空がどんより厚い雲で覆われると、頭もズーンと重たくなる。
季節の変わり目はやる気が起こらず戦意喪失、仕事がまったくはかどらない。
ただでさえ生理の日はツラいのに、雨が降ると吐き気まで……。
ん? それって私のこと? と思い当たったあなたは、天気によって体調や気分が左右される、低気圧女子かもしれません!
今回は気象予報士で、『低気圧女子の処方せん』(セブン&アイ出版)を上梓したばかりの小越久美(おこし・くみ)さんに、女子の正しい天気との付き合い方をレクチャーしていただきます。
お天気が悪いと、体調も機嫌も悪くなる?
不定期に襲ってくる頭痛、抑えられないイライラ。特に理由なんてないと思っていたこれらの症状と天気には、深い関係があるらしい。
「すべて天気のせいとは言い切れませんが、天候の変化が体や心の不調に関係しているのは間違いありません。
天気が体に及ぼす影響を学ぶ生気象学という学問もありますし、天気が引き金となって起こるさまざまな不調は『気象病』や『天気痛』などと呼ばれます。
気象病の代表的なものに頭痛がありますが、ズキズキと脈打つような痛みの偏頭痛が起きた日をチェックしてみると、それが雨の日に集中していた、というのはよくある話。あなたの不調も、天気の影響を受けているかもしれませんよ」
低気圧女子って、誰のこと?
気象病で悩む人は男女関係なくいそうなのに、なぜ、“低気圧女子”と名付けたのでしょうか。
「気象病に苦しんでいるのは、圧倒的に男性より女性が多いんです。
気象病の症状はさまざまですが、あるデータによれば日本人の6割以上が天気による体調変化に悩んでおり、そのうち女性の3人に1人が頭痛に悩み、女性の2人に1人はだるさを訴えています。
また、気象病を引き起こす気象条件として、低気圧の接近中や上空が低気圧で覆われているときが多いため、気象病に悩む女性たちを“低気圧女子”と名付けました。
気象病の主な原因は、天気の変化による自律神経の乱れ。女性は元々、生理周期によって自律神経が乱れがちのため、気象病に陥りやすいのです」
“低気圧女子”を悩ませる症状とは?
天気の変化に影響を受けやすい低気圧女子を悩ませる症状は、多岐にわたるそう。
「圧倒的に多いのは、頭痛です。空が厚い雲で覆われている日は頭全体が重だるい、ゲリラ豪雨の直前に偏頭痛が起こる、寝不足と雨が重なると必ず頭が痛くなるなど、タイミングやタイプは人それぞれですが、多くの女性が頭痛で悩んでいます。
次に多いのは、雨の日に限って手術痕や古傷が痛む、肩こりや腰痛が悪化するといった、痛み系の症状です。
それ以外にも、曇りやグズついたお天気が続くとお通じが悪くなったり、体がむくんだりというのはよくあるケースですし、めまい、耳鳴り、食欲不振、イライラ、気分の落ち込み、秋の気配を感じる頃になるとやる気を失う『季節性感情障害』などの症状もあります。
人それぞれ、体が弱っているときに症状の出やすいウィークポイントがあると思うのですが、天気の悪い日にそのウィークポイントに強く症状が出る場合、低気圧女子である可能性は極めて高いと思います」
(構成:今富夕起)