比嘉愛未、迷路に入り込んだときに背中を押してくれたもの「世間体や周りに惑わされすぎていた」

比嘉愛未、迷路に入り込んだときに背中を押してくれたもの「世間体や周りに惑わされすぎていた」

女優の比嘉愛未さんが主演を務めるWOWOWの連続ドラマW『本日は、お日柄もよく』(佐々部清監督)が最終回を迎えます。スピーチライターという普段あまり聞きなれない役柄に挑戦した比嘉さんに話を聞きました。

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ドラマは、原田マハさんの同名小説を実写化。失恋で傷ついた会社員・こと葉(比嘉さん)は傷心のまま出席した結婚式で伝説のスピーチライター・久遠久美(長谷川京子さん)の祝辞に心を揺さぶられ、一念発起。久美の弟子として働き出す……という職業ヒューマンドラマ。

作品に出会って救われた

――こと葉は比嘉さんにぴったりの役ですね。

比嘉さん(以下、比嘉):本当ですか? 嬉しいです。でも自分でも脚本を読んだときから、他人ではないようなキャラクターの心情が入ってきて、演じている意識もなかったほどでした。これはご縁だなとすごく感じましたね。

不器用なんだけどまっすぐ。負けず嫌いで変なところに正義感がある。私も周りからよく言われるんです。佐々部監督にお会いしたときも、会った瞬間に見抜かれたのか、「こと葉じゃなくて、(愛未も合わさった)“まな葉”になってほしいと言われました。ふたりでひとつになるような、そういうキャラクターを作って欲しいと。

――では今回はご自身の思いも大切にしながら?

比嘉:はい。とても不思議な感覚なのですが、こと葉が自分のなかで生きている感じがしました。世代も一緒ですし、同じ女性として分岐点というか、仕事や将来について悩む時期って誰しもありますよね。

この作品を撮っていた去年の6月に、30歳になったんです。こと葉も自分の生き方に迷っていましたが、私自身、とどまって未来のことを考えたり、今までを振り返っている時期でした。この作品に出会えて、私自身も救われたんです。

「世間体や周りの意見に惑わされすぎていた」


――ウートピの読者も同世代です。もう少し、そのときのことをお話しいただけますか?

比嘉:子どもの頃に思い描いていた30歳ってもっと大人な感じだったんですけど、いざなってみると自分が思い描いていたところには達していなかった。仕事もプライベートも両方。仕事の面ではいい意味で向上心や野心を持っているので、もっとこうなりたかった、まだ足りないという変な焦りも出てきたり、プライベートでも地元に帰れば友だちに子供が3人もいたりする。

私もいつかは家庭を持ちたいし、仕事とプライベートを上手く両立できればいいんだけど、どうすればいいかわからない。先のことばかり考えすぎるようになっていたんです。迷路に入っちゃったんですよね。

そんななかで、今回、この作品をやらせていただいて、本当に恵まれた現場で、なおかつ運命的なものも感じられて、純粋に楽しかったんです。「あ、ここだ、私の場所は」と思えたんです。 ちゃんと道しるべを感じられたというか。もちろんこの先も、満足するということはないと思いますが、でもこんなふうに、人との出会いも含め、参加できてよかったと思える仕事を経験できているだけでも幸せなこと。

結局、シンプルなところにたどり着けたんです。この仕事が好きで、上京してきて、そこには何の後悔もない。世間体や周りの意見に惑わされすぎていたんだと思います。

まずは目の前の仕事をがんばること

――この仕事がやっぱり好きなんだと。

比嘉:改めて気づけました。自分が覚悟をもってやるんだと目指していた目標、夢をせっかく叶えられているのに、いろいろ迷いながらやっていたら中途半端になるし、自分らしくないなって。

まずはこの仕事をちゃんとがんばることで、それが自信にもなって、きっと私自身も成長していけるのかなって。そしたらいろんなことがいい方向に変わっていくかもしれない。焦っちゃダメだなと思えました。

――最終回に向けて、ドラマの見どころを教えてください。

比嘉:渡辺大さん演じる厚志のスピーチシーンですね。集大成というか、みんなの思いがぐっとひとつになった素晴らしいシーンだと思います。佐々部監督も、撮りながら泣いていて。みんなも本当に祈るような思いで見ていました。もちろんお芝居ではありますが、リアルな瞬間が確実にあったので、ぜひ見てほしいです。

●比嘉愛未さんが主演を務めるWOWOW連続ドラマW『本日は、お日柄もよく』最終話は、2月4日(土)夜10:00放送
リピート放送:2/6(月)夜10:00、2/7(火) 午後12:00、2/11(土・祝) 午前10:00

(望月ふみ)

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