水分を長くためない! ヘアカラーを美しく長持ちするコツは【美髪プロに聞く】

水分を長くためない! ヘアカラーを美しく長持ちするコツは【美髪プロに聞く】

「ヘアカラーをしたけれど、1カ月もしないうちに色があせる」「理想の色合いが保てるのは施術後の1週間ほどのみ」など、読者からお悩みの声が届いています。そこで、「Hair salon aruca」(福岡県北九州市)のオーナーで美髪を追求する三谷遥さんに、ヘアカラーを長持ちさせる方法について聞きました。

毛髪に水分を長くためない

——ヘアカラーが色落ちする原因は何でしょうか。

三谷さん:ヘアカラー後の色は、3~5週間ほどで徐々に落ちてきます。頻繁にカラーやパーマをしている、ブリーチをしていたなどの過去の施術やダメージの具合、髪の洗いかた、乾かしかた、ケアの状態、紫外線などが原因です。また、アッシュなどの薄い色ほど色落ちが早いです。

——では、ヘアカラーの色落ちを防ぐには、それらの原因に注意すればいいということですよね。まず、いちばんのポイントはなんでしょうか。

三谷さん:水分を髪に長くためておかないことです。

健康な毛髪は弱酸性ですが、アルカリ性に傾くとキューティクルが開いた状態になります。カラー剤はアルカリ性で、キューティクルを開いて毛髪内部の色の成分であるメラニン色素を抜き、色を注入する仕組みで毛髪を染めています。

水分が髪に付着すると毛髪はアルカリ性に傾いて、キューティクルが開きます。すると色素を保持する力が弱くなり、色素は流出していきます。

そのため、とくにヘアカラー直後の数日は極力、キューティクルが開くことを避けるために、水分が毛髪にたまる時間を短くすることがポイントといえます。

——「ヘアカラーをした日は髪を洗わないように」と美容院で指導されますね。カラーの施術後、どのぐらい洗髪をしないほうがいいのですか。

三谷さん:ヘアカラー後は24~48時間、洗髪を避けるとカラーが定着しやすくなります。可能なら、カラーをした当日と翌日も、髪を洗わないようにしましょう。

また、洗髪後は早くキューティクルを閉じるために、時間を置かずにドライヤーで髪を乾かして、最後に冷風で仕上げましょう。冷風はキューティクルを引き締めるといわれています。

——髪に水分をためないほうがいい場合、洗髪時のトリートメントやヘアパックはどうすればいいですか。また、アウトバスでの洗い流さないトリートメント、ヘアオイル、育毛剤はどうでしょうか。

三谷さん:カラー後1週間は、洗髪時のトリートメントやヘアパックも長時間放置せず、5~10分を目安としましょう。

一方、アウトバスでの洗い流さないトリートメント、ヘアオイル、育毛剤は、日ごろからそう長く時間を置かないものなので、通常どおりの使用で大丈夫です。

 

熱、紫外線…刺激を避ける

——髪の洗いかた、乾かしかた、ケアの方法なども影響するとのことですが、具体的にどうすればいいでしょうか。

三谷さん:カラーの前後に、次のことに注意してみてください。一般のカラー、白髪カラーとも同じです。

・カラー前のヘアケア
日ごろの髪の状態が良いと、カラーも美しく保ちやすくなります。そこで、ヘアカラーによる毛髪のダメージを抑えるためには日ごろから、少なくとも施術する数日前から洗髪後はトリートメントやヘアパック、アウトバスでの洗い流さないトリートメントやヘアオイルでケアし、栄養を与えておきましょう。

・暖色系のカラーを選ぶ
日本人の毛髪の質として、もともと赤みを持っているため、赤や茶など、暖色系のカラーは色素の関係で色持ちが良い傾向にあります。

・シャンプーはアミノ酸系を選ぶ
アミノ酸系は、低刺激でカラーが長持ちしやすいという特性があります。

・カラーケア用品を使用する
カラーを長持ちさせるカラーシャンプー、カラートリートメントが市販されています。美容院で染めたカラーに近い色味があれば、カラー後1カ月ぐらいして色が落ちてきたタイミングで、週に1・2回、使ってみるとよいでしょう。

ただし、色味が合わなければ違和感が生じる場合もあるので、ヘアドライ後に色の様子を鏡でよく確認して、使用の継続を決めましょう。

・シャンプーの洗い残しがないようにする
シャンプー時は入念にすすぎましょう。成分が毛髪に残ると、毛髪の損傷、乾燥、パサつきの原因となって、色落ちしやすくなります。ただし、毛髪をごしごし洗うのはNGです。頭皮を洗うことを意識すると、髪も洗い残しが少なくなります。

・熱を避ける
ドライヤーやヘアアイロンなどの熱によって、ヘアカラーの色落ちが早くなる、色が明るくなる場合があります。洗髪後は入念にタオルドライをしてからドライヤーを使い、熱があたる時間を短くしましょう。

ヘアアイロンは、温度設定は140~150度程度、あてる時間は5~10秒以内にするなど、熱でダメージを与えすぎないようにしましょう。

・紫外線を避ける
紫外線を受けるとキューティクルがはがれやすくなる、また、メラニン色素の生成を抑えるため、ヘアカラーの色落ちが早くなります。紫外線は1年中降りそそぐので、季節に関わらずに毛髪用の紫外線カットスプレー、紫外線カット99%以上の帽子と日傘を活用して紫外線を避けましょう。

・定期的なトリートメント
美容院で定期的にトリートメントやヘアパックを実践しましょう。ダメージをケアすると色落ちを防ぐことができて、美髪をキープしやすいでしょう。

聞き手によるまとめ

全部実践してみると、ヘアカラー直後のきれいな色味がいつもより2週間は長くキープできたように思います。決め手は、洗髪後は時間を置かずにドライヤーで髪を乾かすこと。簡単そうですが、意識しないとなかなか実行できません。次に、ヘアカラーの1週間前からケアを充実してみました。どの方法もすぐに取り組めることばかりです。試してみてください。

(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル

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