インスタグラマー・くぅちゃんに聞く節約のあれこれ 第2回

節約を続けるコツは「“やりたくない”を見極めること」

節約を続けるコツは「“やりたくない”を見極めること」

家計が苦しいとき、どんなふうに解決しようと思いますか? 『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』(KADOKAWA)を上梓したインスタグラマー・くぅちゃんは、手間や時間がかからない“時短節約”を提唱しています。

でも、そんな彼女は独身のころ、節約や貯金がまったくできない浪費家だったのだそう。バリバリ働いてバリバリお金を遣う生活が立ちゆかなくなってきたのは、出産し、独身時代のようには働けなくなってからでした。

節約マインドの作り方やモチベーション維持について伺う短期連載。第2回は、自分に合った節約術を見つけるために試行錯誤した日々と、打開のポイントを聞きました。

試行錯誤の末にたどり着いた「時短×節約」

——お子さんが生まれて収入が減ったことで、節約を意識するようになったくぅちゃん。それまで経験のなかった節約生活は、いかがでしたか?

くぅちゃん:失敗も多かったですよ。たとえば、節約のカギを握っているのは、支出の大部分を占める「食費」です。最初のうちは「節約=とにかくお金を遣わないこと」と思い込んでいたから、なるべく食材を買わないように心がけました。そうすると、料理がだんだん質素なものに……。出す食事の量も少なくなって、ある日の夕食後すぐ、夫がポテトチップスを食べはじめたんです。「えっ、そんなに足りてない!?」って、衝撃でした(笑)。

——その状況を、どうやって打開したんですか?

くぅちゃん:まず、「節約」より「時短」を目指すようにしました。当時は子どもがまだ小さかったから、保育園のお迎えに寄って帰宅し、ごはんを作って出すまでの時間帯が本当にカオスだったんです。子どもが「おなかすいた~」とまとわりついてくるから炊事は全然はかどらないし、ついお惣菜を買ったりして、またお金がかかっちゃう。そんな状況を、自分が働いているペナルティのようにさえ感じてしまっていました。でも仕事を辞めるのはイヤだったから、なんとかやっていく方法を考えて、朝の下ごしらえにたどりついたんです。

——夕食の準備を、朝のうちにある程度しておくわけですね。

くぅちゃん:そのためには、前日のうちに翌日夕食分の買い物が終わってないといけません。そこから自然と「まとめ買い」の習慣が生まれ、買い物のために数日間の献立をあらかじめ考えるようになり、無駄に食材を買うことも減って……気づけば、節約にもつながっていたんです。結局、食費を削りながら家族がおいしく食べてくれるものを作れるようになるまでには、けっこう時間がかかりました。

——時短にも節約にもなるのはすばらしいけれど、数日分の献立や買い物リストを考えるのが大変そうです……。

くぅちゃん:自分がつくれるレパートリーをあらかじめ書き出しておけば、メニューを考える手間はそんなにかかりません。冷蔵庫にあるものや買う予定の食材に応じてパズルのように組み合わせるだけで、たいして頭も使わずに献立ができあがるんです。私は、時間のある週末にまとめてやっていました。

リアル献立表/より

リアル献立表/『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』より

節約でつまづく瞬間

——食費のほかは、どんなふうに節約を進めていったんでしょうか。

くぅちゃん:最初の1年は、よく考えてみれば無駄だなと思う買い物を辞めたり、外食を減らしたりするだけである程度の貯金ができました。はじめたばかりでやる気もあるから、ちょっとした削減も苦にならないんですよね。だけど、何年か経つうちに子どもが大きくなり、月々の習い事や季節のイベントなどでかかるお金が増えてきて。たまに家電が壊れることもあるし、せっかく貯めたお金がまたどんどん出ていくようになったんです。

ちゃんと節約しているはずだし、去年はうまくいっていたのに、なぜか全然貯まらない。そこで、先にどんな支出が待っているかを予測しなきゃダメだと気づきました。

——やみくもに貯めようとするのではなく、収支の予測を立てるようになった。

くぅちゃん:そうです。いま振り返れば、節約をはじめる最初のタイミングからするべきことだったと思うけど……(笑)。とにかく私は、失敗体験をしたくないタイプ。予定外の支出でうまく貯金ができないと「私は節約なんて向いてない」と思ってしまうんです。だから「自分はちゃんとやれている」と感じられるように、貯金の目標と収支の予測を立てはじめました。

支出の予測があれば事前に積み立てもできるし、貯められなくても「この月は仕方ない。貯められないのも予定どおり」と思えます。

年間でかかる特別費早見表/『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』より

年間でかかる特別費早見表/『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』より

まず「自分のやりたくないこと」を知るべし

——くぅちゃんのお話を伺っていると、自分の苦手なことやライフスタイルを見極めて、合う「節約のやり方」を考えるのが大切な気がしました。

くぅちゃん:おっしゃるとおり、自分を知ることはすごく大切ですね。食費ひとつを節約するにも、食材のレベルや味を妥協できるのか、手間がかかってもコストを省きたいのかなど、自分の優先順位によって譲れる部分が変わってくると思います。あとは、いろんな方法を試してみるのもいいですね。私も、断捨離しすぎて着る洋服がなくなっちゃったり、ソファを捨てたら家族のくつろぐ場所がなくなっちゃったり、いろんな失敗をしました(笑)。でも、やってみないとわからないこともあるから、最初のうちは見切り発車のチャレンジでいいと思います。

——節約は、自分を知ることにつながっているのかもしれませんね。

くぅちゃん:そもそも私が節約をはじめたのも、バリバリ働けなくなった自分が何を大切にしたいかを考えて、仕事よりも子どもと過ごす時間を優先したから。自分が守りたいもの、やりたくないこと、やれることを見つめ直して、フィットする方法を見つけていけたら続けられると思います。

インタビュー最終回はこちら
(取材・文:菅原さくら、編集:安次富陽子、写真:『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』)

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