せっかくパーマをあてたのにすぐにとれる、ダメージがあるときほどとれやすい、ウエーブを長く維持したい…など、パーマに関するお悩みの声が届いています。そこで、「Hair salon aruca」(福岡県北九州市)のオーナーで美髪を追求する三谷遥さんに、パーマを美しくキープする方法について聞きました。
パーマ後24~48時間は髪を洗わない
——美容院でパーマをあてたものの、数日でもうウエーブがゆるくなったと思うときがあります。少しでもパーマヘアを保つために、自分でできることはありますか。
三谷さん: パーマがとれやすいと思う原因はいくつかあり、自分でキープする方法もたくさんあります。もっとも気を付けたいポイントから順に紹介しましょう。
(1)洗髪……パーマ後は24~48時間はがまん
パーマがとれる最大の原因は、「水分」です。毛髪が水に濡れると、表面を覆って髪の内部を守っているキューティクルが開きます。すると、そこからパーマの成分が流出していきます。毛髪に水分がたまっている時間が長いほど、パーマがとれやすくなるとイメージしてください。
そのため、パーマをあててからは最低24時間、できれば48時間は髪を洗わないようにしましょう。その間に、毛髪にパーマ液が浸透、定着します。
洗髪には、パーマヘア用のシャンプーやトリートメントを使用するとよいでしょう。そのうえで、毛髪をこすり合わせたり、ごしごししたりで摩擦を起こさない、できるだけ刺激を与えないように洗いましょう。
(2)ヘアドライ……すぐに短時間で乾かす
洗髪後は時間を置かずにタオルドライを十分にしてから、アウトバス用の洗い流さないトリートメントやヘアオイルをつけ、すぐにドライヤーで乾かしましょう。(1)で伝えたように、水分を髪に長くためておかないことがパーマをキープするコツです。
ただし、「熱」の刺激でもパーマはとれやすくなるので、乾かしかたにはコツがあります。
ドライヤーを毛髪に近づけたり風を長く吹きかけたりしないで、頭皮を乾かすように意識して、短時間の使用を心がけましょう。そのためにもタオルドライがポイントになります。さらに、冷風で仕上げてください。キューティクルが閉じてツヤが出やすくなります。
(3)へアブラシ……目があらいパーマ用コームを使う
ヘアブラシは目があらくて太いパーマ用のコームタイプを選び、ウエーブを伸ばさないように意識しながらそっとときましょう。髪の量が多い場合はサイズが大きめを、少ない人は小さめタイプが使いやすいでしょう。
ヘアブラシで髪を下にぎゅっと引っ張ると、ウエーブがゆるみやすいので避けてください。
(4)毛先をカット……2カ月後に美容院で
パーマをあててから、ショートなら約1カ月半後、ミディアムやロングなら2~3ヵ月後を目安に、美容院で毛先をカットしましょう。「ウエーブを生かすために、毛先をカットしたい」と依頼してください。
この期間なら、中間から毛先のウエーブがまだ残っています。毛先を軽くすることで髪に動きが出てウエーブが美しくなり、パーマをかけたときのスタイリングが再現されやすくなります。
(5)スタイリング……パーマ用ムース、スプレーを活用
朝のスタイリングの際は、毛髪を湿らせる程度に水で濡らして(霧吹きを使うか、濡らしてからタオルドライをする)、ウエーブが出るパーマヘア用のムースを手のひらと指先で毛先につけて、ウエーブを再現するように整えます。
ムースには、ハードタイプ、ナチュラルタイプ、ウエットタイプ、ツヤ出しタイプなどの種類があるので、つくりたいスタイルやキープ力を考えて選びましょう。数種を揃えて、毎日別のタイプを使う人もいます。
仕上げには、スタイリング維持のために、ヘアスプレーを2~3秒、毛先に吹きかけましょう。また、外出時にも携帯用のムースを持参し、ウエーブを出したいときに活用しましょう。
(6)ヘアケア……ヘマチンやアウトバス用アイテムを活用
髪にダメージがあるとパーマはあたりにくく、ダメージの部分だけウエーブが弱くなることもあります。日々のヘアケアとして(1)~(5)をていねいに実践し、洗髪中はパーマやカラーを長持ちさせるといわれる「ヘマチン」、洗髪後にはアウトバス用の「洗い流さないトリートメント」や「ヘアオイル」を活用しましょう。
パーマのかけ直しは3~4カ月に1回を目安に
——パーマのかけ直しの頻度はどのくらいがよいでしょうか。
三谷さん: ウエーブは、2カ月ほどで髪が伸びるのに比例してゆるんできます。パーマをかけ直す頻度は髪の状態によりますが、(4)でお話ししたように途中でカットをして、3~4カ月に1回を目安にすると美スタイルを維持できるでしょう。
——ヘアカラーをしている場合は、どういう頻度がいいでしょうか。
三谷さん: ダメージの状態と、髪の長さやスタイルによります。一例として、ミディアムボブでダメージがそう目立たないケースでは、「先にパーマをする→1カ月半ほど間を開けてから、カットとカラーをする→その後、1カ月半~2カ月半でパーマをする」というサイクルなら髪の負担は少ないでしょう。
そんなに待てないという場合もあると思いますが、どんなに短期間でも、パーマとカラーの間は1週間はあけてください。そしてダメージの様子やヘアスタイルの希望をもとに、その後のパーマとカラーの頻度を美容院で相談しましょう。
聞き手によるまとめ
先日、2年ぶりにパーマをあてて少しでもウエーブを維持したく、この通りに実践してみました。すると、ヘアケアもスタイリングも、自分ではできていると思い込んでいただけで、きちんとできていないことがいくつもありました。これらのアドバイスを意識して、まずは「水分を髪にためないで、すぐに短時間で乾かす」ことからていねいに実践すると、ウエーブを長持ちさせながらスタイルのおさまりも良くなって満足しています。ぜひ試してみてください。
(構成・文 藤原 椋 / ユンブル)