女優の鶴田真由さん。18歳で芸能界デビューして以来、映画、ドラマ、舞台などで活躍。最近は「旅好き」としても知られ、紀行番組やドキュメンタリー番組にも出演しています。
5月26日に公開される映画『海を駆ける』(深田晃司監督)では、俳優の大賀さんと親子を演じ、流ちょうなインドネシア語も披露しています。
深田監督作品への出演は『ほとりの朔子』(2014年)に引き続き、2回目となる鶴田さんに話を聞きました。
【前編】鶴田真由「自分が頂いてきたものは、下の世代に返さなければ」
30歳前後は試練の時期?「揺らいでいた」
——ウートピを読んでくださっている読者はいわゆる“アラサー”という30歳前後の女性が多いのかなと思っています。世間から見たら十分な大人なんだけれど、自分自身はまわりの意見に振り回されたり、まわりの目が気になったりしてしまうという年代なのかな、と。鶴田さんがその年代だったころはいかがでしたか?
鶴田真由さん(以下、鶴田):外からの何かによって振り回されることは、あまりなかったと思うんですが、自分の中ではすごく揺らいでいた時期はありました。
——そうなのですね。
鶴田:次のステージに上がるための試練が与えられる年代が30歳前後なのかな、と。この時期は真摯に自分と向き合うしかないですよね。
自分は何をしたいのか、どう生きたいのか、ということをきちんと逃げずに考える。大変なことだけど、そこを乗り越えていかないといけない。
——鶴田さんも自分を見つめる作業をしていたんですか?
鶴田:していたと思いますね。その時期に初めて一人旅もしました。
——どこに行ったんですか?
鶴田:屋久島を旅したんですが、そういう時期だからこそ、面白い出会いもたくさんありましたね。まわりの大人たちに上手く引き上げてもらったんじゃないかな。
——引き上げてもらった?
鶴田:年上の人はみんなその時期を経験しているので、「今はそういう時期なのね」というのは、見ればわかる。だから、その人たちからヒントをたくさんもらったように思います。
「偶然であり必然」を見極めること
——なるほど。ウートピの編集方針として、「自分で決める」ということを大事にしているんですが、鶴田さんが人生で大事にされていることは何ですか?
鶴田:自分と関わるすべてのものに生かされているという感謝の心を忘れてはいけないと思っています。家族や友人はもちろんのこと、森羅万象に至るまで。すべてのものは関係しあって生きているという想像力です。
——今回の映画のテーマにもつながってくるお話だと思います。「偶然の出会い」が、すごく自分に影響を与えることもありますよね。
鶴田:そうですね。「偶然は必然」なのだと思います。でも、起こってくることが本当に偶然であり必然であるのか見極める必要はあると思います。
——見極める力をつけるにはどうすれば?
鶴田:自分の中に曇りがひとつもないこと。計算がないこと、かな。何かをやろうとしたときや何かを選ぶときに、自分の心と対話して、その判断基準の中にやましいことが一つもないかどうかっていうことを大事にしていますね。
(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子、写真:宇高尚弘/HEADS)
■クレジット情報
衣装:A .Dupré
ヘアメイク:赤松絵利(esper.)
スタイリスト:鈴木えりこ(iELU)
■映画情報
【タイトル】『海を駆ける』
【公開表記】2018年5月26日(土)全国ロードショー
【クレジット】(C)2018 “The Man from the Sea” FILM PARTNERS
【配給】 日活 東京テアトル