DJあおいさんと「仕事がデキること」について考えていく連載「私は仕事ができない。」49回目のボヤきは「ジェネレーションギャップがある若い子に仕事をどう教えたらいい?」です。
【今週のボヤき】
ちょうど昭和と平成の変わり目に生まれ、20代はガチ昭和世代のおじさんたちに叱られながら仕事を教えてもらってきました。30代に入ってからは、新卒の子や後輩の面倒を見ることも多くなってきたのですが、指導をする際に、今の価値観と昭和の価値観の間で揺れている自分がいます。
後輩に指導をする際も「これって昭和っぽいかな?」とか「このやり方は古いのでは?」と思うこともあり、相手に対して「私はこう思うけれど、あなたの好きにやったら?」のような、中途半端な言い方になってしまうことがしばしばあります。
自分自身、いろいろな失敗を経てここまできたので自分なりの仕事観やノウハウは持っているのですが、押し付けになってしまうかも? と思い、躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。
実は若い世代のほうが保守的?
今の若い子の持っている仕事の価値観は、仕事よりも私生活を充実させたい、お金は困らない程度でいいから時間が欲しい、出世して大変な思いをするくらいなら今のままがいい。
というわりと保守的な価値観を持っている場合が多いですね。
遡(さかのぼ)ってバブル時代の若者は「24時間働けますか?」というキャッチコピーがあったほど「働く」ということに能動的な価値観を持っている若者が多かったようです。
保守的になる理由は…
その差は何なのかと言えば、働いた結果が得られるか否か。
バブル時代は働けば働くほど結果が得られた時代、お金はもちろんのこと地位や名誉まで働きに応じてリターンがあった時代ですから、そりゃイケイケドンドンになるのは当たり前、目の前にお宝がぶら下がっていれば誰だってモチベーションは上がりますよ。
しかし今は違います、身を粉にして働いてもリターンがあるかどうかもわからない、損をするだけかもしれないし、見返りがあったとしても雀の涙かもしれない。
努力の見返りがあまり期待できない時代ですから、そりゃ誰だって保守的になりますよ。
必要最低限の労働で必要最小限の報酬をいただければ満足ってことですね。
若い子は世間知らずだと思われがちですが、ちゃんと世相に合わせたワークスタイルを選ぼうとしているわけです。
まずは大人が人生を謳歌しよう
若い子は先輩や上司等、大人の働く姿を見てちゃんと価値観を学習しています。
先輩や上司が働いても働いても貧乏くじを引くばかりで、上の立場になればなるほど重責を背負わされるばかりで、大人になればなるほど生気を失うばかりで、そんな環境の中で「こんな大人になりたい」と思えますか?
私なら「絶対こんな大人にはならない」と心に誓いますよ。
そんな大人から価値観を押し付けられても反発するだけ。
まずは上の人が仕事でいい思いをして、羨ましいくらい公私共に充実した大人であり、嫉妬するほど生き生きと人生を謳歌(おうか)している大人であること。
「仕事ができる人ってカッコイイな、楽しそうだな、こんな大人になりたいな」と思わせることができれば、仕事なんてするなと言っても若い子は勝手に頑張ってくれるでしょう。
「こんな大人になりたい」と思えるサンプルになろう
仕事なんて要領とノウハウを教えてあげるだけで充分よ。
言葉で価値観は変わりません。
価値観は体現して見せてあげることで変わるもの。
「こういう大人になりたい」と思えるサンプルになって希望を与えてあげるように。
そこに希望があれば若い子は勝手についてきますよ。