インスタグラマー・くぅちゃんに聞く節約のあれこれ 第1回

「お金は働いて稼げばいい」と思っていた私が、節約をはじめた理由

「お金は働いて稼げばいい」と思っていた私が、節約をはじめた理由

家計が苦しいとき、どんなふうに解決しようと思いますか? 『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』(KADOKAWA)を上梓したインスタグラマー・くぅちゃんは、手間や時間がかからない“時短節約”を提唱しています。

でも、彼女はもともと、節約や貯金がまったくできない浪費家だったのだそう。バリバリ働いてバリバリお金を遣う生活が立ちゆかなくなってきたのは、出産し、独身時代のようには働けなくなってからでした。

節約マインドの作り方やモチベーション維持について伺う短期連載。

第1回は、貯金ができなくても「働いて稼げばいい」と思っていたくぅちゃん自身が、何をきっかけに節約マインドへとスイッチしたのか聞きました。

思いきり稼いで思いきり浪費した独身時代

——まずは独身時代の収支について聞かせてください。ざっくりいくら稼いでいて、どんなお金の遣い方をしていましたか?

くぅちゃん:20年ほど前のことなので時代もあると思いますが、大学病院の看護師として、そこそこのお給料をいただいていました。夜勤や残業で月に10万円近く手当てがつき、手取りで30万円はあったと思います。さらにボーナスが5ヶ月分ほど。20代前半で手にするには大きなお金ですよね。実家暮らしで、生活費もほとんどかかっていませんでした。だから「遣わなきゃ損」みたいな感覚で、稼いだお金は、やりたいと思うことに惜しみなく遣っていました。

——たとえば、どんなことでしょう。

くぅちゃん:飲み会や旅行にたくさん行ったし、お金を理由に友人の誘いを断ることはありませんでした。たいして欲しいわけでもないバッグや洋服を買いあさったこともあります。美容や脱毛なんかにもずいぶん遣いましたね。

専門学校時代、授業も実習も大変だった反動でしょうか。卒業したらある程度のお金を稼げるようになることや、そのお金を思いきり遣うことを励みにしていたのでたがが外れたようでした。

——自分が頑張って得たお金だからこそ、思いきり遣ってみたくなる若いときの気持ちも、わかる気がします。そんな生活が変わったきっかけは、何だったんでしょうか。

くぅちゃん:まず結婚したことですね。夫から「子どもが生まれるまで、くぅちゃんのお給料から月10万円貯めてね」と言われました。最初はイヤでごねたんですが(笑)、夫に「でも、10万円を貯金して残ったお金は、くぅちゃんの好きに遣っていいんだよ」と言われて、それならアリかもと。おかげで、一人目を妊娠するまでには100万円くらいの貯金ができていたんです。だけどそのころはまだ、節約とは程遠い生活でした。

「稼げばいい」と思っていたけれど…

——その後、二人のお子さんの妊娠・出産を経て、お金の遣い方はどんなふうに変わっていきましたか?

くぅちゃん:まず働き方が変わったので、自ずとお金の遣い方も変化していきました。一人目を産んでから夜勤のない病院に転職したため、基本給がぐっと少なくなって。だから、二人目の育休中はもらえる給付金も減り、産前の貯金を切り崩しながらやっていく状態に。だけど、生活レベルって急には落とせないんですよね。

ママ友とおしゃれなランチに行ったり、おむつや離乳食を割高なドラッグストアで買っちゃったり……ボーナスの時期にコートとブーツを買い替えるのも、習慣のようになっていました。それでも復職すればまた稼げると思っていたけれど、子育てしながらではパート勤務が限界で、またも手取りが激減。明細を見て「これからはこれでやっていかなきゃいけないのか……!」と、ようやく気持ちが引き締まったんです。

——「お金は働いて稼げばいい」と考えていたけれど、生活が変わって思うように働けず、稼げなくなってしまったわけですね。

くぅちゃん:はい。そこで、いまあるお金を節約しながら遣っていく方向へと、意識が変わりました。ちょうど「新しいイメージのカリスマ主婦」みたいな特集が増えてきたころで、雑誌なんかでもいろんな節約テクニックが紹介されていたんですよね。昔の「節約」ってすごくちまちましたイメージだったけど、彼女たちの活動を見ると、おしゃれに暮らしつつ、旅行とかにも行きながらお金を貯める方法があるんだ! って目からうろこでした。

子供を優先したいと気づいて

——たしかに昔の「節約」といえば、節電のためにコンセントを抜きまくるとか、そういうイメージがあります……。手間をかけて数円単位を切り詰めるような。

くぅちゃん:そうですよね。うちの実家も団地暮らしであまりお金に余裕がありませんでした。浴槽に水の入ったペットボトルを入れて湯量をかさ増ししたり、冷気が逃げないように冷蔵庫の中にビニールを貼ったりしているのを見て、ちょっと切なく感じたこともあって……。そういう節約はいやだけど、自分も快適にできるやり方を考えてみるならいいなと思ったんです。

——なるほど。ちなみに、子どもを預けてまた夜勤をこなし、バリバリ稼ぐスタイルに戻そうとは思わなかった?

くぅちゃん:そういう選択肢もありましたが、私は、産んでみたら思っていた以上に子どもがかわいかったんです。上の子が6歳くらいのとき「子どもと一緒にいられる時間って長いと思っていたけれど、18歳で家を出るとしたら、あと12年しかない!」と衝撃を受けて。私はその12年のあいだは仕事より子どもを優先したいと、自分の本心に気づくことができました。

看護師としてのキャリアアップを考えたときも、主任などのマネジメント系に進むか、ドクターヘリに乗るような専門ナースを目指すかで、私はどちらの道もしっくりきませんでした。収入のためにキャリアアップを目指し、モチベーションを奮い立たせて働くより、そこそこの収入を得ながら家で節約をして、子どもたちと暮らしを楽しむほうがいいかなと感じたんです。そこから現在のスタイルに行き着きました。

インタビュー第2回はこちら
(取材・文:菅原さくら、編集:安次富陽子、写真:『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』)

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