『なぜ、あなたの話は響かないのか』インタビュー第1回

「この人、こんなに可愛かったっけ?」の秘密 スピーチライターに聞く“コミュ力2.0”とは?

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「この人、こんなに可愛かったっけ?」の秘密 スピーチライターに聞く“コミュ力2.0”とは?

論理的に話したつもりなのに相手の反応はイマイチ、感じよく話しているのになかなか相手の懐に入れない、適当でめちゃくちゃなことを言っている同僚のほうがなぜか人望が厚い気がする……

仕事でもプライベートでもコミュニケーション能力(コミュ力)が大事と言われているけれど、結局コミュ力って何のこと?

そんなコミュニケーションをめぐる疑問に応えたのが蔭山洋介(かげやま・ようすけ)さんの『なぜ、あなたの話は響かないのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。蔭山さんによると「こいつ何言っているかわからないけど、協力しよう」と相手に思わせる力が「コミュ力2.0」と言います。

蔭山さんにコミュ力をテーマに4回にわたってお話を聞きました。

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『なぜ、あなたの話は響かないのか』を上梓した蔭山洋介さん

『なぜ、あなたの話は響かないのか』を上梓した蔭山洋介さん

「コミュ力2.0」って何だ?

——本業は、企業経営者や政治家といったリーダーのスピーチを執筆するスピーチライターだそうですね。タイトルの副題に「信頼と価値の時代のコミュ力2.0」とありますが、この本を書こうと思った経緯を教えてください。

蔭山:スピーチというのは言葉を書いていくんですけれど、言葉だけ飾っても全然ダメなんです。格好いい表面的な言葉ほど役に立たないものはないんですよね。

スピーチって特別なハレの舞台で普段しゃべらないことをしゃべっていい場所なんです。その場では内面に溜めていた人前でしゃべってこなかった複雑な感情を原稿に変えてしゃべる場になるんですね。

話し手が命懸けでやって、それでもうまくくいかなくてモヤモヤしてる感じとか、もしくは本当に頑張ってうまくいったときの話や、うまくいったけれど苦い思い出だったりと多面的な内面がある。その内面に溜めた複雑な感情が現れれば、スピーチは大成功するんです。

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——喋りや話し方がうまいかどうかは関係ないんですね。

蔭山:何を言ってるかわからないときでも感動することあるじゃないですか。

——ありますね。会話していてもそうですよね。

蔭山:こいつ何言ってるかわからないけど、協力しようとか。

——あります。何かわからないけど、助けちゃおうとかありますもんね。「しょうがないなあ」って(笑)。

蔭山:そう。なので、まだ本を読んでいないみなさんにお伝えするならば、何言っているかわからないけれど、お前が言うんだったら手伝ってやるというのが「コミュ力2.0」です。

論理的に話せて人当たりもいいのになぜかコミュニケーションでうまくいかず、仕事もプライベートも損をし続けている人っていますよね。どんなに話が上手で内容も素晴らしくても「こいつが言っていることは信じられない」と思われれば、一切のコミュニケーションが成立しません。

逆にさっき申し上げたような「言っていることはよくわからないけれど応援してやろう」と思われる人もいる。そのために「自分らしいコミュニケーションって何?」「コミュ力ってどう鍛えるの?」ってなったときのヒントになればと思ってこの本を書きました。

「この人、こんなに可愛かったっけ」の秘密

——自分らしいコミュニケーションというと難しそうですが、自分の魅力が伝わるようなコミュニケーション力もトレーニングで獲得できるんですか?

蔭山:かなりできますよ。例えば映画を見ていても、ハリウッドの女優さんが最初はあまり可愛くなかったのに見ていくうちにすごく美人で魅力的に見えてくるときってありませんか? つまりあなたが魅力的に見えないのは、演技力のせいかもしれないわけですよ。美というのは生まれ持ったものもあるんですが、後天的にもかなり獲得できるということなんです。

——そういえば学生の頃、『セックス・アンド・ザ・シティ 』が流行ったんですが、ヒロインのキャリーが「最初はそうでもなかったのにだんだん可愛くなっていくよね」と友達の間で話題になりました。最終的にはみんな「キャリーになりたい!」って盛り上がったのを覚えています。

蔭山:そういうことです。女性のモテだってそうです。よく「ダイエットしなきゃ」「可愛くならなきゃ」といろいろ頑張るんですけれど、まずモテる人は太ってても痩せていてあまり関係なくモテるんです。美人かそうでないか関係なくモテるわけです。ダイエットすれば、美人になればモテるということは起こらないんです。

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——えっ、そうなんですか?

蔭山:ファッションでもダイエットでも何でもいいのですが、何かを頑張っているとして、それはあなたが自分自身を誰かに自信をもってレコメンドできるようになるための手段にすぎない。要は、あなたが魅力的に映れば勝ちなんですよ。

——うーん、ちょっと難しいですね。

蔭山:スラッとした高身長美人枠があるとするじゃないですか。

——菜々緒さんのような?

蔭山:そうです。あの枠ってレッドオーシャンなんですよ。みんなが菜々緒さんを目指してる。だから、レッドオーシャンに飛び込んで勝つ自信があるならいいのですが、そんな簡単に勝てないですよね。やってもいいんだけれど、それって本当にあなたが魅力的に見える道なの? ということなんです。

正しい「自分磨き」のやり方って?

——確かに、やみくもに菜々緒さんを目指してもダメですよね。菜々緒さんの魅力は外見だけではないですし。では、オシャレをしたりダイエットしたり外見を磨くこと、ここではあえて「自分磨き」と言いますが、どんな「自分磨き」をすればいいのでしょうか?

蔭山:自分という魅力にコミットするやり方をすればいいんです。コミットが深ければ深いほどつながっていくんですよ。

——自分にコミット?

蔭山:ファッションに時間をかける、ダイエットに時間をかける、勉強にたくさん時間をかける、男遊びに時間をかける、何でもいいですよ。とにかくやればやるほど、その人はその人にコミットしていくので、誰かごっこではなくて自分ごっこをしなければいけないんです。

例えば、どうすれば蔭山洋介は蔭山洋介にできるのかっていう闘いをしていくんですよ。その中にダイエットが位置付けられていてもいいし、ファッションが位置付けられていてもいいんですよ。だから、ダイエットをすればモテるわけではなくて、「自分磨き」も自分という存在に対してダイエットが必要であればダイエットをやればいいんです。

この構造が逆になると、むちゃくちゃになります。例えば、ダイエットが目的化して「●●キロ減らすこと」が目的化してしまうと、自分の魅力を磨く方向に舵が切れなくなってしまうんです。

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——さっきのやみくもに菜々緒さんを目指してもダメだよということですね。では、自分の目指す方向や自分の魅力の磨き方がわからない場合はどうすれば?

蔭山:それが本にも書いた「なりたい自分」ではなく「あなたが憧れるあなた」になりましょう、ということです。

——どういうことですか? 次回、詳しく教えてください。

※次回は9月11日(火)掲載です。

(取材・文:ウートピ編集部・堀池沙知子、写真:宇高尚弘/HEADS)

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