【美食は一日にして成る。】⑤

ブームの韓国料理、どう作る? 定番調味料「コチュジャン」の基本と鍋レシピ

ブームの韓国料理、どう作る? 定番調味料「コチュジャン」の基本と鍋レシピ

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スーパーに並ぶちょっと高級そうな食品や輸入雑貨店に並ぶオシャレなパッケージの海外食材……。興味はあるけれど、「どうやって食べればいいかわからない」「最後まで使い切れるか心配」とひそかに思っている人は少なくないのでは? 食文化研究家のスギアカツキさんに、誰でも気軽に楽しめる取り入れ方をご紹介いただきます。

ドラマや音楽、グルメ、美容、ファッション……またまた韓流ブームが到来しています。どうやら第四次ブームなんだそうで、特にグルメにおいては、「ロゼトッポギ」、「プルダック麺」など新たなトレンドフードが続々登場しています。注目メニューは刷新するにせよ、韓国料理を語る上で絶対に欠かせない調味料が、「コチュジャン」。皆さんの中でも名前は知っている、何度も料理は食べているけれど、一体どんなものなのか、詳しくわかっていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、「コチュジャン」の基本をご紹介しながら、ご家庭のフライパン一つで作れる! 野菜たっぷり! 体も温まる! 「韓流すきやき鍋」の作り方をご紹介したいと思います。

コチュジャンは、韓国の甘辛い唐辛子味噌

コチュジャンは、日本のスーパーでも気軽に購入できます。(200グラムで230円程度)

コチュジャン(ハングル:고추장、漢字:醬苦椒醬、英語名: red chili paste)とは、韓国料理には欠かせない唐辛子味噌のこと。コチュ=唐辛子、ジャン(醤)=調味料であり、主原料として唐辛子粉、大豆こうじ、もち米粉、塩などから作られている甘辛い発酵調味料です。色は鮮やかな赤色をしているため、見るだけで食欲を刺激される人も少なくないでしょう。

発酵・熟成されることで唐辛子の辛みがまろやかになり、見た目ほど辛くはありません。豆のたんぱく質から生まれるアミノ酸のうま味、でん粉が分解してできる糖類の甘みによって作られるため、中国調味料(豆板醤など)に比べるとマイルドな味が特徴ですが、日本においては水あめなどの甘味料を追加して甘みを強めたタイプが主流になっています。

ビビンバのタレ、炒め物、鍋物、あえ物など、さまざまな料理に使われています。

ちょっぴり加えるだけで韓国の味に。気軽に使ってみよう

次に、「どんな料理に使うの?」という疑問が出てくることでしょう。韓国料理において、ビビンバを食べる際に必ずついてくるタレ、鍋、炒め物、あえ物など、用途は多岐にわたります。また野菜、肉、魚、卵などどんな食材とも相性が良いとされています。ですから、気軽に使ってみるのが正解。日本でコチュジャンを使う場合、いつもの定番料理にちょっぴり加えてみるだけで、韓国の甘辛味に大変身してくれます。

栄養面からコチュジャンを考えてみると、唐辛子には脂肪燃焼を助けて代謝をよくするカプサイシン、アンチエイジングや風邪予防になるビタミン類(βカロテン、ビタミンC・Eなど)が豊富に含まれているため、ダイエットや美容には積極的に取り入れたい調味料とも言えます。ちなみにわが家では、日本のラーメンを作るときにコチュジャンを追加するのが人気。野菜や肉などをたっぷり加えた煮込みラーメンは味も健康面でも魅力的なのです。

日本の醤油ラーメンにコチュジャンを加えて、生卵を落としています。

また、コチュジャンをベースにした調味料もあり、その代表例が「サムジャン」。サムギョプサル(韓流豚バラ焼肉)にそのままつけて食べたり、焼きおにぎりやエビチリにも活用できるので、コチュジャンベースの調味料を知っておくと、気軽に作れる韓国料理の幅がぐんぐん広がります。

サムジャンは、コチュジャンと味噌、玉ねぎ、ニンニクなどをブレンド。サムギョプサルのタレとしても有名で、野菜や豆腐のサラダにもよく合います。(170グラムで230円程度)

さあここからは、コチュジャンがおいしさの決め手となる「韓流すきやき鍋」の作り方をご紹介しましょう。日本の家庭でも作りやすいよう、フライパンと身近な調味料でアレンジしています。

野菜たっぷり!「韓流すきやき鍋」の作り方

フライパン一つで豪華な見栄え! 韓流すきやき鍋を準備しました。

作り方は簡単です。プルコギ用のタレもしくは焼肉のタレを用意して、ごま油と一緒に牛肉(薄切り)にしっかり下味をつけます。下味は目分量でOK。この味付け牛肉を中心に置くことをイメージして、お好みの野菜を周りに彩りよく並べましょう。オススメの野菜は、春菊や小松菜などの青菜類、パプリカ、ニンジン、ネギ、キノコ類。えごまの葉やキムチを加えると韓流度がアップするでしょう。

肉と野菜を並べたら、料理酒を1カップ回し入れ、フタをして火にかけます。全体的に火が通り、野菜がくたっとしてきたら、タレとコチュジャンを投入。タレはフライパン二回しくらい、コチュジャンはお好み量で加減してください。最後に生卵を落として好みの固さになれば完成です。

この鍋料理は、味濃いめがごはんによく合いますし、締めにうどんやラーメンを加えればおなかいっぱいに。

煮込んでいるときのいいにおいがたまりません!

辛みが苦手な方や子どもと一緒に食べる場合は、味付けの段階ではコチュジャンを加えず、後で添えてあげると全員がおいしく楽しめます。普段は和風のすき焼きを味わっていた方も、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

参考サイト:
楽天西友ネットスーパー

本日の美食・成り言葉
寒い冬は、コチュジャンが大活躍。普段の料理にちょい足しして、美容食に大変身させましょう。

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食文化研究家のスギアカツキさんに、ちょっと気になる食材の食べ方や取り入れ方をご紹介いただきます。

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