野宮真貴さんインタビュー 第1回

夢の近くにいる努力を続けて。野宮真貴さんに聞く「今を楽しむ工夫」

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夢の近くにいる努力を続けて。野宮真貴さんに聞く「今を楽しむ工夫」

いつかは「最高の自分」になりたい。そのために仕事も頑張っているし、おしゃれにも気を配っている。とても素敵なことだけど肩に力が入りすぎていませんか?

毎日忙しく頑張るウートピ世代の読者に、「何事も無理のない程度に続けていくことですよ」と教えてくれるのは、このたび『おしゃれはほどほどでいい 「最高の私」は「最少の努力」で作る』(幻冬舎)を上梓した、野宮真貴(のみや・まき)さん。

でも、夢を叶えたスターで、おしゃれ番長の野宮さんの“ほどほど”って私たちにはハードルが高いのでは?

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人生を楽しむための「ほどほど」

——『おしゃれはほどほどでいい』というタイトルですが、ファッションリーダーの野宮さんと“ほどほど”の間には、ギャップがあるような気も……。最初に、ほどほどに込めた想いを教えていただけますか?

野宮真貴さん(以下、野宮):おしゃれやメイクは自己表現だったり、着飾ることだけではなくて、「自分を大切に扱う」ということだと思っています。健康に気を遣うのがヘルスケアならば、おしゃれに気を遣うのは「女性としての自分を大切にするセルフケア」です。でも、ケアは続けていかないと意味がない。無理なく継続していくには、ほどほどがちょうどいいんです。

50代、60代になってもおしゃれは続いていくものなので、20代や30代のうちに、無理なくほどほどの労力で楽しむ術を知っていると、その日に着る服選びにも困らないし、その後の人生がラクになりますよ。

——副題の「最高の私」は「最小の努力」で作るという言葉は、自分はズボラだと思っているような女性たちにはとても響くと思います。

野宮:覚えていてほしいのは、おしゃれは大切だけど、人生のすべてではないということです。仕事、恋愛、趣味。人生を楽しむためには、それこそ、おしゃれに費やす時間とお金はほどほどにしておかないとダメ。最小限の努力で済ませるにはどうしようか。そこを考えるとファッションやメイクのポイントが絞れて、余計な手間や時間が削ぎ落とされていくから、おしゃれ以外のことを楽しむ余裕が生まれてくるんです。

手を抜きたいけど抜けない貴女へ

——楽しむ余裕。ウートピは「仕事が好き」という頑張りやさんの女性も多く読んでいるのですが、野宮さんの30代はどんな感じだったんですか?

野宮:私の30代は、まさに、花開いた10年間でした。ピチカート・ファイヴの3代目ヴォーカルになって世界にも飛び出し、36歳で結婚・出産もして。仕事もプライベートも激動の10年間で、すごく忙しかったけど、こなせる若さとエネルギーもあったし、充実感もありました。

——やりたいことに思う存分打ち込めるのは幸せですよね。

野宮:そうですね。でも、下積みの20代があればこその30代で、最初から憧れの場所でやりたいことをできていたわけではないんですよ。

ずっと歌手になりたくて、アマチュアの女の子バンドを組んでいた時代もありましたし、その中でヴォーカリストの私だけがプロとしてデビューするチャンスに恵まれたりね。気まずいでしょう(笑)。一緒にプロになろうと誓った仲間だったけれど、チャンスは絶対に逃したくなかったから、裏切ってしまう結果になってしまうけれど私はそこでデビューする道を選びました。でも現実は厳しくて、シングル1枚、アルバム1枚で契約は終了。

その後は、3人でグループを組んだり、CMソングの歌唱やバッキングヴォーカルをしたり、なるべく夢の近くにいる努力を続けていました。

——「夢の近くにいる努力を続ける」。できそうで、できない人も多そうです。

野宮:私には歌手という夢があって、自分は何者になりたいかが具体的にわかっていたから、夢に近い場所を見つけやすかったのかもしれませんけど……。でもね、たとえ今は夢への遠回りをしているように感じたとしても、それがムダになることは絶対にないと思います。

——よく言われるように、人生にムダなことはない、ということでしょうか?

野宮:その通り! 私の場合なら、ピチカート・ファイヴのコーラスとしてアルバムやツアーに参加していたことがきっかけで3代目ヴォーカルへの道が拓けましたし、それにね、CMソングを歌っていたことで身についた特技もあるんです。

CM歌唱って、その日に何人か呼ばれて、譜面を渡されて、さぁ歌ってということが多いんですけど、私は譜面を読む勉強をしてこなかったので、たいていの場合、私だけ譜面が読めない。だから、「1回だけピアノでメロディを教えてください」とお願いして、その1回のチャンスで暗記して歌うんです。それを繰り返したことで、私、メロディを覚えるのだけはすごく早くなりました(笑)。

——意外な特技になったんですね。

野宮:「本当はこんなことやりたくないのに」とか、「私の実力はこんなものじゃない」なんて拗ねていたら、結果は違ったかもしれません。

一見、ムダだと思えることでも、後の人生で役立つことがいっぱいありますし、今やるべきことのベストを尽くせば、絶対、道は拓けていくものだって、今の私はみなさんにお伝えすることができますけど、渦中にいる時は不安になる気持ちもよくわかります。人生は、逆算はできないものですから。

——人生を逆算して、今すべき努力が明確になれば、どれだけラクか……。

野宮:本当にそうですね。どれだけ努力しても、理想の未来に到達するとは限らない。私だって、売れない時代も地道に歌うことを続けてきたから今があるのは確かだけれど、100%思い描いていた未来かというと、そうとは言い切れないですしね。

——努力のさじ加減、難しいですね。

野宮:やっぱりここでも大切なことは、“ほどほど”を忘れないことですね。未来へ続く努力はするけれど、盲目的になるのではなく、同時に今を楽しむこと。ファッションだって今を楽しむためにあるものですし、おしゃれに限らず、その時にしかできないことが絶対にありますから。きれいになるための準備ばかりしないで、今を楽しみ切らないともったいない。いつも「今ベストの自分でいること」にはどうすればよいかを考えて行動することが大事なんです。そこで得たものがまた、実は未来へとつながっていくものだと思っています。

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(取材・文:今富夕起、撮影:青木勇太)

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