げている。

「パンドーロ(Pandoro」)とは、北イタリアの街ヴェローナが発祥とされるクリスマスの発酵菓子パン。原型は「ナダリン」と呼ばれる星型の焼き菓子と言われています。背高の星型であることや、卵とバターをたっぷりと使った柔らかくて甘い生地が特徴的。

ヨコ方向にスライスした生地に粉砂糖をふり、カスタードクリームとお好みの果物を添えてみました。わが家ではこのスタイルが人気です。

食べ方としては、パネットーネ同様にタテ方向に切り、食べる前に付属の粉砂糖をたっぷりふりかけるのが定番ですが、星型を楽しむためにヨコ方向にスライスしてクリームや果物を添えれば、豪華なデザートプレートが完成します。他にもヨコスライスのアレンジとして、スライスした生地をずらして重ねて作る「パンドーロツリー」も豪華な存在感を演出できます。

3 シュトーレン(ドイツ)

シュトーレン(ドンク)1,800円
ドンクのシュトーレンは口どけが良く、まろやかでバランスの取れた味わいが特徴的。伝統的な製法を守りつつも、よりおいしいシュトーレンを目指して少しずつ手を加えながら約30年もの間作り続けている。

日本でもだいぶおなじみになった「シュトーレン(Stollen)」は、ドイツやオランダで長く愛されているクリスマス菓子。1センチほどにスライスしたものを、キリスト教のアドべント期間中(クリスマス前の約4週間)に、毎日少しずつ食べる習慣があります。ラム酒とブランデーにじっくり漬け込んだ*ドライフルーツのまろやかな風味とシナモン、バニラといったスパイスの華やかな香り、そして贅沢(ぜいたく)に使用したバターのコクが日がたつほどになじみ、まろやかな深い味わいを生み出します。中に入ったマジパンの食感と、ナッツの香ばしさがほどよいアクセントになっています。

*ドンクのシュトーレンについての説明であり、一般的なシュトーレンでは原料や製法が異なる場合があります。

イタリア菓子と比較するとぎっしりとした生地が特徴のシュトーレン。日ごとに熟成度が進んでしっとり濃厚な味わいになるのも面白い。

シュトーレンは焼き上げてからも熟成が進むため、日がたつほどに味がなじんでくるのが醍醐味(だいごみ)の一つ。芳醇(ほうじゅん)でずっしりとした重厚感を味わうために時間の経過を楽しみましょう。食後やおやつとしてコーヒーやお茶、ワインと味わうのが定番です。

4 レープクーヘン(ドイツ)

レープクーヘン 天使、星、ツリー(ドンク)各240円
今年はわが家のクリスマスツリーの主役オーナメントとして輝いています。

もう少し気軽にクリスマス菓子を味わいたい方には、「レープクーヘン(Lebkuchen)」をどうぞ。ドイツではシュトーレンと並びクリスマスを代表する伝統的な焼菓子。蜂蜜やスパイスが効いた焼き菓子で、クリスマスツリーのオーナメントとして飾って楽しむこともできます。

さあ、いかがでしたでしょうか? 最後に、記事内で紹介した以外の逸品を並べてみました。私が実際に食べて心から納得した名品ばかりですので、皆さんのクリスマスを彩るおいしい参考情報になれば幸いです。

今回ご紹介したクリスマス菓子

・ヴェルガーニ パネットーネ/クラシック缶 750g 5,900円 ※イータリーで購入可能

創業から70年以上にわたって伝統的な製法で作られている。石臼で引いた小麦、カラブリア産オレンジピール、マダガスカル産バニラビーンズなど素材へのこだわりも魅力。

・ボニファンティ パネットーネ/マロングラッセ 1㎏ 5900円 ※イータリーで購入可能

1932年、天然酵母を使ったベーカリーとしてトリノ・ヴィッラフランカで創業。特有の甘く芳醇(ほうじゅん)な香りとしっとりと柔らかな生地は感動的。

・トンマーゾ・ムッツィ パンドーロ/クラッシコ 900g 4,200円 ※イータリーで購入可能

1913年から続く創業者のレシピを使用して作られる特別なパンドーロ。別添えの粉砂糖を雪山のようにデコレーションして食べるのが伝統的。

・ボルサーリ パンドーロ/クレーマ・リモンチェッロ 850g 5,200円 ※イータリーで購入可能

ロミオとジュリエットの街として有名なヴェローナで生まれた菓子店。しっとり柔らかなパンドーロ生地にリモンチェッロクリームを加えた爽やかな味わい。

・ドンク シュトーレン 1,800円

ドンクのシュトーレンは口どけが良く、まろやかでバランスの取れた味わいが特徴的。伝統的な製法を守りつつも、よりおいしいシュトーレンを目指して少しずつ手を加えながら約30年もの間作り続けている。

本日の美食・成り言葉
1年頑張ったご褒美に、クリスマス菓子を思いっきり楽しみましょう。

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