生理痛を勤怠に書ける? 職場における体調のオープン度について考える

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生理痛を勤怠に書ける? 職場における体調のオープン度について考える

朝からひどい生理痛でベッドから起き上がれない。子宮を内側から殴られているような鈍痛、冷や汗と共に込み上げてくる吐き気、そしてホルモンのいたずらが引き起こすコントロール不能のイライラ……。毎月のことなのに、職場の上司や同僚には「ちょっと体調が悪くて……」と連絡して半休を取るなり、自宅作業にしてもらうしかない。「生理痛だから」とは、どうしても言えない……。

女性みんなが経験していることなのに、なぜこんなにオープンにしづらいの?

今日23時45分から放送のAbemaTV「Wの悲喜劇 〜日本一過激なオンナのニュース〜」では、「働く女性の生理」をテーマに、MCのSHELLY さんも自身の経験を織り交ぜながら、本音トークが展開されます。

生理痛のほかにも、女性特有の体調不良やマイナートラブルはいろいろありますが、実際のところ、どのくらい職場で共有されているのでしょうか?

今年2月に「社会人3年目の私が恐る恐る上司に『生理』について話してみた」という記事をハフポスト日本版に掲載して話題となった井土亜梨沙(いど・ありさ)さんに、番組で共演したウートピ編集長・鈴木円香が聞いてきました。

ウートピ鈴木円香編集長(左)とハフポスト日本版・エディターの井土亜梨沙さん(右)

ウートピ鈴木円香編集長(左)とハフポスト日本版・エディターの井土亜梨沙さん(右)

「ナプキン派?タンポン派?」と聞けるように

鈴木円香(以下、鈴木):先日は番組の収録、お疲れさまでした。今回のテーマ「働く女性の生理」は、今年2月からハフポスト日本版が始めた「Ladies Be Open」プロジェクトとのコラボという意味あいもありました。「女性のカラダについてもっとオープンに話せる社会になって欲しい」との思いを込めてスタートした運動だそうですが、きっかけは井土さんのブログだったとか。

井土亜梨沙さん(以下、井土):そうなんです。私自身がとても生理痛がひどくて毎月起き上がれないほどなんです。「あ、始まった……」と朝ベッドで気づいても、ダイニングに置いてある痛み止めを取りに行けないほどで。いつも体調不良を理由に休んでいたんですが、ある時思い切って上司(男性)に相談してみたんです。それが記事となって話題を呼び、「Ladies Be Open」のプロジェクトが始動しました。

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鈴木:収録中も話題になりましたが、やはり女性にとって生理痛を職場でオープンに伝えるのは難しいですよね。井土さんの場合、上司が男性でそのハードルはさらに高かったと思うのですが、女性同士ではどうでしたか?

井土:Ladies Be Open編集部は女性スタッフが3人いるんですが、あのブログを掲載するまではおたがいの生理について話したことはなかったですね。でも、掲載後はわりとオープンに話すようになって。「生理痛がない人」「あるけどピルを飲んで和らげている人」、そして私みたいに「痛いけど何も手を打っていない人」といろんなタイプがいることもわかりました。生理の話題になると、モードは完全に女子トークで、「おたがいに話したかったんだな」と感じましたね。

鈴木:ウートピは編集スタッフ5人が全員女性なんです。しかも年齢が29歳から34歳とかなり近い。そのせいか、最初からおたがいのカラダのことにはオープンな雰囲気です。生理痛がひどい人もひとりいるけれど、ピルを飲んだり漢方薬を試したりしていることは全員が知ってるし(笑)。私もマネジャーとして「今月はそろそろ体調が悪くなる頃かな?」と仕事の振りかたを気をつけていたりします。

井土:最初からそんなにオープンなんですか? それはすごい。

鈴木:オープンですね。「どこのピルがいいの?」「個人輸入とかどうなの?」みたいな話もフツーにします。そこから企画が生まれてくることもあるし。編集会議自体が女子トークそのまんまです。他のチームから「うるさい!」って言われるくらい体調のことでも、恋愛のことでも、赤裸々に盛り上がる(笑)。

井土:うちも最近では、タンポン派?ナプキン派?みたいな話もするし、月経カップどうなの?といった話題も抵抗なくできる雰囲気になりました。タンポンの失敗談で盛り上がったこともあったかな。

鈴木:女性同士は何かのきっかけで針のひと穴が開けば、あとは収録中のようにスムーズに女子トークのノリで話せるようになるのかもしれないですね。

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「オープンにしない自由」も必要

鈴木:女性スタッフ同士ではそれほどハードルは高くないかもしれませんが、社内でオープンにするかどうかは難しそうですね。井土さんの場合はどうだったんですか?

井土さん:上司に伝えること以上に悩んだのは、勤怠に出して社内でオープンにするかどうかですね。つまり「歯医者のため半休、13時出社」「子どもの発熱のため自宅作業」と書いてあるところに並んで、「生理痛のため終日自宅作業」と書けるかどうか。

上司に打ち明けて以降、私自身はそうやって勤怠に明記することに抵抗はないんです。でも、他の女性スタッフは抵抗があるかもしれない。私が勤怠に書くことで、自分も書かなきゃいけないんだとプレッシャーをかけてしまうかもしれない。そこを心配して上司には伝えても、勤怠には書かないことにしています。

鈴木:確かに、自分のカラダのことを何でもオープンにしようというのも、ひとつの暴力になりかねないですよね。オープンにしたい人はオープンにすればいいけれど、オープンにしたくない人には「オープンにしない自由」「隠す自由」も認められる必要がありますよね。

「体調不良」では原因がわからない

鈴木:こうして編集長としてマネジメントをする立場に身を置いてみると、スタッフにはできるだけ体調のことをオープンに話してもらいたいな、と思います。単に「体調不良で自宅作業にさせてください」と連絡されても、生理痛でつらいのか、何か仕事で問題を抱えていて精神的につらいのか、大きな企画のあとで単に疲れているのか、特定できなくて困っちゃうんです。「原因は何なんだろう……?」と勝手にあれこれ想像しちゃう。それって、非生産的ですよね。

井土:それはありますね。ハフポスト日本版の編集部では、上司と部下のワンオーワン面談をいつでもできる環境になっているので、みんな、そこで体調のこともわりとオープンに話しているみたいです。マネジャー層もメンバーの体調のことは細やかにケアしていて、Slackのやりとりが深夜に及ぶと「もう寝てください」とか、「カラダを大切にしてください」とメッセージがくることはよくあります。

鈴木:ああ、こちらもよくある(笑)。チャットツールを使っていると、どうしても自宅で寝るギリギリまでやりとりをしていたりしますし。私は不眠持ちなので眠れなくて夜中3時くらいにSlackに連絡事項を書き込むと、誰かから返事があって「まだ起きてんの!?寝ろよ!!!」「編集長こそ、寝てください!!」みたいなやりとりになることはよくあります(笑)。チャットツールを使う職場の方がおたがいの生活リズムが丸見えになりやすいので、そこから自然に体調を気遣うようになるかも。

上司の体調不良にも気づける?

鈴木:反対に部下として上司の体調に気づくことはありますか?

井土:みんなかなり見てますね(笑)。たとえば、私が生理のことを相談した編集長は会社の中で一番がんばってるんじゃないかというくらいハードワークで。ハフポストは世界18ヵ国にあるので、会議をするにも時差があるし。そのなかで小学生の子どももいて、きっとすごく大変なはずなんです。

だから、気づいたら「ライアン、大丈夫ですか?」って声をかけるようにしてますね。あ、ライアンって、編集長のニックネームなんです、国籍は日本人で本名は隆一郎っていうんですけど。

鈴木:うっ、スタッフから「大丈夫?」って聞かれたら、結構ショックかも……。私、そんなにやつれてる!?って、こっそりトイレに鏡を見に行っちゃいます。個人的にどんなに落ち込んでいても、飲み会の翌日で頭痛と吐き気がしても、基本編集部に入ったらモードを切り替えて心身の波は隠すようにしてました。それがプロだろ、と。でも、そういうプロ意識って、考えてみたら「カラダのことをオープンに話そう」という動きと逆行してるかもしれませんね。

井土:隠していても、結構上司の体調はみんな見てますよ。

鈴木:「上司の顔色を伺う」という言葉がありますけど、それとは違う? 「あの案件のこと相談しときたいんだけど、今日は体調よくなさそうだし、機嫌悪そうだからやめとこ」みたいな(笑)。部下として働いていた時は、そういうヘンな気の遣いかたをしていたことが私自身はありましたが。

井土:違いますね、体調によって判断が違うなら「顔色を伺う」こともあるかもしれません。でも、そういうタイプではないので、純粋に気遣ってる感じです。

鈴木:スタッフにオープンにしてほしいなら、マネジャー層も意識を変えた方がよさそうですね。

井土:おたがいの体調を気遣える職場って、ギスギスしていない証拠だと思うんです。私が編集長に「ライアン、大丈夫ですか?」と普通に声をかけられるのも、そもそもコミュニケーションしやすい環境があって、私自身も余裕を持てているからだと思うんです。サポートする余裕のない人は、周囲にどんなに調子の悪そうな人がいても「大丈夫?」って聞けないと思うんですよね。

鈴木:体調のことをオープンにするには、その土台の環境が必要ということですね。この続きは、さらに過激で赤裸々なトークが展開される「Wの悲喜劇 〜日本一過激なオンナのニュース〜」(AbemaTV/本日23時45分放送)をご覧くださいということで。今日はありがとうございました。

(ウートピ編集長・鈴木円香)

写真:青木勇太

井土さんと鈴木が「上司にどれだけ体調についてオープンにすべきか」というテーマで対談した記事はこちらから読めます。

wの悲劇v2

■番組情報
『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』
男子は見なくて結構! 男子禁制・日本一過激なオンナのニュース番組がこの「Wの悲喜劇」。さまざまな体験をしたオンナたちを都内某所の「とある部屋」に呼び、MC・SHELLYとさまざまなゲストたちが毎回毎回「その時どうしたのか?オンナたちのリアルな行動とその本音」を徹底的に聴きだします。「そんなことテレビで言っちゃっていいの?」…いいんですAbemaTVですからタブーに挑戦します。
第10回となる今回のテーマは働く女性にとっての「最新生理事情」です。
放送日時:2017年4月29日(土)23:45~24:45
放送チャンネル:AbemaNews
放送URL

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